クルマだけでなく駐車場までシェア! 続々と「駐車場シェアリング」に企業が参入する理由

車・交通

 

地球上の3割にすぎない土地に、地球上の6割にあたる人が住む。アジアはやっぱり世界屈指の人口集中地域である。そんなアジアでいち早く自動車が普及した日本は、昔から駐車場問題に悩まされてきた。この問題を解消するために、1971年には早くもパーキングメーターの設置が始まり、20年後には元祖コインパーキング、パーク24のタイムズ駐車場が登場するなど、新しいサービスがいくつも導入されてきた。そしていま、ふたたび新しいサービスが生まれている。個人や会社が所有する車庫を一定時間、駐車場として貸し出すという駐車場シェアリングだ。

 

このサービスをいち早く展開したのは、大阪に本拠を置くakippa(アキッパ)という会社だ。当初はギャラクシーエージェンシーという社名だったが、3年前からサービスを始めたパークシェアが軌道に乗り、現在はサービス名と社名が同一になっている。

 

利用したい人は、スマートフォンのアプリをダウンロードして、会員登録を行い、出掛ける場所を入力するだけ。地図上に料金が書かれたグリーンのボタンが出てくるので、そのうちのひとつを選ぶと詳細画面に変わる。車種や時間が条件に合えば、 利用したい時間を入力し、支払い方法を選んで予約ができる。駐車場の空き状況をカーナビやインターネットで見ることができるようになって久しい。でも行ってみたらタッチの差で満車になっていたということもある。予約可能というのは大きい。

 

akippaは自身が駐車場を所有しているわけではないので、当然ながら駐車場を貸したい人に登録してもらうことも必要になる。こちらもアプリで情報を入力するだけ。審査に通れば、その駐車場が利用者側のアプリに掲載されることになっている。駐車場の所有者には料金の60%が入る仕組みだという。もちろん料金は安い。多くは同じ地域のコインパーキングの半額以下だという。しかも事前にクレジットカードなどで決済するから、支払い時にトラブルになる心配もなさそうだ。アプリを使って所有者と利用者のマッチングを行う仕組みを含めて、ウーバーなどのライドシェアのサービスと似ている。

 

関連企業との連携も急ピッチで進んでいる。昨年はトヨタ自動車のスマートフォンアプリ「TCスマホナビ」での予約が可能になったほか、LINE、阪神高速、京浜急行など、さまざまなジャンルとつながりを築いている。既存の駐車場を予約し、クレジットカードで決済するサービスもある。こちらの代表格は名古屋市でウェブサービスやアプリの企画運営を行うシードが2016年から始めた、その名もスマートパーキングだ。さらに同じ年にはあのNTTドコモも参入を発表。今年の夏からPeasy(ピージー)という名前でアプリの提供をスタートした。こちらは駐車枠に設置する専用センサーも用意しており、このセンサーが入庫・出庫を判断する方式だ。

 

こうした動きに対して、業界最大手のパーク24も動き出している。昨年8月にB-Times(ビィ・タイムズ)という名称で、会員向けに駐車場シェアリングを始めた。専用アプリを使って駐車場の所有者と利用者のマッチングを行う方法はakippaと同じだが、同社が運営するカーシェアリングやレンタカーと共通のポイントが使用可能で、契約駐車場の数をどんどん増やしているなど、最大手らしい幅広く安心感の高いサービスをアピールしている。

 

さらにパーク24は同年、ALSOKのブランドで知られる綜合警備保障と組んで、現在話題となっている空き家対策の一環として、空き家の駐車場をカーシェアリングのステーションとして活用する取り組みも始めている。

 

狭い日本だからこそ、限られた駐車場を有効活用したい。そんな考えから生まれた駐車場シェアリング、私たちドライバーも有効活用したいものだ。

 

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モビリティジャーナリスト

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担...

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