東京タワーの色は「赤」ではなかった! 還暦を迎える東京タワーの秘密8選!

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昭和の時代に、テレビ・ラジオの総合電波塔として建設された東京タワー。以降、東京、そして日本の戦後復興のシンボルの代表として、世界中に知られるところとなりました。そんな東京タワーも今年12月で開業60周年を迎えますが、この長きにわたる歴史においては知られざるエピソード、秘密があります。東京タワーを運営する日本電波塔株式会社の澤田 健さんに話を聞きました。

 

日本電波塔株式会社・澤田 健さん。東京タワーを知り尽くし、幅広い宣伝・広報活動を行う“ミスター・東京タワー”のようなお方です

 

 

■【秘密その1】東京タワーは当初、上野に建てられる計画があった

 

――東京タワーは芝公園にありますが、なぜこの場所に建てられることになったのですか?

 

澤田 健さん(以下:澤田) 東京タワーを建設する上で最も重要なポイントは「地盤が安定している」場所であること。芝公園付近には、東京礫層という強固な地盤が通っているうえ、東京タワーのある場所は高台で電波塔に適しています。さらに、各放送局や国の中枢機関からも近く、利便性が高い点も、この場所に決まった理由の1つです。

 

当初は上野も建設候補地の1つだったようですが、芝公園の好条件を上回ることはできず、結果的に芝公園での建設に至りました。

 

 

 

■【秘密その2】東京タワーの鉄は、アメリカ軍の戦車の鉄で出来ていた!

 

――この東京タワーの鉄もかなり頑丈そうですね。

 

澤田 すべての鉄がそうではないのですが、東京タワーの大展望台(高さ150メートル)から上の一部分に、アメリカ軍の戦車の鉄が使われています。東京タワーが建設された当時は、良質な鉄というと軍需産業のほうに優先的に使われる時代でした。東京タワーの鉄骨にも、朝鮮戦争でアメリカ軍の戦車に使われていた良質な鉄が、再利用されているのです。

 

東京タワーの大展望台(150m)から上の一部分には、アメリカ軍譲りの頑丈な鉄が使われています

 

 

■【秘密その3】建設に関わった鳶職人の給料は、大卒初任給の約3.3倍!

 

――全国から優秀な鳶職を集結させて、東京タワーを建設したと聞いたことがあります。

 

澤田 はい。東京タワーは1957年6月に着工し、1958年12月に竣工しましたので、約1年半で完成しています。日本中の優秀な鳶職の方々が集結して、タワーは建設されたのです。

 

 

――一説では、皆さん高給取りだったと聞きます。大卒の初任給が1万2千円のころに、鳶職の方の月給が4万円だったとか。つまり大卒初任給の約3.3倍になりますね。

 

澤田 全員ではないと思いますよ。鳶職の方にも年齢差や経験によって給料にバラつきがあるはずなので。ただ、優秀な職人ばかりだったので、一般職よりも高額の給料を取る方が多かったことは事実です。

 

建設時の鳶職の方の写真。

 

 

 

 

■【秘密その4】東京タワーの色は「赤」ではない!

 

――建設時もそうですけど、メンテナンスも大変そうです。例えば塗装ペンキの塗り替えは、どうやっているんですか?

 

澤田 基本、職人さんによる手塗りでの塗り替えですね。ハケを使っての作業になります。塗り替えた後は本当に綺麗になりますよ。現状では5年に1回、作業を実施しているのですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、もう一度オレンジに塗り直す予定です。

 

 

――“オレンジ”と言いましたが、東京タワーの色は“赤”ではないのですか?

 

澤田 はい。これもよく言われることなのですが、東京タワーは赤ではなく、インターナショナルオレンジと白になります。航空法で定められた色です。例えば、羽田の近くにある煙突やクレーンみたいなものにも使われており、昼間障害標識と呼ばれていて、飛行機が認識しやすい色なんですね。

 

 

 

東京タワーの色の塗り替え中の写真。確かに下の写真をよく見ると、赤ではなくオレンジに近いです

 

 

■【秘密その5】来場者数の約3割が外国人!

 

――いまから10年ほど前、東京タワーをモチーフにしたヒット作品が数多く出ました。リリー・フランキーさんの「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」、江國香織さんの「東京タワー」など。以降の10年間で変わったのはどんなところですか?

 

澤田 こういった作品によって、東京タワーの再評価に繋がったことは本当にありがたいことでした。そして、ここ10年で一番変わったことは、外国からのお客さまが増えたことですね。10年くらい前は、外国人のお客さまは、7~8%しかいなかったのですが、いまは時期にもよりますけど、全体の30%近くが外国人のお客様になることもあります。

 

その流れを受けて、3月3日(土)にオープンする「トップデッキツアー」は、13言語対応の音声ガイドシステムを採用しています。これからは、世界中の方々に楽しんでいただけるサービスを提供することが、より重要になると思います。

 

しばらくリニューアル工事を行っていた特別展望台(高さ250m)は、3月3日(土)から「トップデッキ」と名を変え、世界中の方々を迎えます

 

 

■【秘密その6】見学スタイルが大幅に変更

 

――この特別展望台、3月からは「トップデッキ」と名を変えられるそうですが、どのようなところが変わるのでしょうか?

 

澤田 事前予約制の体験型展望ツアー「トップデッキツアー(大人2800円)」としてオープン致します。「トップデッキツアー」では東京や東京タワーの歴史を、アテンダントのおもてなしとともに知ってもらいます。クライマックスであるトップデッキでは、ジオメトリックな雰囲気のなか、東京の眺望をお楽しみいただきます。また、小学生以上のツアー参加者全員に13言語対応の音声ガイドをお渡しし、ツアーの案内やトップデッキでの景観案内をご提供致します。ツアーにはドリンクや記念フォトカードのプレゼントなど、様々なサービスも含まれています。

 

 

――つまり、これまでのように、ただ高いだけの展望台へ行くということではないんですね。

 

澤田 はい。この「トップデッキツアー」によって、世界中からのお客様が待ち時間なく、迷うこともなく東京タワーを楽しんでいただけると思っています。

 

一方、高さ150メートルの大展望台(3月よりメインデッキに改名)だけを見学したいというお客様もいらっしゃると思いますが、こちらは従来のまま900円です。気軽に楽しめるメインデッキと、付加価値のあるトップデッキツアー、3月から東京タワーの展望台は2つの楽しみ方を選択できるようになるのです。

 

リニューアルした「トップデッキ」のパース。東京中の様々な景色を吸い込んだ未来的空間を体験してもらおうとデザインされたそうです

 

 

■【秘密その7】東京タワーは大晦日のカウントダウンをやっていない!

 

――一気に外国人観光客が増えた東京タワーですが、それによって困ったことはありましたか?【秘密その7】東京タワーは大晦日のカウントダウンをやっていない!

 

澤田 しばらく大変だったのは、大晦日のカウントダウンの誤解です。特に香港、マカオ、台北などでは大晦日に巨大なビルからカウントダウンで花火を打ち上げることが多いようなのですが、そういう先入観からか、何の告知もしていないのに、大晦日、東京タワーのまわりにどんどん外国の方が集まってきて(笑)。 「No Fireworks!」「No Event!」とお伝えしても「いやいや。それ自体もサプライズで、本当は何かやるんだろう」「ジャパニーズジョークだろ」と、なかなか信じてもらえないんです(笑)。

 

最近、渋谷でスクランブル交差点を開放して、カウントダウンをするようになったので、渋谷をご案内出来るようになったのですが、それでも東京タワーをあきらめられない方は、個人的にカウントダウンをしていますね。近隣の方々への配慮なども考えると、東京タワーでは今後もカウントダウンをやらない予定です。これはどうかご理解いただきたいです。

 

東京タワーは本来24時ジャストに消灯しますが、現在はリニューアル工事中のため、翌朝まで点灯しているそう。「ライトダウン伝説」は工事明けまでお預けです

 

 

■【秘密その8】東京タワーは東京スカイツリーに感謝している

 

――最後に、東京スカイツリーがオープンしてから、東京タワーとの因果が生まれたようなことはありましたか?

 

澤田 因果はないですけど、東京スカイツリーが出来て盛り上がったとき、「じゃあ、東京タワーのほうはどうなっているか」みたいな空気が生まれて、東京タワーも話題にしていただき、とてもありがたかったですね。東京スカイツリーがある墨田区、押上・浅草エリアの下町と、東京タワーがある港区、麻布・六本木といったエリアは、同じ東京でもまったく表情が違います。

 

2つのタワーを象徴にして、両方のエリアを巡るツアーが出来たことなどは、すごく画期的で良いことだと思いました。もちろん、これは東京タワーだけの話だけでなく、面で盛り上げるという意味で、東京の観光産業にはすごくプラスになっていると思います。

 

東京オリンピック・パラリンピック前の現在、東京は世界中から注目されている時期です。今後は東京タワーも、いままで以上に東京の他の施設と連携し、東京観光を多いに盛り上げていきたいと思っています。

 

これからも東京のシンボルとして活躍し続ける東京タワー。改めて見学したい東京のマストスポットです

 

開業60周年を前に、これからも東京のシンボルとしてそびえ立つ東京タワー。改めて見学に行かれてみてはいかがでしょうか?

 

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