スピリチュアルイベントに潜入! ここが「子宮系女子」の巣窟か?

ライフスタイル

三浦ゆえ

 

始まったばかりのように思える2017年も、すでに5%ほどを消化しました。年末年始――メディアがこぞって占い特集を組み、初詣の重要性を説き、パワースポット(以下 パワスポ)に行こうと呼びかける時期も終わりを迎えようとしています。

 

初詣は「年始だし行っておくか」レベルの国民的行事で、スピリチュアルな行為というより気分を新たにする儀式のようなもの。占いもパワスポも「よりよく生きるヒントを得るため」「気分転換として」取り入れる人が大多数……ですが、スピリチュアルなこととの距離感が狂う人がたまにいて、その多くは女性です。

 

 

■男性は脳で考え女性は子宮で考える?

 

筆者もこれまで何度も「なんで女性って占いとかパワスポとか好きなの?」と問われ、その都度「すべての女性が好きなわけではない」と答えてきましたが、女性誌の巻末にはたいてい星占いが掲載される一方で、占いやスピリチュアル案件が特集されている男性誌も、「占い特集、気になる~」と言う男性も見たことがありません。総じて女性のほうがスピリチュアル案件を信じる傾向が強いといえます。

 

その根源には、「男性は理性で考え、女性は感情と感性で考える」という見方があります。ゆえに自身の行く末を考えるとき、現状を変えたいとき、女性は論理的に考えずスピリチュアルなものに頼る、と。とても偏った、そして差別的な考えです。

 

「女性は子宮で物事を考える」説もあります。んなわけあるかい!とツッコまれそうですが、「女性は子宮で考える、感情と感性の生き物」という考えを喜々として内面化する女性がじわじわ増加中なのです。

 

 

■スピリチュアルイベントをのぞいてきました

 

年明け早々の連休中、その象徴的イベントが東京・お台場で開かれました。主催者は、「引き寄せの法則」をベースとした独自理論をブログで発信する女性。約2000枚のチケットを数時間で完売させるほど一部の女性から熱狂的に支持されています。ゲストは、「子宮の声に従えば、幸せになる」と謳う女性。彼女のブログには1日19万人がアクセスしています。かねてから盲目的にスピリチュアルを信じる女性の生態に関心を抱いていた筆者は、このイベントをのぞいてきました。

 

果たして、そのステージ上から何度も発せられていたのは「自己否定をしないで!」というメッセージ。なるほど、現実社会を生きていると女性が自己肯定感を持ちにくいと思われる場面に頻繁に出くわします。個人の能力や資質の問題ではなく、社会の構造やそこにある価値観によって押し付けられる生きづらさが女性のあいだで蔓延しているのです。なんらかの方法で女性の自己肯定感が高まるのであれば、それに越したことはありません。

 

 

■「子宮の声」について説く人たちを見つけました

 

が、その解消法が「考えるな、感じろ!」なのですから、ブルース・リーもびっくりです。“感じる”対象は「宇宙」や「子宮の声」、具体的な実践法は「やりたいことだけやればいい」です。

 

「やりたくない仕事=納期が迫った仕事、やりたいこと=恋ダンスの練習」を実践した女性の例も紹介されましたが、会場の女性たちは深くうなずき、なかには涙している人もいました。ちなみに、その仕事は納期を過ぎてからキャンセルされたそうです。

 

「子宮の声」について同イベントでは深く語られませんでしたが、ゲストである女性は、子宮が、好き/嫌い、やりたい/やりたくないの判断を担うという「子宮メソッド」の提唱者です。私たちが物事を判断する基準は個人の好悪ややる気の有無だけではなく、善悪や正誤など社会的な物差しもあるはずですが、それよりも「子宮の声」を優先せよという教えです(じゃあ、子宮がない男性は何で判断するのでしょうか──精巣?)。

 

 

■考えて、立ち向かうことでしか本物の自己肯定感は得られない

 

占いやパワスポは別物、という意見もあるでしょう。たしかに占いは統計学だといわれますし、パワスポも古くからの謂れがあるところが多いので、上手に取り入れれば発想の転換に役立ちます。しかしスピリチュアルなものに傾倒しすぎると、先ほどの女性たちと大差なくなります。

 

生きていると努力でどうにもならないこともあり、筆者自身もこれまで何度神頼みをしたことか。人から勧められて占いに行ったこともあれば、論理より感情を優先させることもしょっちゅうです。必死になって出した結論が間違っていて、直感に従えばよかったと悔やむこともあります。

 

けれど、程度の問題です。自分で考えるのを放棄してもなんの解決にもならないことを多くの女性は知っています。だから、怪しげなものを信じなければ問題解決も自己肯定もできない女性の増加をとても悲しいことだと感じるのです。考えて、立ち向かうことでしか本物の自己肯定感は得られないのに。

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三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに編集、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~...

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