37年間変わらぬ機能美と進化する走り。憧れのGクラスの真価とは!?

車・交通

■軍用車をルーツにもつ唯一無二のSUV

 

全高が2m近いので大柄に見えるが、直線基調のボディーは車両感覚がとてもつかみやすい。基本設計は変わらないが、内外装はラグジュリアリーに仕立ててある

 

乗用車のモデルチェンジはたいてい4~5年置きに行なわれるが、なんと37年間も基本設計を変えずに作られている稀有な存在が、メルセデス ベンツ・Gクラスだ。

 

NATO軍の制式採用車両を民生用に販売したのが始まりで、現在も生産は銃器メーカーを前身にもつ、オーストリアの「マグナ・シュタイア」で行なわれている。軍用車がルーツなだけあって、極限の状況を生き延びるための性能、つまりクロスカントリー性能はいうことなし。

 

不整地で片輪が浮いたり空転したとき、そのままだともう片方のタイヤに駆動力が伝わらなくなり、最悪の場合は走行不能に陥るが、Gクラスにはタイヤの回転差を相殺してスムーズに旋回するためのディファレンスギアがフロント、センター、リアの3か所に付いていて、状況に応じていずれかのディファレンシャルギアをロックすることで、危機を脱することができる。さらに、すべてのディファレンシャルギアをロックすれば最大の力を発揮して雪道や急こう配を圧倒的なトルクで突き進んでいくのだ。

 

 

■豪華になった最新モデルは1000万円級!

 

ディファレンシャルギアの切り替えはセンターコンソールのスイッチで操作できる(銀色の部分)。コクピットのレイアウトも機能的だ

 

角張ったスタイリングも軍用車ならでは。ボディーパネルを直線基調にすることで有事の際に部品単位での運搬や交換を容易にしてあり、キャビンも同じ理由で平坦なガラスを使っている。

 

日本には1980年代半ばから正規輸入が始まり、当初は2・3~3リッターエンジンを搭載し、インテリアもシンプルだったが、90年代半ば以降は年を追うごとに高性能化・ラグジュアリー化が進み、より高性能なAMGモデルも人気を博した。

 

多くのクルマが丸みを帯びたデザインになっていくなか、昔ながらの無骨さを残したGクラスがユーザーの目には新鮮に映ったのだ。現在は最もベーシックなG350d(ディーゼルエンジン車)でも1000万円という高嶺の花になってしまった。

 

 

■オンロードでも極上の乗り味が堪能できる

 

ラゲッジは縦・横ともに広く、フル乗車時でも積み残しがでることはまずない。後席は2:1分割可倒式。座面ごと前に跳ね上げるタイプだ

 

今回試乗したのは、2015年12月に追加された上級モデルのG550。最新のパワフルな4リッターV8エンジンを積み、サスペンションは走行状況に応じて減衰力を最適に制御する可変ダンパーシステムを採用している。V8エンジンの力強さと気持ちいいフィーリングはいうに及ばず、強化された足回りのおかげで、ひと昔のGクラスとは格段にオンロード性能が向上しているのがわかる。

 

なにしろ走行中にクルマが加速度や舵角、横方向からのGを常に読み取り、最適な減衰力を導き出しているのだ。背の高いSUV特有のふらつき感や足元がドタバタする感じも少なく、実に快適だ。とても簡単に手が出せるクルマではないが、機能に徹した最高の道具をフィールドで試したいと願うアウトドアズマンは少なくないはずだ。

 

テスト車両は真っ赤なレザーシート付き。あまりアウトドアっぽくないが、高いアイポイントからボディーの四方を見渡せるので、障害物の多い場所でも運転しやすい

 

 

■高値安定でも中古車は狙い目!

 

最後に現実的なアドバイスを。Gクラスは軍用車がベースゆえ、耐久性も抜群。なので15年落ち、走行10万kmの中古車でも問題なく走る。そのぶん中古価格も300万~500万円と高めだが、新車を買うよりはずっと現実的。電気系の故障さえ気をつけてメンテナンスしていけば、30万kmくらいは平気でもつ。正規ディーラーでは低年式の中古車は扱っていないので、Gクラスに強い中古車専門店で探してみては?

 

 

メルセデス ベンツ・G550

全長×全幅×全高:4575×1860×1970㎜

車両重量:2560kg

最低地上高:235㎜

最小回転半径:6.2m

エンジン/排気量:V型8気筒DOHCツインターボ/3982cc

最高出力/最大トルク:421ps/610Nm

トランスミッション:7AT

駆動方式:4WD

価格:¥14,700,000(税込)

問い合わせ先:☎0120-190-610 

 

構成/櫻井 香

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