女性が便秘症になる本当の理由

ヘルス・ビューティー

citrus 赤岩 明

女性が便秘症になる本当の理由

便秘の症状は、便が硬い、便回数が少ない、便が出にくい、残便感などさまざまです。医学的定義としては「その人の通常の排便習慣に比べて、著しく排便回数が減少した状態」とありますが、便秘の診断はあいまいで基準はありません。

 

一方、健康的で理想的な排便は?というと、「1日1回のスムーズな排便と、排便後の満足感」と具体的です。便がすっきり気持ちよく出た時の幸福感。誰もが経験ありますよね。あれが健康な排便です。

 

「そんなの、何年も味わったこともないわ」という方もおられるかもしれませんが、身体生理のリズム、食と排泄の収支バランスの単位は1日ですから、身体の器官が連携して正しく機能しておれば、1日1回排便があるのが健康なのです。

 

生まれつき腸が長い、腸の神経細胞に異常があるなどの病気による便秘もありますが、ほとんどの方の便秘は身体機能の低下でおこり、日常の生活には支障がないので病気ではありません。漢方医学的には「未病(みびょう):病気に陥る以前の軽微な予兆の状態」といえます。新生児・乳児の頃には、毎日のように排便していたはずですから、どうしてこの1日単位の身体機能のリズムが狂ってしまうのでしょう。

 

あなたは、

 

小中学校の時、学校のトイレで何回、排便したでしょうか。数回?

 

小学校の休み時間、誰かのたわいない一言「〇〇ちゃん、うんちしてた」に覚えはありませんか?

 

社会人の忙しい朝、通勤の途中で便意を催すのを避けようとしませんでしたか?

 

通勤ラッシュの中、便意を催してつらい経験をしたことはありませんか?

 

便秘で悩む方の多くはどれかに思い当たるでしょう。10数年以上、排便をできるだけ避ける不健康で非生理的な生活を続けてきたのです。それが便秘の原因です。つまり、便秘は生活習慣による「未病」状態といえます。特に女性は、家庭や職場で周りの人に合わせた生活になりがちで、自分のリズムで生活していないのです。

 

便秘に悩む妊婦さんが産休に入る際に、次のような話をします。

 

「これからお産をして、授乳をする半年~1年の間は、1日24時間を自分の体内リズムに合わせて生活できます。それが自然な出産、母乳哺育にもつながります。この出産は生活習慣を見直す良いチャンスです」

 

出産に限らず、2週間以上のバカンス(長期休暇)が可能な国の人たちは、その期間に自分の体内時計をリセットする生活をします。定期的な身体のメンテナンスは「未病」状態の改善に必要なことなのです。

 

もし可能なら2週間、自分の時間を意識して次のことを試してみましょう。

 

・朝、同じ時間に起きる

 

・起きたら、水をコップ1杯以上飲む

 

・少なくとも10分間以上、身体を動かす。ラジオ体操か散歩がお勧め

 

・ゆっくり朝食をとる。必ず、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を入れる

 

・便意がなくても朝食後1時間以内に3分間トイレに座る。シャワートイレであれば10秒間肛門をシャワー刺激する。3分間で便意を催さなければあきらめる。息みで無理に出さない

 

・午前中に500ml以上の水分を摂取する

 

・午前中は寝ないで起きている。午後以降は短めの昼寝はOK

 

・1日1回は笑う、泣く、はしゃぐ、どきどきする、汗をかくなど気分が変わることをする。例えばエクササイズ、音楽を聞く、ドラマ・映画・お笑いを見る、読書、友人と会うなど

 

・同じ時間に夕食をとる。家族の都合に合わせて遅い夕食にならないようにする

 

・同じ時間に床に入り部屋を暗くする

 

・何か用事があっても、飲食・飲水・活動・排泄などの自分の生理的身体活動を1時間以上ずらさないようにする

 

たいていの方は2週間で身体機能が改善します。それでも便秘が改善しない場合、自分に適した便秘薬を利用することも必要になります。ネット上の便秘関連の解説記事には、巧みに商品へ誘導しているサイトがありますから注意しましょう。

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赤岩 明

産科医として30年、ずっとお産の現場に関わってきました。食の安全、ワクチン問題、市販薬のネット販売、放射線問題など、いつも不安な気持ちにさせられている妊婦さんや、小さな子供を持つお母さん方に、一番、日常的に接しているのは、実は産科医なのです。そのため、幅広い知識や判断が必要とされます。そして、お産は病気ではないので、いつも普通の人の考え方を意識して仕事をしています。 それぞれの分野には、私よりもはるかに詳しい専門家がいますが、ある分野の専門家ということは、言い方を変えれば、それを専門として生計を立ててこられた方ということです。それぞれの立場があり、そこが壁となることもあるかもしれません。 さまざまな情報があふれ、今まで以上に、自分で判断することが求められる時 代。私はできるだけ情報を整理し、権威や企業とは全く縁のない立場から、一般人の目線での情報発信を心がけたいと思います。

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