「ポルシェ718 ケイマン S」で銀ラメの夜。おまえを乗せてるSaturday Night!

車・交通

 

サイドのエアダクトといい、リアのポルシェっていうロゴといい主張の強さはロックンロール。試乗車はPDKだったけど、個人的にはマニュアルが楽しそうって思ったな。「現在のポルシェはちょっと」っていう空冷オールド・ポルシェ乗りの皆さんにも、試乗してみることを強くお薦めしたい。

 

 

 

これまでケイマンやボクスターは、“911の入門版”として語られるところがありました。価格帯もそうだけど、排気量やパワーも911とは明らかな差がついていて、カタログ値だけ見てると「さもありなん」とうっかり頷きそうになるんだ(笑)。オーナーのマインドも「いずれは911」という、上昇志向の人ばかりなのかなって思ってたんだ。ポルシェもその傾向を知ってか知らずか、今回のモデルチェンジに合わせてケイマンとボクスターに「718」ってカテゴリーを用意した。718は1950年代の歴史的な4気筒モデルなんだけど、4気筒ターボにエンジンが変更されたことを、ひとつの転機とみたに違いない。911の兄弟車とか、入門版とか、その手の先入観なくして718という「固有のカテゴリーで見て欲しい」と。

 

この718ケイマンSは、その主張を全体からびんびん感じるんだ。そもそもエンジンの搭載位置であるミッドシップとリアではテイストが違うし、今回はそれにも増して明確な世界観の違いがある。それは自然吸気の6気筒か、ターボの4気筒かって点なんだよね。乗ると、この変更が大成功だったのが分かる。まさに718という新カテゴリーにふさわしい差異なんだ。一言でいうと“ヤング・ポルシェ”って感じかな。ライトウェイトスポーツに通じる身の軽やかさに、4気筒ターボの中低速重視な走り。首都高だってアスファルトに張りついたように走るけど、あやうさもまたあるんだ。たとえが分かりにくいかも知れないけれど、ライブでファルセットを限界まで使おうとするベンジーこと浅井健一みたいな感じ(笑)。このあやうさが盤石泰然とした911とは明確な差異となってあらわれる。でもポルシェらしく、エンジニアが描いた(むしろ割り当てた?)走りのゾーンを徹底して追求しているから危険なものではないのよ。そもそもの車重に比して、パワーが勝りすぎてるアンバランスさ。これがセクシーなんだ。音だって低音で力強く脈動する感じが4気筒らしいし、「これが718」って主張は強い。

 

だからこの718ケイマンSに関して言うと、今まであまりなかったダウンサイズ現象も大いにあるんじゃないかと思う。たとえばこれまで911シリーズに乗ってたけど、違う自分を探しに行きたくて718に乗り換えたとかね。値段を別にしてだけど(笑)、6気筒のポルシェに乗りたいなら911に乗ればいいんだよ。入門版で718買うなら、中古で911買った方がはるかに入門になると思うんだ(笑)。確かに911は高級性能という意味で格上だし、走り味、インテリアの質感も何から何まで大人。車種ごとに汲めども尽きせぬ魅力はあっても、911シリーズって718シリーズに比較すると“間違いない安全圏”だと感じるんだ。でも718には未完成で根源的なピュアさがある。そこにいるのは、きらきらとしたまなざしでこっちを見つめてる少年の瞳の輝きみたいなものですよ。そこのところのポルシェらしい突きつめ方、見てみたくないですか?

 

Porsche 718 Cayman S / ポルシェ 718 ケイマンS

●エンジン形式:2.5ℓ水平対向4気筒ターボ
●最高出力:350PS
●最大トルク:420Nm
●トランスミッション:7速PDK
●車両価格:¥8,654,000

 

問い合わせ先:ポルシェ カスタマーケアセンター 
TEL:0120-846-911

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構成、文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとHipHopとラリーが好きで、愛車は峠仕様の92年製シボレー・カマロ改。手に入れて6年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

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