“世界で最も他人に冷たい先進国”日本が知るべき言葉「大きい者が小さい者を助けるのは当たり前」

人間関係

citrus 松田扶美

“世界で最も他人に冷たい先進国”日本が知るべき言葉「大きい者が小さい者を助けるのは当たり前」

内田光子氏が日本の「世界文化賞」を受賞した。イギリス在住で若い頃から世界各地で活躍する彼女はあまりにも有名なピアニストだ。

 

受賞の言葉に「受賞金の一部でシリアから防寒着もなく逃亡してくる子供たちに1万枚の毛布を寄付したい」と語った。

 

私にはそれはまったくごく当たり前のことに聞こえる。彼女ほどの大物でなくても、例えば中学生でもプレゼントされた一部を自分より弱い立場の者に何か貢献したいと寄付することはよくある。

 

「大きい者が小さい者を助けるのは当たり前」という言葉があることを知ったのは、30年も前、貧乏で無名の創作家だったとき、知人の紹介で有名な女優が朗読してくれ、作品を救ってくれた。そのお礼を月割で支払いしたいと申し出たが、彼女は笑って「大きい者が小さい者を助けるのは当たり前」と言って、「将来いつか、あなたが大きい者になって、私を雇ってくれることになるかもしれないわよ」と言ってくれた。

 

こちらでは、資産家であっても、スポーツ選手であっても、芸術家であっても、大きくなって成功した者は、社会に還元するのが当たり前と考える人が多い。知る限りの有名人は自分の趣味や専門分野で財団法人を持っている。

 

つまり、社会的に名のある者は社会を救い、貢献できる選ばれた者だから、社会もそれを期待している。彼らは寄付しても損することはない。税金面で考慮されるし、社会的にもっと尊敬を得られる。

 

 

先日「世界で最も他人に冷たい先進国は日本」という統計がイギリスの「Charities Aid Foundation」から発表され、それに対する日本人のコメントが沢山寄せられていたのを読んだ。

 

その記事はこちら。

 

世界で最も他人に冷たい先進国、日本

 

私が思うに、「他人に迷惑をかけないで生きている」のだから「お前も迷惑かけるな」とか、「弱い者は自分の責任だから知ったことではない」とか、「国か誰かが面倒みてやるべきだ。自分の責任の範囲ではない」とかではないだろうか。

 

「日本人は『おもてなし』はできても『思いやり』はない」とスウェーデン出身の日本在住のタレントが言っているのを読んだ。私も当たっているところがあると思う。

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松田扶美

チューリッヒ(ドイツ語圏スイス)在住41年。 現代創作舞踊家。国際振り付けコンクール入賞・チューリッヒダンス文化賞受賞。 2003年、スイス・ダンサー・振り付け賞(スイス現代舞踊協会、プロダンス)生涯賞として受賞。 チューリッヒ芸術大学(ZHdK)演劇学部教授退官。現在年金生活者。 著書に、 『片道だけのパスポート スイスの36年』 (北海道出版企画センター 2009年) があります。

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