二村ヒトシ×下田美咲:死ぬまで退屈な人生なんて最悪だ

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アダルトビデオ業界で絶大な知名度を誇るAV監督・二村ヒトシ。数多の女性たちと文字通り“裸の付き合い”をしてきた彼ほど、オンナの本音を知る者はいない。“男でありながら女性の代弁者”として、オトコとオンナ、それぞれの本音を覗いてきた二村がたどり着いたのは、「男も女も微塵も差がない」ということだった。

 

では、AV監督という肩書きを持ちながら、ジェンダー論を展開する二村が各界のキーパーソンを訪ね、現代人の隠れた真のジェンダーの正体を探っていく。

 

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下田美咲と二村ヒトシとの対談も今回で最終回。、。今回は人生の判断軸について議論を展開していく。

 

何事も「自分が快適かどうか」を軸に置いているという下田。一方で、「自分の好きなことがなんなのか分かっていない男性が多い」と二村は語る。下田と二村、生きやすい人生を歩むために、二人が辿り着いた終着点とは。

 

撮影:山田英博 文:富山英三郎

 

 

 

■六本木あたりで高いワインを開けてるのは不安だからでしょ?

 

二村:下田さんは「YouTube」に飲み会のコール動画(※1)を上げたりしてパリピ(パーティピープル)っぽい印象があるけど、ご本人には成功の証としての「一流の人たちと高層タワーマンションでウエ〜イ」みたいな志向はないですよね。そういうの退屈だと思うタイプでしょ?

 

下田:超退屈、さっさと家に帰りたいです!

 

二村:六本木ヒルズの上のほうの階で、ろくに味もわからないのに高いワインを開けている人たちって、不安なんだと思うんですよ。いつ稼げなくなるか分からないからこそ「新自由主義」的な感覚に浸ろうとする。稼げているのは自分の実力、パーティやれるのは自分の実力って思い込もうとする。

 

お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」を中心としたダンス&ボーカルユニット「RADIO FISH」の歌って、それをネタにしてるんだと思うけど、あれをマジに受け取っちゃうのは、ちょっとヤバい。

 

下田:私の自宅にはミラーボールもあるし、その辺のパーティよりも仕上がっていると思いますよ。高層タワーでワインを開けて「PERFECT HUMAN」(※2)気取るくらいなら、もっとブッとぶような設備を組みますね。私のパーティ感というか快適さは、ヒルズ族的なことではないです。

 

 

⬛「好きなこと=投資してきたこと」を突き詰めればお金も稼げる

 

二村:そもそもどんなスタイルであれ、自分から幸せになろう、楽しくやろうという意思がないと、快適な生活や仕事を味わうことはできない。一方で、そのやり方が分からない人が多い。そういう男たちに、どういうふうに伝えればいいと思いますか?

 

下田:うーーーん。とりあえず、「自分の好きなことから始めれば?」って思いますね。趣味や好きなことを誰しも持っているでしょ? それってお金や時間を費やしてきたことだから、熱量や知識がある。

 

二村:好きなことを突き詰めれば、お金も稼げるはずですよね。

 

下田:稼げますよ! だって、そこにずっと投資してきたわけだから。

 

二村:僕の場合、ずっとエロいことばかり考えていたら、いつの間にかAV監督になってしまった。エロいことを探求しているうちに「女の子は何を感じ、考えているのか?」に興味が移って、だんだん仕事の幅が広がってきた。

 

僕も下田さんも「運が良い」と言われればそうなのかもしれないけど、舵を切って自分を運の良い方に向けることは、しましたよね。

 

下田:舵は切りましたよ。でも、「運が良い」って話をしてしまうと、私なんて掴めた「運」以上に逃したチャンスのほうが100倍多い。結局、実力がないと運があっても逃すんです。もし私に実力があったら、ここにも、あそこにも行けたよなって思う。「運」は言い訳にならないし、運だけあっても意味がない。

 

二村:そりゃそうだ。

 

下田:私は人生の判断軸を「快・不快」に分けていて、その意味で言うと、私の一番の「不快」は退屈なこと。遊園地の2時間待ちの行列も苦痛なのに、退屈のまま寿命まで待たなくちゃいけないなんて長すぎる。そこから逃れるためには「快」を求めるしかない。

 

二村:独身での「快」をほとんどやり尽くしたから、今は結婚もして、次は子どもを産もう、となったと。

 

下田:そうそう。遊び尽くしましたから、後悔はないです。

 

※1:飲み会コール動画……企画・脚本・撮影・出演・演出・監督・編集をすべて下田本人が行った下田美咲の動画プロジェクト「SMDP」にて飲み会コールの動画が「YouTube」に公開されている。現在では1000万回再生を記録。

※2:PERFECT HUMAN……「RADIO FISH」が2015年12月にリリースした曲。クセになるリズムと独特の振り付け、メンバーの中田敦彦を崇める歌詞が特徴的。

 

 

⬛「忙しい忙しい」と言ってる時点で二流

 

二村:下田さんは、出世しそうもない男性を、なんとかしてあげたい気持ちはありますか?

 

下田:いやいや。それよりも、「万年ヒラ社員なら授業参観にめっちゃ行けるじゃん!」って思います。偉くなるよりも、もっといろいろなことができる。「定年まで人並みの給料なら、一番サボれる方法を考えようよ」って。

 

二村:合理的だなあ……。どんな状況も素直に受け入れて、有効活用しようとする。

 

下田:結婚する理由って、旦那さんがお金を稼ぐことだけじゃない。むしろ、一緒にいてくれることが大事なわけで。

 

二村:お金は私が稼いでくるから、私を癒やして最大限のパフォーマンスが発揮できるようにしてほしい、ということなのかな。

 

下田:それもありますけど、どんなに稼ぎが良くても家にいなければ意味がないですよ。本当にデキる男は生産性が超高くないと。

 

二村:残業しているようじゃ二流だと。

 

下田:当然です。本当にできる男はほとんど働かずにお金を持ってくるし、私はそういう女になる。残業しながらそこそこのお金を稼いでいる程度で、デキる男と言われても困る。

 

二村:読者の反感を買うと思うけど、「忙しい忙しい」と言っている時点ですでに二流なんだな。

 

下田:忙しくなっている時点で仕事の能率が低い。それなら、「仕事はそんなに得意じゃない」と素直に認めて家にいるほうがいい。

 

 

⬛幸せになれないと、負け

 

二村:幸せとは何かって話と繋がってくると思うけど。

 

下田:そうですね。今しかできないことがたくさんあるんだから、思い出作りをもっとやろうよ。余るほどのお金があっても使えないし、「キミの時間をそんなに売って、これしか(お金)持ってこれないの?」「私たちの30代をそんなに安売りするなよ!」と思う。

 

月収30万円と100万円とで、70万円しか差がないのなら、私からしたら大して変わらないからそんなにコンプレックスを感じなくて良い。だって、幸せになれないと、快適じゃないと、負けですから。イヤイヤ仕事をして体を壊せば、医療費で稼ぎもマイナスになるし(笑)。

 

二村:まったくだね。今は快適ですか?

 

下田:相当、快適ですね。

 

二村:それは、男に幸せにしてもらったのではなくて、自分で切り開いてきた、パートナーも選ばれたんじゃなくて自分で選んだって自負があるからですかね。

 

下田:自分で切り開いて、そういうふうに配置してきたから。でも、誰と結婚しても幸せになれると思う。ただ、男性の財力を頼りたくないので、私の場合は自分で財力をつけないと快適にはなれないですね。

 

そうじゃないと恐いんです。いきなりやる気をなくされたらどうしようとか、会社が倒産したらどうしようとか。「頑張って」と言うことはできても、彼が頑張ってくれるかは分からないですから。頑張れるのは自分だけ。

 

二村:妻だろうが会社だろうが、他人に期待するのが間違いですよね。

 

さて、お子さんが産まれたら、下田さんはどうされるんですか?

 

下田:子ども中心でいきます。文章だけとか、在宅ワークに切り替えていきます。現場もときどきなら出られると思いますし。そのために、“下田美咲業”をここまで立ち上げてきたんです。

 

子どもを産んで働くことって基本的には難しいと思うんです。つまり、社会のテンプレートを使った働き方をしながらは厳しい。でも、私はそのテンプレは使わずに”下田美咲業”を確立させたので、これからも自己ベストを尽くせば、両立できると思うんです。奇跡的に。

 

二村:下田さんの自己ベストって、苦しいけど頑張るって方向じゃないんだよね。しんどいとたちまちヘルペスできちゃう、体に出ちゃう人だから(笑)。敏感だというのは精神が健康だということですよ。間違った働き方をしてたら、すぐ体や精神が壊れる人のほうが、健康。

 

下田:そうそう。さっきも言いましたけど、体壊すと医療費がかかって稼ぎがマイナスになっちゃう(笑)。本当に医療費ってバカにならないですからね。パートナーからしても、時間は食うし、介護もしなきゃいけないし超迷惑。だったら、せめて好きな職に就いて毎日を幸せに過ごして病気にならないようにして? って思うんですよ。

 

二村:イヤイヤ仕事をして具合が悪くなるのは、体が出してるサイン。これを読んでいる『For M』の読者さん、苦しい思いして働いてるくらいなら、さっさと今の仕事を辞めて、次の生き方を模索しましょう!

 

(完)

 

 

 

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・(イースト・プレス)

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この情報は2017年5月31日現在のものです。

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