東京で死ぬのは損!? 死に場所によってこんなに違う、お金の話、知っていますか?

ライフスタイル

「格差社会」が広がっている。

 

経済格差、教育格差、雇用における正規・非正規格差…かつて国民の大多数が“自分は中流だ”という意識を持っていた時代は遥か昔、「勝ち組」、「負け組」の言葉にあらわれているように、二極分化が進んだ。いまや「格差」はあらゆるところに蔓延し、深刻な社会問題のひとつとなっている。

 

“格差問題”は死ぬまで、いや、死んでからもなお続く。『葬式格差』(島田裕巳/幻冬舎)では、日本の葬り方について、火葬・遺骨・納骨・宗派における格差及び、骨葬、位牌堂という耳慣れない言葉から、昨今のおかしな墓や葬式までを考察、分析している。著者は「0(ゼロ)葬」とよばれる、火葬した遺骨を引き取らないという方法の提案者であり、大学で教鞭をとる宗教学者だ。

 

 

■火葬料がバカ高い東京23区

 

日本は小さな島国と思われがちだが、47都道府県で言葉、食べ物、習慣などさまざまな点で地域による違いが色濃く残っている。それは、人を葬るということにおいても同様で、マナーにおいてのみならず、火葬料においても如実にあらわれている。

 

東京23区の火葬料は、大人で5万9000円、子どもで3万2300円である。

『週刊ポスト』誌の2012年7月20日・27日合併号には「東京都の火葬場料金は名古屋市の10倍で全国で圧倒的トップ」という記事が掲載されている。そこでは、東京以外の都市の火葬料金も紹介されている。それによれば、次のようになる。
札幌市(2施設)無料
千葉市(1施設)6000円
さいたま市(1施設)7000円
名古屋市(1施設)5000円
京都市(1施設)1万5000円
大阪市(5施設)1万円
広島市(5施設)8200円
福岡市(2施設)2万円

 

日本の火葬率は世界一でほぼ100パーセントに近いが、東京23区はそれ以外の東京にある市に比べて火葬に関するサービスに力を入れてこなかった。それがどのようにして東京23区の火葬料の高騰を招いたか、本書では歴史的なことも含めて詳しく分析し説明している。

 

 

■遺族の悲しみを強調する演出

 

葬式は、昔は自宅でとり行うものだった。しかし次第に、亡くなる場所が自宅より病院の方が多くなるにつれ、また、マンション住まいの増加もあり、最近の葬式は葬祭業者が主導し葬祭会館で行うのがごく一般的になっている。興味深いのは、人との繋がりの希薄さを象徴するように、近しい人のみで行う家族葬が増加する一方で、参列者に遺体の顔にさわらせたり、遺族に参列者の前で湯かんをさせたりするなど、一般的な葬式から離れて演出が過度に傾いているきらいも見られるという。

 

ここ数年「終活」がブームだが、人を葬るということについて、まだまだ私たちは迷路の中を歩いているのかもしれない。そんな中、本書がその道しるべとしての一助となってくれることを心から願ってやまない。

 

文:銀 璃子

関連記事

Read more!