住むヴィンテージ──Part2. 愛おしくなるクラシック

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ひとつは御年52歳、文京区春日の川口アパートメント、もうひとつは御年45歳、渋谷区のホーマット、そしてさらに3つ目は御年43歳の駒場の久米プラザ。いずれも昭和モダニズムが生んだ傑作マンションだ。

 

【緩やかな時が流れる、オーガニックな空間】リビングダイニングでの定位置はここ。「自宅にいる時は、音楽も掛けずにこの場所で本を読んだりして過ごすことが多いですね」。

 

■渋谷区のホーマットに住むカメラマンの五十嵐隆裕さんに訊く

 

愛おしくなるクラシック

 

「初めから“ホーマット”物件限定で探していたんです。幼稚園時代の友達が暮らしていた“ホーマット”のマンションに遊びに行ったりしていて、昔からそのインターナショナルなブランディングや素材感に惹かれていました。アメリカ暮らしが長かったせいもあって、居住者同士のなごやかな関係性や自由な空気感も含めて、とても気に入っています」

 

アリゾナに留学し、ニューヨークで修業時代を過ごして、都合7年をアメリカで過ごした五十嵐さんにとって、欧米の生活様式に合わせた外国人VIP向けマンションとして構想された“ホーマット”シリーズでの暮らしは、とてもしっくりくるという。旧き良きオリジナル仕様の空間の味わいや、いまでは時代遅れとなってしまったクラシックな意匠にとても惹かれるのだとか。

 

「ここは購入時そのままの状態をキープしているのが魅力ですね。2ベッドルームで広さも十分あり、仕事上のアクセスも申し分ない。ストロボを焚いても問題ないので自宅撮影もよくしています。ただ夫婦ふたりで使うには広すぎるのと、昨年代々木上原にスタジオをつくったので、いまはその近くに引っ越そうかと考えてはいるんですけどね」

 

ケミカルでデジタルなものは極力置かないというこだわりの空間は、じつに素朴で居心地がいい。古く美しい“箱”で美しいしつらえとともに暮らす、素敵な好例である。

 

自ら手がけたというヴェランダのグリーンスペースと植栽は、手入れ感のないワイルドなイメージに。

 

バスルームも「ちょっと懐かしい感じがいいんです(笑)」という。照明や透かしブロックなどオリジナルの状態をキープ。

 

「祖父の病院で使われていた」というシェルフやデスク、ギターなど、年齢を重ねたウッドの調和が心地いい。

 

リセールマーケットすら存在しているという、人気のフリースタンディングガスレンジ「マジックシェフ」を標準装備した、使い勝手のいいキッチン。

 

いがらし・たかひろ/1980年生まれ。日本写真芸術専門学校を卒業後、渡米。リチャード・アヴェドン・ファウンデーションにてインターンとして勤務後、帰国。アシスタントを経てフリーのフォトグラファーに。雑誌、広告、アーティストなど、幅広い撮影で活躍。

 

Photos: Michinori Aoki (KAWAGUCHI APARTMENTS),
Taro Hirayama
Words: Junya Hasegawa @ America

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