政策もなし! 「支持政党なし」は、れっきとした政党名である

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参院選の投開票を7月10日に控え、街中のあちこちで選挙カーが大音量のスピーカーで切実な公約やお願いをがなり立てるなか、東京選挙区の候補者掲示板に、

 

「支持政党なし」

 

と大きく書かれたポスターが6月22日の公示後、4枚並んで貼られている光景を、都内在住の皆さんならけっこうな頻度で目にしているのではなかろうか?

 

私は最初、今年7月から選挙権が18歳まで引き下げられたこともあって、「たとえピンと来る政党がなくても『支持政党なし』と書けばいいから、とりあえず選挙に行ってみようよ」みたいなことを啓蒙する、国側のPRだとばかり思っていた。

 

ところが、この「支持政党なし」、どうやら東京以外にも北海道・神奈川・大阪・熊本の各選挙区で候補者を立て、さらには比例代表でも2人を擁立している、れっきとした“政党名”であるらしい。

 

スローガンとする政策はゼロ。週刊新潮が、比例区の候補でもある同党代表の佐野秀光氏(45)に取材を行ったところ、

 

「もっともいけないのは『これを実現します』と政策を揚げながら実行しないこと。それこそ有権者を騙す詐欺行為です。我々はできないことは言いません。責任を持って『政策なし』と言っているのです」

 

と、いささか開き直りにも近い論調で回答し、「有権者の使者となり、議決が必要な法案などについてネットで賛否を集め、その結果を国会に提出する“電子的直接民主主義”」の推進・導入を目論んでいるのだという。

 

この“電子的直接民主主義”を積極的に“支持”するのなら別にかまわない。問題なのは、私のような勘違いをしたまま投票用紙に「支持政党なし」と書いてしまうケースで(※「支持なし」「支なし」の略称も正式な一票としてカウントされる)、現に一昨年の総選挙では、比例代表北海道ブロックで2人の候補者を立て、なんと10万票以上を獲得しちゃったのだそう。これを全国区に置き換えると、200万票を超えるという見方もあり、このままだと当選の可能性だって、大いにありうるのだとか……。

 

もう一度言うが、私は「支持政党なし“党”」の「あえて動かない姿勢」や、国民の声をネットによって右から左へと流しておしまいの「究極的なノンポリ」を国民が支持したなら、それはそれで“アリ”だと思う。だが、仮に少なからずの“勘違い票”を取り込み、この紛らわしい名前の政党が「アイデア勝ち」で安易に漁夫の利を得てしまうのは、やはり“ナシ”だと考える。だから、参院選が目前にまで迫った今、一人でも多くの有権者の方々に、「支持政党なし」はあくまで政党名であることを“再確認”していただくためだけに、本来は公の場での政治的発言を快しとしない私ではあるのだけれど、早急にパソコンのキーボードを叩いた次第である。

 

ちなみに、憲法による「結社の自由」との関わりから、この政党名を規制するのはむずかしいのだという……。

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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