自由の裏に心の闇…。同性の視線を気にしてしまうアラフォー女たち

人間関係

 

31歳の女が、横浜市戸塚区で5月、自宅近くのマンション駐輪場にあったオートバイのカバーに火をつけて逮捕された。彼女は、「女子会で恋愛の話になり、別れた彼のことを思い出していらいらした」などと供述しているという。

 

人はどうしても、周りと自分を比べてしまう。みんな幸せそうなのに、自分だけが闇の中にいるような気分になったことがない人なんていないはずだ。

 

先日、アラフォーの女性たちと話す機会があった。独身、既婚で子どもなし、バツイチというまったく状況の違う女性たちだ。彼女たちによれば、アラフォーがいちばん生き方にばらつきがある世代なのではないかということだった。

 

「社内で見ていてもそう思います。既婚でも子どもがいるかどうかで違うし、下手したらバツ2という強者もいる(笑)。独身でも彼がいる人、一緒に住んでいる人、不倫している人、彼氏いない歴10年という人もいます。だからよけい、周りと自分を比べてしまうんでしょうね。人はないものにばかり目がいくものだから」(独身・38歳)

 

つい先日、小学校時代のクラス会に出席した既婚子どもなしの女性(40歳)はこう言う。

 

「まさに、みんないろんな人生でしたね。男より女のほうがいろいろでした。私は結婚しているけど子どもがいない。子どもが3人いる女性からは『子どもなんてお金がかかって大変よ。羨ましいなあ、共働きで子どもがいなかったら贅沢できるでしょ』と言われましたが、私自身は子どもがほしかったのにできなかったので、ちょっと複雑な思いでした。中には少しお酒が入った段階で、『結婚してて子どもがいないなんて、結婚している意味があるの?』とつっかかってくるバツイチ女がいたりして、それも傷つきましたね」

 

昔、子どもは「授かりもの」だった。それがいつしか「作るもの」となり、いろいろな事情で子どものいない人が肩身の狭い思いをする世の中になった。

 

子どもを産むか産まないかは個人の自由、そして何らかの事情で子どもがもてなかった人もいるということを、人は忘れてはいけないと思う。

 

 

■人それぞれ、違う人生なのだから……

 

自分と違う生き方をする人を揶揄したり過剰に羨ましがったりするのは、自身の生き方を受け入れていないからだろう。生き方に自信をもっている人など、そうはいない。みんな、それなりに折り合いをつけ、自分自身を引き受けながら精一杯生きているのだから。

 

若いときは、同性のファッションやメイクが気になったりするものだが、アラフォーともなると容姿や外見ではなく、むしろ生きてきた軌跡が気になるのかもしれない。

 

「バツイチで結局、元夫からの養育費もほとんどないままにふたりの子を育ててきました。一時期は仕事を2つ掛け持ちしてがんばってきた。子どもたちもようやく高校に入ってほっとしていますが、ふと周りを見ると、みんなゆとりある生活をしているなあと思います。うちはいまだに貯金もないし持ち家もない。お金があれば、子どもたちにもいろいろ習い事をさせてやれたと思う。そうすれば、子どもたちに人生の選択肢をたくさん与えることができたはず。それができなかったのが申し訳ないなと思うんですよね」(45歳)

 

離婚は自分の決断だったが、それによって子どもに悪影響があったのではないかと悩む母。同じ年齢でも、夫がいて生活していくのに困っていない人にはわからない心情があるに違いない。

 

人は誰も「幸せな人生」を送りたいと思って、そこに向かって努力しているはずなのに、アラフォーともなるとそれまでの生き方によって、人生に差が出てくる。だが、それは必ずしも本人が悪いとは限らない。運が悪かったり、たまたま状況がよくなかったりすることも多いのだ。

 

他人を羨んでも、そこからは何も生まれない。また、他人の生き方を批判して自分が優位に立ったと思う人生ほど虚しいものもない。

 

前出の38歳未婚女性が言う。

 

「会社にもいるんですよ、人が結婚すると『どうせうまくいかないわよ、あの性格じゃ』と悪口を言いまくる私の同期が。いや、あんたのほうが性格悪いっていつも思います。人は人ですもん。まあ、私も本当ならとっくに結婚して子どももいるはずの人生だったけど、今になると、どうしても結婚したいわけでもないと思うようになったし。人生はうまくいかなくて当然、考えも日々変わると思うことにしています。『あなたはのんきでいいわね』と、最近は同じような独身の女友だちにも呆れられていますが、どう生きようが私の人生ですからね、他人の生き方は気になりません」

 

彼女が言うように、女は他の女性の生き方が気になるのだ。本人の会社での地位や立場、結婚すれば夫の収入、子どもがいれば子どもの成績の良し悪しなどなど。気にして知っては自分と比べて落ち込んだり妬んだり。

 

何があっても私は私。そう言い切れるだけの「揺れない心の強さ」と「ある種の潔い諦念」を持つ必要があるのかもしれない。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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