これぞプロ! 50代でも第一線で活躍し続けるトム・クルーズに学ぶ「気配り力&仕事力」

エンタメ

鈴木ともみ

これぞプロ! 50代でも第一線で活躍し続けるトム・クルーズに学ぶ「気配り力&仕事力」

 

映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の公開を8月7日(金)に控え、“トム・クルーズ旋風”が日本の夏を席巻しています。

 

超人気俳優、世界を代表するハリウッドスター、トム・クルーズの名前を知らない人などいないのではないでしょうか。『トップガン』の大ヒットにより一気にスターの座に躍り出て、『レインマン』『7月4日に生まれて』ではその演技力の高さから大きな評価を受け、『ミッション:インポッシブル』ではプロデューサーという立場からも人気シリーズを生み出し、『ラスト・サムライ』ではプロデューサーの一人として異国の地である日本を舞台に日本人と武士道を描いてしまう……。もちろん、世界的スターだけあって、センス(ルックス・才能)&実力(演技力・努力)も超一流。これほどまでにハイスペックで万能感に満ちた男性はいないのではないかと思えてしまうほどです。

 

こうして、恵まれたセンスを武器に、順風満帆なスター街道を歩んできたかのようにも思えるトム・クルーズですが、ふと気づけば、53歳。いつまでもスターであり続けるのは厳しい年齢にさしかかっているのでは……?という気もしてしまいます。しかし、スクリーンで彼の姿を確認すれば、その心配が無用であることがわかります。

 

最新作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でも見事な超絶アクションを披露。上空1500メートル×時速400キロメートルで飛行する軍用機のドアにつかまるアクションや、潜水シーンなど、どれもスタントなしで彼自身が演じています。特に、潜水シーンでは「ノーカットで撮影したい」という強い思いから、プロのトレーナーに呼吸トレーニングを学び、6分間も息を止めるトレーニングに励み続けたとのこと。

 

50歳を過ぎても、心身を鍛え抜き、チャレンジし続け、努力を怠らない。その求道的な精神と役者魂は、作品を通してストレートに伝わってきます。とはいえ、若手のイケメン俳優のなかにも、センス&実力を兼ね備え、努力を怠らないナイスガイは存在しますし、彼らが台頭してくれば、トム・クルーズのスターの座も決して不動ではないはず。実際に、これまでに数多くの若手スターが登場しています。そうしたなか、なぜトム・クルーズは、いつまでもスターであり続け、第一線で仕事を続けてくることができたのか。その理由は、彼の素顔や性格を垣間見ることで、導き出せるのかもしれません。

 

私自身もこれまでに7回ほど、トム・クルーズを取材してきましたが、彼ほど共演者やスタッフに対して感謝の意を示す人はいないのではないかと感じます。

 

会見の場では、通訳の戸田奈津子さんが通訳しやすいように、また、記者たちが記事をまとめやすいように、一気に喋らずにワンセンテンスごとに区切ってコメントしてくれます。その「気配り力」は、ハリウッド女優と一緒に来日した際にも健在です。写真撮影時には、女優さんにライトが当たりやすいポジションを促し、質疑応答の時には、自分だけに質問&答えが集中しないようにと、隣の監督や俳優に話を振っていくのです。

 

『ザ・エージェント』で、当時、新人女優として来日したレニー・ゼルウィガーも、その場にいないトム・クルーズのことを次のように評していました。

 

「本当ならば、ヒロインには無名である私よりも人気女優をキャスティングした方が映画のヒットにもつながるはずです。トムにとっても大切な作品なのですから。なのに、トムは私の演技を見て、経験の浅い私を起用し、私の可能性にかけてくれた。まさに理想的な上司なのです」

 

公開当時は、まだ無名に近かった彼女ですが、この作品をきっかけに一気にスターダムにのし上がり、その後『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ、『シカゴ』などを経て、ハリウッドを代表する女優となりました。後輩の才能を見抜き、育てる力もトム・クルーズは持っているのです。

 

今回、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で21回目の来日となったトム・クルーズを取材した際に、私はこんな質問をぶつけてみました。

 

「53歳になった今でも心・技・体(気力・技能・体力)を維持し続ける秘訣は?」

 

これに対しトム・クルーズはこう答えました。

 

「僕は観客のために映画を作っているので、皆さんが楽しんでくれることが何よりもうれしい。映画を作ることは4歳の頃からの夢だったんだ。だから、今こうしてそれが実現できていることに感謝したい。これまでの撮影では、遅刻したことも休んだこともない。時間は必ず守っている。撮影の現場はプレッシャーの塊のようなものだけど、それを感じるのは特権だと思うし、自分を極限まで追い込んで応えたいと思っているよ。どの作品でも新たな発見があり、学ぶことの連続だから、学び得ることも楽しい。仕事に対して真摯に向き合うことを大切にしている」

 

これぞプロ中のプロ! 一流となり得る秘訣は、まさにこういった基本的なことの繰り返しにあるのかもしれません。大スターになっても基本を大事にし、現状に甘んじることなく努力し続け、周囲やファンへの感謝を忘れないトム・クルーズ。シリーズ5作目となる今作では、公開初日のシリーズ最高興収記録をまたもや更新。“仕事人”トム・クルーズは果たしてどこまで進化していくのか。まだまだ私たちを楽しませてくれそうです。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

鈴木ともみ

経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー、DC(確定拠出年金)プランナー。日本記者クラブ会員。来日する各国大統領や首相、閣僚、要人への取材多数。中央大学経済学部国際経済学科卒業後、ラジオNIKKEIに入社...

鈴木ともみのプロフィール&記事一覧
ページトップ