「優しい人が好き」の“優しさ”の本当の意味

話題

石田陽子

「優しい人が好き」の“優しさ”の本当の意味

恋愛のアンケートで「どんな異性に惹かれますか?」「好みのタイプは?」という質問があると、「優しい人」「性格が優しい」という回答がつねに上位に食い込みます。いつもケンカ腰だったり、突然大声で威嚇するような人を恋愛対象に考えにくいということもありますが、異性に求める「優しさ」は、ただ穏やかであること、人当たりの良いやわらかい対応だけを示すものではありません。

 

というのも、病院の待ち時間に前に座っていた親子を見て、自分でも少し反省したからです。患者であるお父さんは80代くらい。おそらく娘である50代くらいの女性がすぐ横に付き添っていました。白髪のお父さんに向かって、横に座っていた娘らしき女性が甲斐甲斐しく世話を焼いていました。

 

「はい、水飲んで」「……」「パン、食べる?」「……」「これ、買ってきたから、はい食べて!」「……(無言でゆっくりパンを食べる)」「で、昨日は眠れたの?」「……眠れない」「夕飯は食べた?」「……少し」「トイレ、行く?」「……」

 

 

その後、お父さんは無言でトイレに行ったのですが、具合の悪い時にクリームたっぷりの甘い菓子パンを食べて大丈夫だったのか、相手のことが心配だからつい先回りして本人が欲する前に用意してしまうけれど、果たしてそれが本人の望むものなのかどうか……気になりました。

 

自分に対して関心を持ってくれること、基本的に心配りは嬉しいものだけど、人が本当に求めるのは、いつでも誰にでも向けられる広い優しさではなく、じつは自分にとって都合のいい気遣いだったりします。また、仕事では先見の明があること、先手を打って状況を有利にすることがありますが、恋愛では相手の気持ちが追いつくまで「待つ」ということも必要です。

 

「恋は焦らず」とか「恋愛はタイミングが重要」というのは、相手の気持ちを想像して、すぐに動けばいいいというわけではなく、相手に呼吸を合わせるように、相手が自分から動きたくなるような思いやりが大切なのです。恋愛に限らず、友人関係にもいえることですが、とくに恋愛は自分の気持ちが追いつかないと不安にとりつかれてしまいます。

 

つまり「優しい人が好き」の優しさは、急かしたり振り回したりすることのない、自分のペースに合わせてくれる余裕“寛容さ”を意味するのです。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

石田陽子

恋愛ライター。日々ラブストーリーを追い求めるAll Aboutの恋愛ガイドです。建設会社勤務後、フリーライターになりました。NTTドコモiコンシェルほかインターネットサイトでコラムを執筆しています。

石田陽子のプロフィール&記事一覧
ページトップ