「ウォシュレットは衛生的なのか?」麻酔科医が調べてみた。

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citrus のりのり麻酔科医

突然ですが、ボクはウォシュレットなどの温水洗浄便座を愛用しています(※)。普段の勤務先のトイレにはついているのですが、たまに行く当直先の病院にはないことが多く、かなり苦痛です。温水洗浄便座になれちゃうと、すぐお尻が痛くなっちゃうんですよね(汗)。

 

先日、外来が終わって雑談していたら、意外と同僚の温水洗浄便座の使用率が低いことがわかりました。どうやら、衛生面が気になるようです。「知らない人が使ったやつはだめ」「家のトイレだったら良いけど公衆便所はだめ」という意見が多かったです。中には、温水洗浄便座を媒介して菌やウイルスに感染するのではないかと本気で心配している人もいました。

 

では、本当に温水洗浄便座は衛生的ではないのでしょうか?

 

手術の際、未だに消毒は重要なものですが、キレイな水による洗浄も同じく重要なんです。消毒液はそれ自体が組織を痛める可能性があるので、体のどこにでも使えるという訳ではありません。

 

何らかの原因で腸が穿孔して便がお腹の中に漏れてしまった場合も、消毒液で消毒をするのではなく、3Lとか5Lとかそれ以上の大量のキレイな生理食塩水で腹腔内を洗浄するんです。

 

なので、感覚的には万が一、温水洗浄便座のノズルに菌が着いていても、大量の水で流されるので大丈夫なんじゃないかと思うんですよね。まあ、菌がついていたらそれ以前にダメという人も多いと思いますが(笑)。

 

信頼できる医学文献検索サイト「PubMed」で調べてみると、温水洗浄便座(というより、女性器を洗浄するビデ)の使用により、本来膣を酸性に保ち病原菌をブロックしている正常細菌叢が破壊されるというような趣旨の文献はありましたが、温水洗浄便座を介して病原体が感染したというものはみあたりませんでした。

 

 

一応TOTOに問い合わせてみましたが……、

 

1.1980年の誕生以来、業界全体で4,000万台以上の温水洗浄便座を販売しているが、温水洗浄便座が原因で疾病にいたったという因果関係や明確な事例はこれまで報告されていない。

 

2.現在販売している温水洗浄便座には抗菌ノズルを採用したり、ノズルから吐水される洗浄水の角度を工夫することで洗浄に使用した水がノズルにかかりにくくしているので、安心してご利用して欲しい。

 

3.温水洗浄便座は医療器具や治療機器ではなく、お風呂のシャワーなどと同様の住宅設備機器としてご使用する製品なので、薬事法等の規制を受ける製品ではない。

 

という趣旨の返答がありました。

 

3に関しては、医療機器じゃないのでそこまで清潔を求められていないという逃げ道のように聞こえますが(笑)、結論としては「衛生面では問題ない」ということのようです。

 

とはいえ、「人が使った温水洗浄便座は気持ち悪い」という人は多いはず。

 

 

気になる温水洗浄便座の一般家庭の普及率は、5年に1度、総務省による「全国消費実態調査」で調べられており、平成26年の集計結果は平成27年7月より順次公表されるようです。

 

前回、平成21年の調査結果によると……、

 

ウォシュレット普及率の全国平均は68.8%で、すでに半数以上の世帯にウォシュレットが普及している。最も普及率が高いのは富山県で81.9%。北陸は石川県や福井県も上位に入っておりウォシュレットの普及率が高い。

 

出典:

 

これをみると、自宅で使う人は7割弱いるようですが、家族全員が使っているわけではなく、それに外でも使うという人はぐっと減ることでしょう。

 

ちなみに、旧ブログ「」でどこまで温水洗浄便座が使えるかアンケートをとったところ、「家でしか使わない」と答えた人が71人中25人(47.2%)で、「公衆便所でも使う」と答えた人は71人中11人(20%)でした。

 

回答数が少ないのですが、そこそこ現状を反映しているのはないでしょうか。

 

※商標の普通名称化により「ウォシュレット」や「シャワートイレ」などの呼称で総称している場合があるが、ウォシュレットはTOTO、シャワートイレはINAX(LIXIL)の商標である。(出典:)

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