保護者にとって憂うつな「家庭訪問」…いったい何のためにやるの?

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ゴールデンウィークも終わり、「夏まで祝日がないなぁ」と子ども達のボヤきが聞こえてきます。一方、お母さん方にとっては、小学校や中学校の先生による家庭訪問も気が重いことのひとつかもしれません。

 

  • 家庭訪問時は「不在でもいい」ってお知らせに書いてあるけど本当?
  • 「玄関先で~」とは言うけど、家に上がってもらったほうが丁寧?
  • せめてお茶やお菓子ぐらい出すべき?

 

などなど、お母さん方が不安を感じられるのも当然。それでも家庭訪問が続けられるのは、学校にとっていくつかの目的があるからです。

 

 

■家庭訪問の「目的」ってなに?

 

子ども達の生活環境を学校が把握し、指導する時の参考情報にすること。そして保護者と担任が関係を築くことが本来の目的です。

 

そして最近では、学校が子ども達の下校ルートや家の場所を把握することも重要な確認事項のひとつ。何らかの事情で子どもを家まで送る必要が生じた時や長期欠席の際などに、担任がスムーズに訪問できるようにしておくことが目的です。

 

ですから、“家庭訪問時に不在でも構わない”という学校も増えていますが、だとすると、

 

  • 家の場所は、地図で確認すればいいのでは?
  • 先生も保護者も大変なんだから、家庭訪問はやめてもいいのでは?

 

そんな意見も出てくるでしょう。

 

 

■じゃあ家庭訪問の意味はない?

 

私個人は、その通りだと思っています。文部科学省が「家庭訪問しなさい!」と、教育委員会や各学校に通達を出したり推奨したりしているわけではありません。実際、私の勤めている学校では家庭訪問を行っていません。私立の学校なので子ども達の居住地域が広く、全家庭を訪れることは現実的に難しいこともありますが、私自身は19年間の教員生活で子どもの家に上がったことはおろか玄関に入ったことすらありません。

 

そして公立の学校でも、玄関先でせいぜい10分程度の立ち話、というのがほとんどになっているようです。個人情報保護法の制定などもあって保護者のプライバシーに対する意識は年々高まっていますし、担任にとっても、全家庭を訪問するのは、かなり時間や手間のかかること。家の中まで上がらずに玄関先で訪問を済ませるのは、学校にとっても都合のいいことなのです。

 

それに、多くの学校では、入学時はもちろん新年度を迎えるごとに家の場所や通学ルートを記載した書類の提出を義務づけていると思います。私の勤める学校では、さらに徒歩、バス、電車といった登下校方法や居住地域別に名簿を作成し、教員達はそれを基にシミュレーションしています。それで十分なのです。

 

また、年に2回、必ず、担任と保護者が個人面談をして、子ども達の家庭での様子を伺ったり、学校での様子を伝えたりして、家庭と学校の情報共有、保護者と担任の関係づくりをしています。それだけじゃ不安だから家庭訪問もして欲しいという要望は、今のところありません。

 

 

■頑張らなくても大丈夫!?

 

大事なことは、学校が子ども達の家の場所を正確に把握しておくこと、家庭と学校がしっかり情報交換できるようにしておくことの2つなのです。家庭訪問は、そのための方法の1つに過ぎないので、こだわる必要はありません。

 

もしお子さんが通っている学校から家庭訪問時は「不在でいい」と言われているのなら、本当に不在でいいのです。学校側は、家の場所さえわかれば大丈夫なのですから。「玄関先でいいので、お目にかかりたい」と言われているのなら、もちろん玄関先でかまいませんし、お茶もお菓子もいりません。一方で、先生に聞いておきたいことがあるなら“いい機会”だということです。

 

ちょっと憂うつな家庭訪問……目的はシンプルです。どうか肩の力を抜いて、気楽に受け止めていただきたいと思います。

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