「子どもに読書をさせることが重要」は実は間違いだった?

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吉田和充

「子どもに読書をさせることが重要」は実は間違いだった?

前回書いた『』では、「本がどこでも手に取れるような環境をつくる」のがユダヤ式の天才を育てる方法、ということを紹介しました。

 

ところが、実はそれは間違っているのではないか?と書かれている本を、ごく最近読みました。

 

教育経済学者の中室牧子さんの『「学力」の経済学』という本です。

 

素人の誰もが子どもの教育について語りたがる「一億総教育評論家」状態になっている日本の現状に疑問を呈しており、数字で測れるデータで教育を科学的に分析することの重要性を語っています。実際、本書の中にも、ためになるデータがたくさん載っています。非常に面白い内容です。

 

■読書は学力向上につながるのか?
文部科学省が「全国学力・学習状況調査」という学力テストの結果を用いて、子どもの学力と家庭環境にどのような関係があるのか分析しました。それによると「親の年収や学歴が低くても学力が高い児童の特徴は、家庭で読書をしていること」だとされたようです。

 

そしてそれを受けて、「子どもに読書をさせることが重要だ」と多くのメディアが報道したそうですが、これは正しいとは言えない、というのです。

 

本書では、この情報には2つ誤りがあると指摘しています。

 

1つは、

 

読書をしているから子どもの学力が高いのではなく、学力の高い子どもが読書をしているのにすぎない可能性があるのです。

 

「読書をする」ことが原因で、「学力が高くなる」という結果がもたらされていることがはっきりしないのに、本を買い与えたり、読み聞かせをしたら、お金や時間の無駄遣いになってしまうかもしれません。

 

もう1つは、

 

「見せかけの相関」の可能性を検討していないことです。つまり、読書にも学力にも影響するような「第三の要因」があるかもしれないのに、そのことを考慮していないのです。

 

例えば、第三の要因として「子どもに対する親の関心の高さ」といったことがあり、もしかしたら、この「関心の高さ」こそが、「子どもの読書量と学力の高さの関係」に、寄与している可能性があるというものです。

 

その第三の要因の可能性が考慮されていない点が、問題だというのです。

 

 

■教育を科学する
データで教育を分析することで、多くが自分自身の経験からしか語られていない日本の教育に、客観的な判断基準を与えることの重要性が書かれています。

 

例えば、子どもにコンピューターゲームをさせたりTVを見せたりするのは、一般的には良くないと言われていますが、本当にそうなのでしょうか? 本当に学力に悪い影響を与えるのでしょうか?

 

こうした疑問に対しても、客観的なデータを持って、1日に何時間TVやゲームに触れると子どもの学力に悪影響がでるのか?などといったことが示されています。

 

子どもは一人一人が全く違っており千差万別なのに、現状は教育を語る人が個人の経験からしか語っていない日本の教育界に、この考え方は非常に役に立つのではないか?と思いました。

 

実際、アメリカなどでは、すでにこの考え方が教育に導入されているようで、多くのデータもそろいつつある、ということでした。

 

勉強させるのに、ご褒美で釣ってもいいのか? もし釣るなら、どういうやり方が一番効果的なのか? このあたりの結果データを基に教育システムを構築していたりするようです。

 

ちなみに、冒頭に挙げた「読書と学力の相関関係」の例は、経済学の分析の仕方から考えるとNGがあるという話でしたが、実際は、「本を読めば頭が良くなるのか?」と聞かれたら、数々の調査データから導き出した答えは「イエス」だそうです。

 

ということで、ユダヤ人の教育方法は実証もされている、ということになりますし、かなり多くの人に読んでもらえた前回の記事もウソは書いていなかった、ということになりホッとした次第でもあります(笑)。

 

ちなみに本書を参考に書いた、こちらの記事もよろしければぜひ。

 

 

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クリエイティブコンサルタント 経営戦略、広報広告戦略の立案、実施、プロデュース、商品開発、新規事業立ち上げ、海外進出プロデュースなどのクリエイティブワークを行い、企業や店舗、個人の事業拡大のお手伝いを...

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