メディアが「死ぬまでセックス」をあおった結果? 高齢者の性感染症が増加中

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三浦ゆえ

 

今秋も週刊誌では「死ぬまでセックス、死ぬほどセックス」(週刊ポスト)、「まだまだ現役、こんなに楽しんでいます 80歳からのセックス」「60すぎたら“はしたない”SEX」(週刊現代)と、高齢者の性生活を盛んにあおる特集が組まれています。

 

ほかにも今夏に発売された『』(ブックマン社)では要介護状態にありながら介護職員に性的接触をしたり、性風俗を利用したり、高齢になっても衰えない男性の性欲が明らかにされていますし、『不倫経済学』(ベストセラーズ)では「老いてなお盛ん、老人の性愛」なる章を設け、その実態に言及しています

 

性愛を愉しむのに年齢は関係なく、若いころと違って身体が思うようにいかなくとも、その年齢なりのアプローチがあります。長年寄り添ったパートナーとコミュニケーションを深めるもよし、世代を超えた自由恋愛を愉しむもよし。性の悦びは、よりよく生きることへの活力につながります。超高齢社会に突入している日本において、高齢者の性がますます重要なテーマになっていくことは間違いないでしょう。

 

 

■アメリカで高齢者の性感染症が増加中

 

しかし、それによってもたらされるのはプラスの要素だけではなさそうです。『不倫経済学』では、以下のような現象が報告されています。

 

実際、米国では性感染症にかかる高齢者が急増しており、疾病対策予防センターの発表によると、2007年から2011年にかけて、65歳以上の米国人高齢者のうち、クラミジア感染者数は31%の増加、梅毒感染者数は52%の増加を示している。――『』, BEST TIMES

 

記事中では、その最大の原因は「コンドームを着用しないセックス」と考えられていることも指摘されています。なんでも「61歳以上の米国人でコンドームを使用するのはたったの6%にすぎなかった」そうです。少なッ! たしかに高齢となれば女性が妊娠しないため、コンドームは不要と考えられがちです。が、コンドームによって望まない妊娠だけでなく性感染症も防げることは、中高生でも知っていること。

 

 

■20代より多い? 高齢者の梅毒感染

 

海の向こうだけのお話ではなく、日本でも同様の現象が見られます。では、「(新規エイズ患者は)何と50歳以上に最も患者が多くなっています」と明記し、それは「50歳以上ではHIV検査を受ける人が少ない」「若い人より高齢者の方がHIV感染、エイズ発症に対する危機感が薄いのでは」と推察しています。が、それと同時に、コンドーム着用の意識も薄い可能性は高いと思われます。また、梅毒は女性の感染者数が最も多いのは、60歳以上。同年代の男性も、20代前半を上回る感染者数という驚きの事実が明らかにされました。

 

が、いずれも若年層ほど多いのは共通しているものの、60歳以上、70歳以上にも感染者は確実にいるということがわかります。特に性器ヘルペスウイルスは高齢の感染者が若干多めのようです。ヘルペスはコンドームだけでは防げませんが、1年以内に8割以上が再発するといわれ、しかも過労やストレスで体力が落ちているときほどその傾向が高まるので、高齢者は特に再発しやすいのかもしれません。

 

 

■高齢男性のセックスマナーが問われる

 

気になるのは、どの感染症においても高齢男性の数が高齢女性の数を上回ることで、これは男性のほうが年老いてなお性的にアクティブであり、自分たちよりも若い層と性的に交流する機会が多いからだと考えられます。男性のあいだでは性風俗の利用も一般的ですし、若い異性と知り合うチャンスは女性よりずっと多いのが現実です。

 

高齢男女のあいだでのみ感染症が蔓延するのであれば、問題はそれほど大きくないのではないでしょうか。感染した個人は症状による不快、不具合に耐えなければなりませんが、ほとんどの病気は適切に治療を受ければ治ります。命に関わる感染症というとHIVですが、現在は早期発見によってAIDS発症を予防できます。

 

 

■世代を超えたSEXではコンドームを!

 

感染から発症までは個人差が大きく2年で発症する人もいれば10年以上経っても発症しない人もいるといわれていますが、この世代では発症するより前に天寿をまっとうする人もいるでしょうし、ほかの疾患のほうがよほど死亡リスクが高いということもあるでしょう。さらに、男女とも「感染症によって不妊になる」という心配からはすでに解放されています。

 

問題は、アクティブな高齢者(主に男性)が、若年層に病気を持ち込むことです。死ぬまでセックスとハッスルするなら、いくつになってもコンドーム着用! 未来ある若者に性感染症という負の申し送りをしないという節度は忘れずにいただきたいものです。

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