バーゲン品はお得じゃない!? 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話

マネー

(佐藤治彦/扶桑社)

お金に対する悩みは尽きない。どれほどあっても人間は“欲”が出てくるものであるが、欲しいモノを買ったり、行きたい場所に思いつくがまま足を運んでいたりすると、いつの間にか貯金がみるみる減っていたなんて経験も少なくないのではないだろうか。

 

日頃から何かを我慢して“節約”に励む人たちも多いが、一方で、どこからか囁かれる“節約信仰”を捨て、欲しいモノを手に入れつつも、お金と「いい距離で付き合う」テクニックを教えてくれる本がある。経済評論家の佐藤治彦氏が著した書籍『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』(扶桑社)である。

 

節約しているはずなのに、どうしてもお金が貯まらない……。そんな人たちにとって、役立つ一冊となるはずだ。

 

 

■格安品を探し回るより“収入を増やす”方が効率的

 

1円でも安いものを求めたい。節約を考える場合に、おそらく真っ先に思い浮かぶことではないだろうか。しかし、佐藤氏は「自分の欲望に向き合う。そして、本当に欲しいもの、必要なもの買う」のが大切だと諭す。その真なるところは「無駄なお金が出ていかない=着実にお金が増えていく方法」だからである。

 

例えば、お得な商品を探して近くよりも遠くのスーパーを何軒も巡るという方法はありがちだが、佐藤氏は、スーパーとは本来「すべての商品が最安値でなくても、時間をかけずにワンストップショッピングができる」からこそ魅力だと説く。

 

その上で、お得な商品を求めて多くのスーパーへ足を運ぶよりも「週に1日でも、4時間ほどのパートタイマーとして働くほうが家計の足し」になるという。この話で考えるべきなのは“時は金なり”という言葉だ。すなわち、目の前にある家計をやりくりするよりも、収入を増やすことへ意識を向けるのも大切だということである。

 

 

■半額、バーゲン…魔法の言葉に惑わされるべからず

 

買い物といえば、節約で思い浮かぶのは「半額」や「バーゲン」といった魔法の言葉である。ワゴンに入った商品にお買い得と思ってついつい手を伸ばすなどもありがちだが、果たして本当にそれが自分にとって“価値あるもの”かどうかも見きわめなければならない。

 

本書にある一例だが、バーゲンセールとして3800円だったはずのシャツが1900円で売られている場合。佐藤氏は「正価のときに出合っていたら買った商品だろうか?」と一度、自分の心に問いかけてみてほしいと述べる。

 

元からデザインが気に入っていたなどの特別な理由があればよいが、ふと見かけて“安かったから”という理由ならば、佐藤氏によればその商品は「1900円の価値しか認めていない商品」ということになる。自分がたいして欲しくないモノにまでお金を使うのは「愚行」だと言い切る本書であるが、この考え方も“なぜかお金が貯まらない”という人たちにとっては、心がけておくべきポイントとなるだろう。

 

これらのように、本書にはお金との付き合い方を考える上で重要な53もの心がまえが綴られている。できるならば“欲”を満たしつつ、お金を貯めたいというのも人間の本音。そんな思いに、きっと応えてくれる一冊だ。

 

文=カネコシュウヘイ

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