どうせ自分なんて…と悲観的な「非モテ」の3タイプとは? 「忙しすぎる仕事」と世間から強要される「男らしさ」に苦しむ男性の現実

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『非モテの品格』(杉田俊介/集英社)

『非モテの品格』(集英社)―著者の杉田俊介さんは1975年生まれ。批評家。自らのフリーター経験をもとに『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)を2005年に刊行。本著で5冊目となる。

 

本書でいう「非モテ」とは? 3つのタイプに分けられる。

 

(1)いろんな女からちやほやされたい(がされない)。あわよくば、いろんな女とエッチしたい(ができない)こと。
(2)自分の好きな一人の女から恋人として愛されないこと。
(3)「性愛的挫折(恋愛未経験/失恋を含む)」がトラウマ化し、あたかも人格の一部となって、常日頃から、上記の1・2のような愛情渇望状態に苦しめられること。

 

「愛したいのに、愛されない」――欲望をかかえ、うっ屈した男性の姿が浮かんでくる。「非モテ」とは、愛される状態に違いはあるが、「愛されない自分」に底知れぬ淋しさを感じ、「どうせ自分なんて…」と悲観的になっている男性を指すようだ。

 

杉田さんは20代の頃、大学院に進学して国文学を専攻するも、希望の研究職には就けなかった。学校を出た後は当面の生活費稼ぎにアルバイトに明け暮れ、コンビニエンスストアや警備会社で働いていたという。20代後半からは障害者ヘルパーに従事し、資格を取得。NPO法人の正社員となり、雑誌等に評論も発表している。30代には結婚し、子どももいる。40代の現在、結婚するまでを振り返り、苦しかったこととして、「夢を諦めたこと。仕事がないこと。社会的な肩書がないこと。周りに友達がいないこと」と並んで、「一番苦しかったのは、恋人がいないことであり、恋愛・性愛の問題だった」とのべている。

 

愛されないことはどうして淋しく苦しいのか?

 

このほかにも男は、目先の「忙しすぎる仕事」に自らを埋没させ、世間から強要される「男らしさ」にがんじがらめになっている――などやっかいな問題をかかえて生きている。この「永久凍土」とも思われるところを溶かすには、どうしたらよいだろうか?

 

杉田さんは「非モテ」に言う。他人をねたんでもいいけど、恨むまではいかないようとどまってほしい。心底苦しんだっていい。孤独だからこそ誇り高く、気高く生きていく。誰も傷つけることなく、自己卑下することをとどめ、自分の体を大切にしてほしい、と。

 

「ヒリヒリと心に響く」のは、自らの体験をさらけだした、わかりやすい文章であるからかもしれない。客観的に突き放した立場から書かれていないので、読む者も「そういうことあるよね!」と「共感」モードになる。承認されずとも、優しく、幸福に生きていく方法を探っている、新しい男性批評だ。

 

自分が「非モテ」男かも? と思う人はもちろん、女性も男性の立ち位置を知る助けになる。世の生きづらさや閉塞感を持っている人は必読。

 

文=塩谷郁子

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