現役塾講師は語る。「中学受験なんかじゃ子どもの人生は決まらない」

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宮本 毅

現役塾講師は語る。「中学受験なんかじゃ子どもの人生は決まらない」

今日は自分の専門のことを、書いてみることにする。

 

子どもの中学受験奮闘記などのブログを読んでいると、その多くが「悩みの吐露」になっているのに気付く。「成績が急落してどうしてよいかわかんない」「こんなんじゃ志望校に受からない」「これだけ時間とお金をかけているのにまるっきり無駄」などなど。

 

うんママ、気持ちはわかるよ。

 

こっちは一生懸命頑張ってんのに、子どもはぜんぜん頑張らない。そりゃあイラつくし、時には手も出るさ。仕方ないよ。

 

でもちょっと待って。冷静に立ち止まって考えてごらん。

 

中学受験といったら子どもはまだ10歳とか11歳。「若いうち」にもまだまだ入らないこの時期に、子どもの将来のいったい何が決まるって言うのさ。何にも決まらないよ。中学受験に失敗したからって、子どもの将来に一片の雲もかからないよ。だってまだ10歳とか11歳なんだからさ。

 

それとも、中学受験をさせているママ達は、志望の中学に入れないと将来真っ暗とでも思っているのだろうか。もしそうなら目を覚まして欲しいよ。

 

私は私立武蔵中ってとこを出たけど、同級生に中には大学に進学しなかった奴もいる。留年した奴も大学卒業できなかった奴もいる。自ら命を絶った奴だっているさ。私自身一流企業なんかに勤めず、今はしがない塾講師なんてやっているよ。そんなもんなんだよ。有名進学校に進んだからって何か特別な人生が待っているわけじゃなくて、みんなおんなじなんだよ。その中で何をどう努力するかが大切なんだ。中学受験なんかで何にも決まらないんだよ、ママ。それは勘違いというやつです。

 

 

それよりもどうだろう。10歳や11歳で伸びなかった子どもが17歳や18歳で伸びる可能性だってあるでしょ。それを無理やり中学受験の世界に引きずり込んでさ、子どもに無理をさせてさ、自分はできないんだってコンプレックスを抱えさせることの方が、かえって子ども達の将来の可能性を潰してやしないかい? 学ぶことに対する喜びを感じられぬまま大人になることが、どれほど不幸なことか。そんなことを考えたりはしないのかい、ママ。

 

もう一度言うよ。何度でも言うよ。中学受験なんかじゃ子どもの人生は決まらないんだ。何にも決まらない。中学・高校での6年間の生活が決まるってだけなんだよ。ただそれだけなんだ。

 

子どもの成績が上がらなくて焦っているってことは、中学受験が子どものモノではなくて、ママのモノになっちゃっている証拠。子どもをダシにして自分が頑張っちゃっている証拠。見栄っ張りな争いに巻き込まれちゃっている証拠。学びは子どもが主人公な筈なのに、自分が主人公になっちゃっている証拠だよ。

 

一歩引いて眺めてごらんよ。自分の10歳・11歳の頃、そんなに勉強頑張っていたかい? 重いテキスト抱えながら、毎日のように塾に通っていたかい? 夜遅くまで塾の宿題なんてやっていたかい? 自分の親にそんなにお尻を叩かれていたかい?

 

もし、ただ単にブランドバッグが欲しいだけならば、やめてしまおうよ。15歳で伸びるかもしれない子どもの可能性を、18歳で開眼するかもしれない子どもの可能性を、ママの見栄だけで潰してしまうのは、もうやめにしよう。くだらない塾講師の言いなりになるのは、金輪際やめちゃおう。

 

子どもには可能性がたくさんあります。その可能性を活かすも殺すも、ママ次第。冷静になって自分を見つめ直して欲しいです。

 

ママ、救い出してあげて。自分のことを。

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宮本 毅

1969年東京生まれ。 武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。 大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中...

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