ヤマハ電動アシスト自転車登場から24年。いま、海外ブランドが日本市場に本格参入する理由とは

ヤマハ発動機が世界に先駆けて電動アシスト自転車を発売したのは1993年のこと。トヨタ自動車のハイブリッド車プリウスのデビューより4年早かった。あれから24年。いまではママチャリと呼ばれるファミリー向けを中心に、日本のモビリティシーンに欠かせない存在になっている電動アシスト自転車に、今年新たな動きがいくつか起こっている。

 

まず3月、台湾の電動アシスト自転車ブランドのひとつで、我が国にも数年前から輸入されている台湾のBESV(ベスビー)が日本法人を設立して本格参入すると発表。そして9月には自動車業界のサプライヤーとして有名なドイツのボッシュが、自身が開発した電動アシストユニットの装着車両を展開していくとアナウンスしたのだ。

 

ヤマハは電動アシスト自転車を発売後まもなく、欧州への輸出も開始した。しかし当時はさっぱり売れず、約10年後に撤退することになった。すると直後から現地のメーカーが電動アシスト自転車を送り出す。欧州お得意の手のひら返しだ。しかし当時の欧州のユーザーには理解されず、芽が出なかった。

 

そんな中で着実に普及していったジャンルがある。自転車タクシーだ。この分野のパイオニアであるドイツのベロタクシーが生まれたのは1997年。登場時期から考えてヤマハの技術を参考にした可能性が高い。日本では2002年に走り始めており、いまでは観光地などで、三角形の車体を持つ前1・後2輪の電動アシスト式自転車タクシーを良く見かけるようになった。

 

その後自家用の自転車にも電動アシストの波が訪れ、多くのブランドが生まれた。最初に紹介したBESVもそのひとつ。そして同じ頃、ボッシュが後付けタイプの電動アシストユニットを市場に送り出した。いまでは70以上のブランドが同社のユニットを使っているという。

 

 

■日本と海外ではアシスト量が違う?

 

電動アシスト自転車には基準がある。日本の場合、車速10km/h未満では人力1に対して最大2のモーターアシストが許されているが、そこから上は速度を上げるにつれアシスト量が減り、24km/hでゼロになる。欧州や米国にもレベルは異なるが同じようなルールはある。

 

つまりBESVやボッシュは日本の基準に合わせて電動アシストのチューニングをして輸入している。自動車の排出ガス規制や騒音規制に似た状況だ。そこまでして海外の車両が、電動アシスト自転車大国と言える日本にやってくるようになったのは、デザインの力が大きい。

 

日本メーカーの電動アシスト自転車は、ママチャリに代表される実用車が中心だ。最近はスポーツタイプも出しているけれど、存在を知らないという人も多いし、洗練されたフレームと他車種と共通のバッテリーや駆動系のマッチングがイマイチという声もある。

 

その点輸入車は、BESVがそうであるようにスポーティでファッショナブルなフォルムが中心。バッテリーや駆動系は車体と一体化されていてスタイリッシュだ。そのぶん価格は高めだけれど、ボッシュを含めて「Premium e-Bike」と称して付加価値で勝負する。そう、彼らは電動アシスト自転車などという長くて冴えない名前は使わない。e-Bikeというネーミングを作り出してアピールしている。こういうセンスはさすがという他ない。

 

ただ海外のe-Bikeがクールだからといって、個人輸入して乗ることは控えていただきたい。前に書いたように電動アシスト自転車の基準は日本と外国で異なる。アシストのレベルが基準を超える場合は原付扱いとなるので、ナンバープレートを取得しヘルメットを着用して運転しなければならない。中国で普及している電動自転車、つまりペダルを漕がなくても電気で走る自転車も同じ。東京でもヘルメットを被らず、ナンバープレートを付けず、なのにペダルを漕がずに電動で走行する自転車をたまに見かけることがあるが、これは立派な交通違反だ。

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