いま最も旬なのがラグジュリーSUVだ──マセラティ レヴァンテは魅力いっぱい

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いま自動車界で最も熱いトレンドは?一つは間違いなくラグジュリーSUVだろう。高級ブランドが手がけるSUVが続々登場しつつあるが、嚆矢(こうし)となるマセラティ・レヴァンテの試乗会がイタリアで開催された。スポーティさで一頭地を抜くモデルである。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 430ps(316kW)、580Nmの「レヴァンテS」(1279万円)

マセラティといえば(よくご存知のように)イタリアの高級スポーティブランドだ。ボローニャで100年以上前にレーシングカー作りを始めた歴史を持つだけあって、いまもスポーツカーやレーシングカーは企業のDNAの中核にある。日本では高級スポーティセダンのギブリや、先刻フェイスリフトを受けたクアトロポルテといったモデルも人気だ。そこに2016年春に加わったのが、同社初のSUVとして注目を浴びるレヴァンテだ。

 

レヴァンテはギブリQ4とプラットフォームを共有。フルタイム4WDシステム(マセラティではAWD=All Wheel Driveと呼ぶが)を備える。5003mmの全長に対して1679mmの車高と、プロポーションはセダンと一線を画している。それでも一目見ただけで、マセラティのファンなら心が騒ぐマセラティグリルを持ち、ボディのラインは流麗でクーペを連想させるほど。他車とはまったく違う。いかにも気持ちよく走りそうなルックスが魅力的だ。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 全長5003mm/全高1679mm

 

レヴァンテの新しさは6段階に車高調整できるエアサスペンションを備えているところだ。オフロードではグラウンドクリアランスを高く保てるいっぽう、オンロードでは下げることでスポーティなハンドリングに重要な重心高を低くできる。ようするにオンロードとオフロード、二つの目的を同時に追求して高いレベルの完成度を達成したモデルなのだ。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 右側手前のレバーはエアサスペンションの車高調整コントローラー

 

ライフスタイル誌のジャーナリスト向け試乗会は、ミラノから1時間半ほどのドライブで到着するリゾート、ガルダ湖が選ばれた。峻険な山に囲まれた氷河湖で、岸壁をくりぬくように作った湖畔の道は曲がりくねっているうえに狭く、さらに山に登ってもやはり道はくねくねとどこまでも続く。まことにヨーロッパ的ともいえるコースである。そこを走って、レヴァンテのすごさを垣間見ることが出来た。

 

 

■動画で見るマセラティ レヴァンテ

 

 

日本に入ってくるレヴァンテは3モデル。エンジンは3リッターV型6気筒で、ガソリンは出力が違うモデルが2つ。350ps(257kW)の「レヴァンテ」(1080万円)、同じエンジンながら430ps(316kW)にチューンナップされた「レヴァンテS」(1279万円)だ。発売は2016年秋。2017年にはディーゼルの「レヴァンテ・ディーゼル」(価格未定)が加わるという。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 350ps(257kW)の最高出力と500Nmの最大トルクの「レヴァンテ」(1080万円)

 

僕が乗ったのは、ガソリンの2モデル。端的に印象を言うと、ともに期待以上にスポーティだった。美点はハンドリング。SUVとは思えないほど反応が早く、路面の状況もステアリングホイールにしっかり伝わる。一般道では余裕あるサイズのセダンなみにしなやかな乗り心地で、カーブを曲がるときの車体の動きは安定している。要するに楽しいのだ。

 

着座位置もヨンク的に下を見下ろすようなかんじでなく、セダンに近い感覚だ。仮にヨンクの目的が悪路を含めてあらゆる道を制覇しながら前へ前へと進んでいくことにあるとしたら、レヴァンテは対極的。操縦すること自体を楽しめるモデルなのだ。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante パワーステアリングはフィールの面で油圧にこだわる

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 立体的な造型のシートはホールド性にも優れる

 

「後輪駆動的な操縦感覚を大事にしました」とマセラティの車両開発を統括するロベルト・コラーディ氏が僕に語ってくれた通りの印象だ。車重は2トンあるが、トルクの出かたも絶妙な設定で、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで軽快な出足で、そこから加速していくときにもモタモタした感じはない。V型6気筒に理想的といわれる60度のバンク角を持つエンジンは嫌な振動は皆無で、回転を上げて走るスポーティな感覚もしっかり味わえるのだ。

 

コラーディ氏によると開発段階で意識したのはポルシェ カイエンだという。レヴァンテのインテリアの雰囲気はカイエンとまったく違う方向を見ている。カイエンが上質なミルクだとしたら、レヴァンテは上手なカクテルといってもいいかもしれないと僕は思った。

 

革をふんだんに使ったダッシュボード、シート、ドアトリムは独特の世界を作り出している。シートには最上級オプションで、エルメネジルド・ゼニア社のシルク素材を使った「ゼニア・エディション・インテリア」も選べる。これこそマセラティ独自の味わいだ。

 

マセラティ レヴァンテ|Maserati Levante 最上級のオプションではエルメネジルド・ゼニア社が手がけるシルク素材を使う

 

文:小川フミオ  

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