「気が利くね」と周りに思われる人が気をつけていること

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『相手もよろこぶ 私もうれしい オトナ女子の気くばり帳』(気くばり調査委員会/サンクチュアリ出版)

いわゆる「気の利かない」人間にとって、さりげない気くばりのできる人は羨望の的だ。実際彼ら・彼女たちは接していて気持ちのよい人々だし、なんとなく仕事もできそうな印象まである。気くばりのできる人が持つ「コミュ力」のようなもの、人間関係を円滑に回す力は、プライベートの場でも仕事の場でも大きな武器となるからだ。ただ、気くばりのできる・できないには、ある程度生まれつきの才能があるのも事実。そのため、気くばり下手の人々(私もそうだ)は、「どうして私はダメなんだろう」と自己嫌悪感を抱きつつ、気くばり力の高い人々をまるで別の人種でも見るような目つきで眺めることになるのだった。

 

ものすごくゲスな言い方になるのは承知で言うが、気くばりはできた方が人生を楽しく生きていくうえでは絶対トクだ。人は社会的な動物なので、基本的に1人では生きていけない。婚活パーティーやら友人の集まり、仕事上のおつきあいまで、気くばり上手な人が輝ける舞台は無数にある。気くばり下手なことで逃しているチャンス(人脈とか玉の輿とか)って、考えてみると多い(ような気がする)。

 

このままだと気くばり上手な人々との人生格差は開いていくばかり。生まれつきの性格もあるとはいえ、それで片付けるにはあまりにも悲しい。気くばりの才能がない人間でも、もう少しマシに振る舞えるようになる秘策はないものか。

 

そこで、本書『』(気くばり調査委員会/サンクチュアリ出版)みたいなマニュアル本の登場である。気くばり上手といわれる女性たちが、無意識のうちに実践している日々の気くばり行動をシチュエーション別にまとめたものだ。電話・メールをするときの気くばり、モノを贈るときの気くばりなど、その内容は具体的かつ実践的。たとえば、「謙虚」の章に置かれた項目の1つにはこうある。

 

気くばりのアピールはしない

私のようなあざとい目的でこの本を読んでいる人間には耳の痛いアドバイスだが、実際そのとおりだと思う。気を遣われすぎると、かえって遣われた側が疲れてしまう。

 

気づかれない気くばりが、本物の気くばりです。自分が負担に感じる過剰な気くばりは、相手もプレッシャーに思うはず。自然体でできることにしぼりましょう。

気くばりには、あくまでさりげなさが必要なのだ。押しつけがましくなく、相手に本当の意味で喜んでもらえることを考える。これが気くばり上手な人々の「気くばり」のコツらしい。

 

どれも絶対に必要なことではないし、やらなくてもけして失礼にならない。けれど、されるとなんだかうれしいこと。思わず笑顔になって、キュンとする小さな工夫。それがこの本で紹介する気くばり。

手紙を出すときに記念切手を使う、初対面や男性の人に渡す手みやげやプレゼントは消え物を選ぶ。あるいは、書類に一筆箋を添える…。確かに1つ1つはささやかな行為ではあるけれど、こうした振る舞いをする人を見たら心がときめく。誰かによく思われたいとか、そんな下心は抜きで、素直に「カッコいいなあ」と感じさせられるのだ。

 

「気くばり」という単語を聞いただけでは、漠然としたイメージを持つことしかできない。しかし、その中身である具体的な行為については、そうしなければいけない理由や根拠が必ずある。気くばり上手と気くばり下手を分けているのは、それが無意識のうちに理解できているかそうでないかの差だけではないだろうか。気くばりをするうえで本質的に大切なことは、おそらくこうした生まれもっての才能ではない。損得抜きで自分以外の誰かにも優しい人間でありたい、という善良な気持ちである。

 

本書は一応大人の女性のために書かれているが、内容的には男性が読んでも得るものは多いだろうと思われる。職場の人間関係に悩んでいる人、今よりもっと周囲の人に対してあたたかく振る舞えるようになりたい人にオススメだ。

 

文=遠野莉子

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