またまたCMで炎上!? 「電車内メイクをダンスで注意」はアリかナシか

出典:東急電鉄公式HP「わたしの東急線通学日記」マナーダンス篇より

またCM絡みの炎上騒動が起きているらしい。

 

問題(?)となっているのは、東急電鉄のマナー啓発CM。CMと言っても、テレビ番組内で流れるのではなく、電車内に設置されたモニターに映るアレだ。いわば完全に「東急にご乗車中のお客さま」に向けて作られたこのCMのどの部分が騒がれているのだろうか。

 

J-CASTニュースによると

 

座席でメイクにいそしむ女性を見つめ、「みっともな...」とつぶやく主人公の女性。やがて主人公の女性はすっくと立ち上がり、大きな身振り手振りを交えながら車内で踊る。しかし、目の前の女性はメイクに夢中で、まったくダンスに気付かない。そんな様子を切り取った、インパクトの強い動画だ。

 

この動画に対して、巷では「女性差別」「女性への抑圧」「そもそも車内のメイクの何が悪いの?」といった意見がSNS等に溢れているとのこと。実際、私も15秒バージョンと30秒バージョンの両方を視聴したのだが、一番の感想は「コレ、まったくマナー啓発の役目を果たしてないじゃん」だった。

 

 

■「メイク」と「ダンス」どっちが迷惑?

 

そもそも、メイク直しをしている女性の周囲は空いているし、主人公も彼女たちに直接注意喚起をするワケでもない。他の乗客からすれば、自分と離れた位置でメイク直しをしている女性たちより、いきなり車内で激しく踊り出す主人公の方が100万倍迷惑客である(まあ、あのダンスシーンは主人公の心象風景なのだろうが)。

 

で、この動画に対して「女性への抑圧」といった意見があるのも良く分からない。え、コレ、そんなにヘビーな問題?

 

もし、東急電鉄が「東京で電車移動をする若い女性たちへのマナー啓発」を本気でしようと思ったのなら、もっとリアルに動画のシチュエーションを作り込んで欲しかった。朝の満員電車で通常の1.5倍のスペースを取り、周囲にファンデーションの粉を撒き散らせたり、マスカラの液を他人の服に飛ばしながらメイクを続ける女性たち。これなら主人公でなくとも、彼女らの前で変なダンスを踊りたくなる。

 

 

■ちょっと笑えるマナー啓発コピー

 

今回のニュースから、各地のマナー啓発キャンペーンのキャッチ等を調べてみたのだが、秀逸だと感じたのが、神戸新交通が運営する神戸ポートライナーの三ノ宮駅に貼られた標語「歩きスマホをしとる人今日から略して『あホ』と呼んだんねん!!」。これなら子どもが読んでもすぐに意図が分かるし、言葉の中にちょっとしたおかしみと怒りとが混在しているモードが刺さる。

 

と思ったら、東急電鉄も昨年のコピーではちゃんと評価を得ていたことが判明。東京ヤクルトスワローズとコラボし、選手たちが登場した「座席は詰めてスワローズ」……おやじギャグと言えばその通りだが、真意が伝わりにくいハンパなお洒落動画よりずっと良い。

 

 

■なぜ「若者世代」への風当たりが強いのか

 

そして最後に注目したいのが、今回の動画に対して前述のJ-CASTニュースが東急電鉄に取材を申し込んだところ、返ってきた回答が

 

「マナー啓発ポスター・CMというと、通常お客さまの目に留まらないことが多いため、印象に残り、かつメッセージ性の強い内容を検討しました」

 

だったという点。コレって、みずから“炎上上等”と言っちゃってるような気もするのだが。だとしたら私も含め、ネットでこの件について熱く語っている人たちは、まんまと東急の狙いにハマったわけである。

 

そしてやっぱり思うのだ。各鉄道会社がターゲットにしている若い世代のマナー、実はそんなに悪くないよ、と。確かに学校帰りの集団なんかはうるさかったりもするけど、お年寄りや妊婦さんに席を譲るのはおもに若い子たちだ。対して狭いスペースに無理矢理座って我が物顔でスマホをいじったり、足をがばっと広げて隣の人に触れてもおかまいなしなのは、やはりオジサン世代だったりする。

 

まあ、マナー啓発系のCMで、若い世代がターゲットになるのも仕方がないのかもしれない。なぜなら、広告に最終的なGOサインを出す立場にいるのは……オジサンだからである。

 

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