「面倒見る ホントにジッと 見てるだけ」―子育てパパの失敗川柳から学ぶこと

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いつ誰が名づけたのか、育児に積極的に参加するパパたちを「イクメン」と呼ぶようになった。2010年には当時の厚生労働大臣が「イクメンという言葉を流行らせたい」と国会で発言し、その年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップテン入りまでしている。しかし、2017年までに男性の育児休暇取得率を13%にするという国の目標は、期間を2020年へと延長したにもかかわらず達成は難しそうである。なにしろ厚生労働省の発表によると2016年度の時点で、たった3.16%しかないありさま。ただし、これでも1996年度の調査以来過去最高なのだとか。まぁ、職場では長期休暇を取りにくいというのもさることながら、国からの育児休業給付金が賃金の67%に引き上げられて、非課税かつ社会保険料が免除されるとはいっても手取りは少なくなるのだから、やはり生活上の不安がつきまとうという事情もあるのだろう。

 

だからせめて家にいる時には「ママを手伝ってあげよう」などと思ったのなら、それがもう「ダメパパ」の自覚無しということになる。『ひとのパパ見てわがパパ直せ』(山田周平/三交社)には、一児の娘(3歳)の親でもある著者が詠んだ「ダメパパ川柳」とともに、5段階の「ダメパパ度」メーターと著者の失敗談が載っており、最初の方こそ「ダメパパ度1」との判定で、ママも笑って許してくれそうな微笑ましいレベルではある。しかし次第にダメパパ度が上がるにつれ、ママが般若になっていくのが読んでいて想像できる。それも「ダメパパ度5」ともなれば、その理由が分かろうというものだ。試しに、「ダメパパ度5」から3つほど拾ってみよう。

 

「面倒見る ホントにジッと 見てるだけ」

著者は、ママがお風呂に入っているあいだに娘の面倒を見ることを頼まれていながら、娘がジュースをカーペットにこぼしていることに気づかなかったそうだ。同じ空間にいるだけで面倒を見ている感覚になっていたとしたら、それは錯覚なのである。

 

「どこにでも 気軽に置くな 危険物」

独身時代に、何かと物を床に置いていた人は要注意。よく云われているように、子供は何でも触りたがり、何でも口に入れようとするから、ほんの一瞬でも子供の手の届く範囲に物を置いてはいけないのだ。

 

「子を連れて お出かけするのに 手ぶらかよ」

出かけるときに、小脇に抱えるようなバッグすら持たないという男性は少なくないだろう。しかし、子供を連れて外出するとなれば、洟(はな)を拭くティッシュや汗を拭くタオルはもちろん、小さな体には水分補給が必須だし、飲んだら出すのだから替えのオムツも必要。著者は必要最低限のアイテムを揃えたバッグを、あらかじめ作っておくよう勧めている。

 

さて、拾った川柳に共通していることは、もうお分かりだろう。いずれも、本質的には子供の安全に関わることである。本書にはイラストレーターの、こむじむさんが「ダメパパマンガ」を描いており、この「ダメパパ度5」の章の扉には娘がテーブルに頭をぶつけたと思われる挿絵が添えられていた。子供の安全が脅かされるとなれば、ママが般若になるのも当然。本書の川柳に笑って、「どこのパパも一緒なんだな」と安心していてはダメなのだ。

 

とはいえ、著者は本書をパパとママが育児について話し合えるような、コミュニケーションツールとして役立ててほしいとも述べている。パパたちの中には、つい子育てを「手伝う」と口走ってしまう人もあるだろうが、子育てはパパとママが一緒にやって当たり前。本書の末尾には少ないながらも「褒めパパ川柳」が載っていて、何をすれば良いのかのヒントになるはずだから、くれぐれも読み忘れないよう気をつけてもらいたい。「読んだだけ」で済ませていると、ママからの雷が落ちることになるのは自明の理である。

 

文=清水銀嶺

 

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