業務時間中のタバコはずるい? 賛否両論を呼んだ「スモ休」制度に労基法上の問題はないのか

ライフスタイル

 

東京のあるマーケティング会社で導入されたが話題を集めています。スモ休とは「スモーク休暇」の略と思われます。非喫煙者に対して、通常の有給休暇とは別に年間6日間の特別有給休暇を付与するとのことです。SNSでは、タバコという特定の嗜好の有無で従業員の待遇に差を設けることは平等性に欠け、問題ではないかという声が散見されました。この休暇制度に法的な問題点はないのでしょうか。ベリーベスト法律事務所の弁護士が説明します。

 

 

■「スモ休」は違法となる可能性は低い

 

労働基準法には、国籍や信条、社会的身分、性別によって差別的取扱を禁止する定めはありますが、タバコのような特定の嗜好の有無で差別的取扱をすることを禁止する定めはありません。よって基本的には、労働基準法上、違法となる可能性は低いでしょう。

 

この制度は従業員が発案したことで制度化されたもので、もともと喫煙者は通常の休憩時間以外にも1日数回業務を離れることがあり、非喫煙者との業務時間の差が問題ではないかという従業員からの疑問の声もあったようです。このような経緯を考えると、非喫煙者を優遇する不公平な制度というわけではなく、むしろ、非喫煙者が喫煙者に対して抱く不公平を緩和するための制度と見ることもできそうです。

 

 

■「スモ休」は不公平なのか

 

「じゃあ、非喫煙者はまったく休憩しないの?」

 

喫煙者から、そんな声が聞こえてきそうです。

 

雪印メグミルクが行った「」によると、非喫煙者も休憩をとっていることがわかります。休憩の頻度は、かなり個人差があるようです。喫煙者でも昼食とトイレ以外の休憩を取らない人もいますし、非喫煙者でも1時間に2回以上休憩を取る人もいます。

 

真に公平な制度を目指すのならば、喫煙の有無で分けるのではなく、休憩の要否、つまり昼食やトイレとは別に休憩が欲しいか、休憩の代わりに有給休暇が欲しいか、によって分けることが望ましいのではないでしょうか。

 

 

■タバコ休憩を禁止しても違法ではないが…

 

SNS上では「タバコ休憩を一切認めなければよいのでは?」という意見もありました。基本的に、もともと就業規則などで何ら定められていない場合には、もし会社が「タバコ休憩を認めない」というルールを設けても、違法性はありません。労働者は、職務中は職務に専念する義務があります。所定の休憩時間以外に職務から離れて勝手に休憩することは、この義務に違反していることになります。

 

それでも多くの会社では、一息入れたほうが能率も上がるという考えもあって、タバコ休憩が容認されています。もちろん、タバコ以外の束の間の休憩についても、容認されているのが普通でしょう。

 

「スモ休」についても、喫煙者と非喫煙者との平等について改めて考える機会や、健康について考える機会と捉えれてみればいかがでしょうか。話題を集めたことからも、働き方に一石を投じた試みと言えるでしょう。

 

監修:

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

弁護士

廣瀬加奈

弁護士。法科大学院卒業後、弁護士法人ベリーベスト法律事務所に入所。「弁護士業はサービス業である」を職務信条とし、幅広い分野への探究を心掛ける。依頼者の様々な不安や疑問に迅速に対応、最高の解決方法の提供...

廣瀬加奈のプロフィール&記事一覧
ページトップ