無免許主義の若者に価値観をおしつける、バブル世代の「免ハラ」おじさんたち

人間関係

 

『マネーポストWEB』によると、みたいだ。

 

とくに東京都でその傾向は顕著であるらしく、「国土交通白書2013」によると、20代では1991年に74.2%だった免許保有率が、2011年には63.5%まで減少。また、ソニー損保「2017年 新成人のカーライフ意識調査」によれば、今年の新成人の免許保有率は56%となっている……のだそう。

 

「クルマ離れ」どころか「免許離れ」──そんな風潮をロジカルにアシストする意見を、とりあえずは記事内から抜粋してみよう。都内在住の男性会社員・Aさん(31)のコメントである。

 

「免許を取るお金と時間が正直バカにならないし、使わないかもしれないものに対して、先にお金をかけることの意味がわかりません。仕事で使うとか、ドライブが趣味という人ならともかく、周囲の友人たちは、免許を持っていても乗らない人ばかりで、“身分証明書”としての機能しか果たしていません。それに僕は、お酒が好き。休日に車で出かけるとなると飲めないし」

 

(中略)「車が地方では“足”として機能しているのはわかります。でも、都心部では家賃だけでも高く、移動するにも渋滞や駐車場のことを考えると憂鬱。ちょっと離れたところに住んで車を持つ、という選択もありますが、(中略)往復の通勤時間と車を使う頻度を考えたら、都心部に住んで車を持たない、という方を選びました」

 

(中略)「もちろん。結婚して子供がいるなど、生活が変われば話は違います。でも、必要になったときに取得すればいいという考えです」

 

なかなかしっかりとした考えの持ち主である。ところが、Aさんが「免許を持っていないこと」を知るやいなや、鬼の首を取ったかのごとく、それを酒の肴に、

 

「それでも男か?」

「クルマは男のロマンだ!」

「それじゃ女の子にモテないぞ!」

「俺らの時代はクルマでよくデートしたもんだ。ナンパもしたな…」

 

……などとインネンをつけてくる上司も実在し、そういう「免ハラ(=免許ハラスメント)上司」は、50代前後のバブル世代に多いのだという。

 

こうも堅実で確固たるポリシーのもと“無免許”を貫くAさんに、「バブル時代の古き良き想い出」にすがった独りよがりな価値観を強引に押しつける免ハラおじさんは、同じ年頃である満55歳(※正確には「シラケ世代」と呼ばれる「バブル前夜世代」)の私としても、お恥ずかしいかぎりなんだが、なにを隠そうこの私も20代から40代はじめあたりまでは、ゴルフ→シトロエン→ポルシェ→ベンツ(SLシリーズ)→ボルボ……と、散々クルマの“名前”だけに依存しながら、女子の尻を追っかけまくっていたクチだった。ゆえに、この手の暴言を吐く(元)バブル紳士方々のノスタルジックな心情は、一部理解できなくもない。

 

ただ、これらの“キャッチーな外車”は「バカにならない保険料と駐車場代」「(外車ゆえ)故障しやすく、しかも故障したときの修理代のバカ高さ」「レッカーされる不安」「事故で人を殺傷してしまう恐怖」「酒が飲めない」……ほか諸々、常に“ストレスの源”でもあった。オマケに飲酒運転や違法駐車に対する罰則が厳しくなったころからは、クルマに乗るのは下手すりゃ3ヵ月に一回ほどの頻度になっていたので、毎回バッテリーが上がってしまい、乗るごとにJAFを呼んでいたりもしていた。

 

そして、私はようやくクルマを捨てた。「ボクは本質としてクルマには興味がないんだな…」と自覚し、クルマに興味のない人間が“クルマを持つメリット”と“クルマを持たないメリット”を照らし合わせると、“持たないメリット”のほうがはるかに勝ることに気づいたのが40代後半……。決して大袈裟な話じゃなく、“生きていることのストレス”の30%以上がスッと抜けた爽快な気分であった。

 

電車やバスやタクシーなど、交通手段が発達している都内で在住するかぎり、クルマに興味のない人はクルマも免許も必要ない──まったくもって同感だ。この正論へと達するまで、私は免許を取得したハタチから、じつに30年近くもかかってしまった。

 

「クルマを持たない」「免許を持たない」というチョイスを冷静に判断できる、見栄やモテ(への幻想)に囚われない時代背景に生きる、今の20〜30代は本当に幸せだと思う。大きな買い物はネットで購入して配達してもらえば済むわけだし……。ちなみに、私は沖縄が大好きで、沖縄に旅行するときはかならずレンタカーを借りるので、免許はやっぱ……ちょっとだけ必要ではあるのだが?

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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