「親に抱っこしてもらう」宿題は、現役小学校教師から見るとアリかナシか?

人間関係

 

抱っこを「宿題」にしていいの?

 

 

と題した記事があります。

 

一部の小学校で出されている、「親に抱っこしてもらう」宿題が、本当に美談なのか、それとも、親のいない子や虐待児などへの配慮のない悪い策なのか、ネット上で議論になっているというのです。

 

さて、この問題。私なら、抱っこを宿題に出すことはないと思います。理由は、「宿題」にするのにふさわしくないなぁ、と思うからです。もちろん、抱っこを含む、親子のコミュニケーションには、大いに意味があります。

 

が、私は、それを「宿題」にすることに抵抗があります。なぜなら、宿題は、しなくてはならないものです。面倒だったり、嫌だなと思っても、常識的な範囲で、取り組むことを子ども達に強いるものです。

 

いや、したくない子はしなくてもいいんだよ、というのなら、それは「宿題」なのかどうか、よくわかりませんし、漢字練習はしなくてはならなくて、抱っこはしなくてもいい、というのでは、トータルとしてのクラス運営が不安定になります。というわけで、私は、「たくさん抱っこしてもらえば?」とか、「抱っこしてもらえばいいのに~」というような話はするかもしれませんが、強制力の伴う「宿題」ということに抵抗があリます。

 

この記事をネットで見かけた時、私は、すぐにこの絵本が思い浮かびました。

 

「しゅくだい」(作・絵 いもとようこ 岩崎書店)

 

これは……

 

ヤギの先生が、動物の子ども達に、「抱っこ」の宿題を出す、というお話で、モグラのもぐくんは、みんなの前では「嫌だよ」と言いつつも、家に飛んで帰ります。ところが、お母さんは何かと大忙し~

 

というわけです。

 

私は、この本を子ども達に読み聞かせしたことがあります。その時、子ども達は、モグラのもぐくんのような反応をしていました。「ヤダよ~」などと言いつつも、ニヤニヤしたり、「やってくれるかな~」とつぶやいたり……とても微笑ましい時間でした。

 

私は、それで十分だと思うのです。それを「宿題」としてしまうことに、ある種の傲慢さを感じます。絵本を読み、みんなで楽しいような、嬉しいような、恥ずかしいような時間を共有する。あとは、私自身がなるべく暖かい眼差しを子ども達に向けていることが大事なのではないか……

 

あえて、言葉や明確なものとして要求しない、そんな心のゆとり、心の幅が、子どもの心の豊かさを育むように思います。

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私立小学校校長

青木洋介

1976年生まれ、都内私立小学校校長。 2013年「むさしの学園小学校の母親を変える教室」出版。 低学年から高学年までの担任を経験する中で、子どもが安心して活躍するためには、まず、母親がイキイキしていることが大...

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