「相乗りタクシー」から「ソニーの配車アプリ」まで… 激化するタクシー改革は成功するのか?

 

去年の秋にトヨタ自動車が新型タクシー専用車、JPNTAXI(ジャパンタクシー)を発表したことはが、その後もタクシー業界ではニュースが相次いでいる。今年に入ってからも4つの大きな動きがあった。

 

まずは1月24日から3月11日(日)まで行われる予定の、配車アプリを活用してタクシーを相乗りで割安に利用できるサービス「相乗りタクシー」の実証実験だ。本来は22日スタートだったが雪のため2日遅れで始まった。

 

2つのグループが提供する配車アプリ上で乗車地と降車地を設定し、同方向に向かう利用者同士をマッチングするというもので、運賃は各利用者が単独で乗った場合の推計走行距離に応じた割り勘となる。東京23区および武蔵野市、三鷹市を走る大和自動車交通グループ 4社と日本交通グループ11社の約950台が協力している。

 

続いて2月8日、日本交通グループでタクシー配車アプリ「全国タクシー」を2011年から提供し、前述の実証実験でもアプリを開発したJapanTaxi(トヨタのタクシー車両とは無関係)が、トヨタとの間でタクシー事業者向けサービスの共同開発などを検討する基本合意書を締結。トヨタがJapanTaxiに約75億円の出資をすることで合意した。ちなみにJapanTaxiの資本金は、この時点で3.1億円だった。つまりトヨタの出資比率は同社の約96%を占めるまでになった。

 

さらに昨年11月に中国の配車アプリ会社、滴滴出行(ディディチューシン) とアプリを使ったタクシー配車サービスの導入の連携に向け協議中と発表した第一交通産業は、メディアで報道されているウーバー(Uber)との提携について19日、協議や検討を行っていることは事実と否定はしなかった。

 

第一交通産業はもちろんウーバーや滴滴出行のような、一般ドライバーが自家用車を使ってのライドシェアを認めたわけではなく、あくまで自社のタクシーの配車をこのアプリで行うという内容で協議を進めているという。

 

そして20日、あのソニーがタクシー配車アプリ開発に参入すると発表した。子会社のソニーペイメントサービスと東京23区および武蔵野・三鷹市のタクシー会社6社が、配車サービスアプリなどを開発・運営する新会社を今年春に設立することを目指しているという。

 

一連のタクシー改革は、業界団体である全国ハイヤー・タクシー連合会のライドシェア問題対策特別委員会がまとめ、2016年11月に了承された11項目の取り組み案に基づくものだろう。

 

その内容とは、

 

①初乗り距離短縮運賃

②相乗り運賃

③事前確定運賃

④ダイナミックプライシング(変動料金制)

⑤定額運賃

⑥相互評価制度

⑦ユニバーサルデザインタクシー

⑧タクシー全面広告

⑨第2種免許緩和

⑩訪日外国人等の富裕層の需要に対するサービス

⑪乗合タクシー

 

というものだ。

 

この11項目のうち、①から⑥まではウーバーなどで実用化されている。同社のシステムを使わず自前で構築しようとするところに、ライドシェアを危険な白タクとみなし敵視してきた業界心理が伝わってくる。

 

しかもウーバーの場合、単一のアプリで相乗りか単独乗車かを選べるが、日本交通は別々のアプリを使う。筆者は運賃が割安なら相乗りを選んでもいいと考える。鉄道もバスも相乗りなのだし。それだけに2種類のアプリを起動させて比較しなければならないのは不便に感じる。しかも一部の改革は東京地区限定だ。日々の移動に苦労しているのはむしろ地方の人々なのに、手を差し伸べようという動きはあまり見られない。

 

それにこの11項目の了承後に目立つようになった、中国などからの外国人観光客を運ぶワンボックスタイプの白タクについては、タクシー業界はウーバーのときほど声を挙げていないのが不思議だ。この新種の白タク、利用者は本国でアプリなどを使って配車会社に手配し、その会社が日本の運転手に連絡するという遠隔操作で輸送を行なっているようだ。でもそれを理由に反対の声をトーンダウンするのは腑に落ちない。こちらについて明確な主張をしないのは公平性を欠くと言わざるを得ない。

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