白川由美さんの遺影は、20代前半の時の横顔でした

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石崎 公子

 

6月14日、女優の白川由美さんが心不全のため亡くなり、17日に東京都渋谷区の祥雲寺でお通夜が営まれたそうです(享年79歳)。近親者のみでという報道でしたが、結果的には約500人が参列。そのシンプルな祭壇には20代前半に撮影したという遺影が飾られたことがに出ていました。

 

 

■遺影を見る機会が少なくなった

 

かっての葬儀は大きくて、訃報を知ったらとりあえずお通夜に駆けつける、というのが当たり前で、だからいろいろな方の遺影に出会う機会がありました。近親者だけの葬儀は、昔は密葬などと言われて、あまり多くありませんでした。芸能人や有名人も近親者のみということが少なかったから、訃報の後の芸能ニュースではだいたい遺影が飾られた祭壇が出てきたものです。

 

今は、葬儀が簡略化し、家族葬が増えたこともあり、有名人・一般人問わず、近親者でもない限り遺影を見る機会が少なくなりました。だから葬儀・終活業界でもない限り、一般の人が遺影について考えることなど、たぶんほとんどないのではないでしょうか。

 

 

■遺影について思うこと

 

私が終活やエンディングノートの世界に入っていったのは、生きざまが滲み出た「顔つき」に興味をもったから。その「顔つき」の究極が遺影だと考えていたので、その昔、ブログでを書いていました。

 

私はカメラマンではないので、自らファインダーを覗いてひとさまの遺影を撮ることはしないけれど、それでも

 

なぜ遺影が大事なのか?

どういう遺影が素敵なのか。喜ばれるか。

本人にとって、遺された家族にとって、友人知人にとって……

 

そういうことだったら、持論がありました。たぶん当時、世の中の誰よりもそういう思いを強く持っていた、という自負があったので、そんなことをぼちぼちとブログに書いていたのです。

 

そのせいか、一部で「遺影研究家」なんて言われることもあり、私自身も、その言われ方はまんざらでもない気分。ちょっと嬉しかった……最近は遺影についての発信をあまりしていませんが、その興味関心は、今も変わらずアツいものがあります(笑)。

 

この度の白川由美さんの訃報で私がまず思い出したのは、でした。煙草を燻らし、ちょっと斜めを向いて。それはそれはカッコいい、クールで品が良く色気もある写真でした。二谷英明さんは晩年に患った脳卒中の後遺症で車椅子生活で、施設におられたそうですが、その頃、白川由美さんの寝室にはこの写真を大きく引き伸ばして飾ってあったそうです。二谷英明さんの葬儀で、白川由美さんは「素敵なパパ。皆さんには素敵なパパを覚えていてほしい。」と言って、その写真を遺影に選んだというエピソードがありました。

 

20代前半の写真を遺影に選んだのは、白川由美さんご本人でしょうか。それとも喪主を務められたご長女の二谷友里江さんでしょうか。おしどり夫婦で有名だった二谷英明さんと白川由美さん。二谷英明さんが旅立たれてわずか4年で、追いかけて逝かれました。

 

 

■遺影っていつの写真がよいのですか?

 

ときどき終活や遺影についてお話をする機会があり、そこでよく聞かれるのが「遺影はいつの写真がいいのですか?」という質問。

 

いろんな考え方があるでしょうが、私の答えは「いつだってよろしいと思いますよ」です。

 

ほんの30~40年くらい前の遺影は黒枠、白黒の怖い顔で、笑うなど持ってのほか。普段のスナップ写真が遺影に使われるようになったのは最近のことです。遺影がない葬儀なんて考えにくいかもしれませんが、一般の人のお葬儀で遺影が飾られるようになってから、まだせいぜい100年経つかどうかのこと。決まりなどないのです。

 

今もお元気でご活躍中の鳥越俊太郎さんは、ご著書のなかで遺影を決めていると書いていますが、その写真は30代のとき。それは毎日新聞の記者としてテヘランにいらした時の写真です。おそらくご自身が一番思い出深かった時なのだと思います。

 

そして今回の白川由美さんは、今から50年以上も前の写真を遺影にしたことになります。しかも少し横を向いていて、目をきりっとして、自分の胸に当てた手にも力が入っているように見えます。女優さんらしいなあと思いました。

 

私たち一般人の場合は、数十年も前の写真を遺影に使う人はあまり多くないかもしれません。だけど自分の今までをふり返って、遺影にしたいくらいの時期っていつなんだろう?と考えてみるのも、悪くありません。

 

そういう写真を何枚か用意してみませんか。それはきっと、その時の自分にOKをだしている証しでもあります。できれば少しづつそういう写真を増やして行けたら、自分の人生が豊かになっていくような気がします。

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石崎 公子

大学で栄養学専攻だったことがきっかけで、料理番組企画担当として中堅総合広告代理店に新卒入社。農林水産物や食品、家庭雑貨、外食産業、地域活性化、ファッション、住宅建材、化粧品や健康食品等通信販売系、通信...

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