キム・カーダシアンが強盗に遭ってもソーシャルメディアを止められない理由

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パリ滞在中に強盗被害に遭ったキム・カーダシアン。つねづねソーシャルメディアで高級ジュエリーを見せびらかしていた彼女は、それが原因で強盗を引き寄せてしまったのだろうか。

 

10月2日(フランス現地時間)、キム・カーダシアンがパリ8区の高級アパートメントで強盗被害に遭った。1000万ドル(約10億円)相当の宝飾品が奪われた。銃を突きつけられるほどの深刻な事態に遭遇したが、幸いにも怪我はなかったという。

 

犯人がキムを目当てにした理由は分かりやすい。キムが価値ある高級ジュエリーをたくさん持っていることを、犯人たちが知っていたからだ。こうした情報はキムのソーシャルメディアから入手していたと考えられている。

 

 

まずは事件の流れを簡単に説明しよう。

 

米紙の報道によると、ファッションウィーク期間中のパリに滞在していたキムは、ディナーに出席したあと宿泊先の高級アパートメントに戻った。警察官に扮した5名の強盗がその建物に侵入し、キムが宿泊していた部屋に押し入り、銃を突きつけられたキムは手を縛られてバースルームで監禁された。

 

5人の強盗は1000万ドル相当の宝飾品を奪って逃走。強奪された品物の中には、キムが愛用していた約448万ドル(約4億4800万円)相当のダイヤモンドリングが含まれている。夫のカニエ・ウェストが贈った婚約指輪とされる指輪だ。

 

今回の事件については、多くのセレブリティが様々なメディアにコメントを寄せている。

 

英国人のコメディアンのジェームズ・コーデンは自身ので、「キムはひとりの母、娘、妻、友達である。今夜キムをからかっている人たちは、それを思い出してほしい。彼女のことを見守ってあげられない人は黙れ!」

 

キムが擁する高級品を振り返る


シルバーのメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンに乗って美容室に向かうキム(2016年) 写真:X17/アフロ
 

 

一方、シャネルのクリエイティブ・ディレクター、カール・ラガーフェルドは厳しいコメントを寄せた。

 

「私がキムだったら、万全な警備態勢が整っているホテルに泊まります。キムは有名人なのに、自分のジュエリーを頻繁にネットに載せていました。自分の富を世の人にひけらかしていたら、どこかの誰かがそれを欲しがって奪いにきても私は驚きません」

 

なかなか厳しい言葉だが、かのラガーフェルドにしてこの常識的かつ正当な指摘をさせるような事件でもあったのだ。

 

キムは家族や友人、仕事の写真に加えて、自分が持っている高級服やジュエリーの着用写真をInstagramに投稿していた。それが強盗を引き寄せる餌になったのだろう。さらに事件発生の2日前には、あのダイヤモンドリングを身につけた画像を堂々とInstagramに投稿していたのだ。

 

ただし、キムがソーシャルメディアで自分のビジネスを上手く動かしていることは、世の多くの人が知っている事実だろう。経済誌『Forbes』が7月26日発売号の表紙にキムを選び、「THE NEW MOBILE MOGUL(新たなモバイル時代の成功者)」と認め、ビジネスパーソンとしての彼女を評価している。

 

によると、キムが2014年に発表したモバイル・ゲーム「KIM KARDASHIAN: HOLLYWOOD」は4億5000万ダウンロードを達成し、160万ドル(約1億6000万円)の収益を上げたという。

 

さらに、『Forbes』の「2016年に世界で最も稼いだセレブリティ」ランキングで、キムは5100万ドルの収入で42位にランクイン。俳優のジョニー・デップ(46位、4800万ドル)やブラッド・ピット(94位、3150万ドル)よりも順位が高い結果となった。

 

 

高級な洋服や宝飾品をInstagramに投稿すればするほど、「すごい!」「ゴージャス!」「成金ぶるな!」「似合ってない!」と、たくさんの人々のリアクションを得ることができる。自分にアテンションを集めれば集めるほど、毀誉褒貶さまざまな反応を得ながら、ファンとアンチの両方を増やしていける。結果、人が人を呼び、人が集まるところにメディアがやってきて、メディアによって彼女の影響力がさらに高められる。こうして「キム・カーダシアン」の名が付けられたアプリや商品は、多くの人を巻き込みながら売上げを伸ばしていくのだ。

 

だからこそ、キムはInstagramやSnapchatを止められない。

 

テレビのリアリティ番組でミレニアル層を中心に絶大な支持を得てきたキム。インフルエンサーとしての彼女は、テレビ出演に加えてスマートフォンを使った個人デジタルマーケティングで影響力を増大させてきた。そしてミレニアル世代もまた、モバイル時代の新たな消費者像を体現している。そしてこの世代こそ、世界中のあらゆるブランドが何としてもリーチしたい層なのだ。

 

そう考えると、「キム・カーダシアン」というブランドの影響力を下げず、むしろ上げていくために、キムはこれまで以上にソーシャルメディアで活発に活動していくほかないのだ。自分が危険な目に遭ってもなお、その勢いを止めないのか。今後の彼女の動向に注目したい。

 

 

 

この連載について

ファッション業界の動向を追う『GQ JAPAN』ジュニア・ウェブ・エディターのが、最新の話題を紹介する連載「」。

 

Words by Winsome Li (GQ)

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