21年ぶりのモデルチェンジに湧く トヨタ「センチュリー」。実はスズキ「ジムニー」と意外な共通点が!?

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第45回東京モーターショーが今月28日から一般公開される。それを前に自動車メーカー各社から出展車種の情報が次々に舞い込む今日この頃。その中で多くの人の注目を集めたのが、来年発売というトヨタ自動車の高級セダン、センチュリーの新型だ。インターネットのニュースサイトで扱うところも多く、多くのコメントが寄せられていて、デザインを中心に好意的な意見が目立った。

 

「似たような現象があったなあ」と思って記憶を手繰り寄せた先にあったのが、スズキの軽自動車SUVジムニーの新型だった。こちらは現時点ではモーターショーへの出展はなく、来年発表らしいが、カモフラージュしてテスト中の写真を見て、ポジティブな声を寄せる人が多かった。

 

実はこの2車種には共通点が多くある。最大の違いが車格と言ってもいいぐらいだ。

 

ひとつはロングセラーであること。センチュリーはなんと21年ぶりのモデルチェンジであり、ジムニーの現行型も来年で20周年を迎える。どうやらスズキとしては、記念すべき年に進化をさせたいらしい。いずれも現代のクルマとしては異例のロングライフだ。

 

現行型に限った話ではない。センチュリーがデビューしたのは今からちょうど半世紀前の1967年。なのにいままでモデルチェンジは1回だけだった。驚くべき経歴の持ち主である。それに比べるとジムニーは1970年に初代が発表されてから2度のモデルチェンジを経験しているけれど、それでも各世代の平均寿命は現時点で約16年と、通常の乗用車の約3倍だ。

 

センチュリーという車名は、50年前がトヨタ・グループの創始者である豊田佐吉の生誕100周年であることにちなんだ。対するジムニーにそのようなヒストリーはないと思いきや、詳細は省くけれど現在のスズキを代表する人物、鈴木修会長が生みの親だったりする。

 

ここまで長い間モデルチェンジなしで行けたのは、ライバルがいなかったことが大きい。センチュリーと同じ車格には少し前にデビューしていた日産自動車のプレジデントがあったが、2010年に生産を終了している。ジムニーの競合車として三菱自動車工業からパジェロミニが送り出されたのは1994年。しかし2012年にカタログ落ちしてしまった。ライバルがいないとなると、手を抜いてもそこそこ売れるだろうと考える人がいるかもしれない。でも2台に妥協の2文字はなかった。

 

 

センチュリーでこの面を象徴しているのはやはり、2代目に搭載された国産市販乗用車唯一のV型12気筒エンジンだろう。一方のジムニーは現在のSUVでは希少なラダーフレーム、副変速機付きセレクティブ4WD方式、前後リジッド式サスペンションという機構を小さな車体に詰め込んでいる。

 

センチュリーがトヨタブランドの最高級車であることは説明するまでもないけれど、小型軽量ボディに本格派のメカを内蔵したジムニーの悪路走破性も市販乗用車ではトップレベルである。車格は違うけれど究極の存在であることは共通している。

 

そしてやはりデザインに触れないわけにはいかないだろう。ひと足先にヴェールを脱いだセンチュリーの新型は、歴代の個性を濃厚に継承しつつ、新型だと明確に分かる。まだカモフラージュ段階の次期ジムニーは、現行型よりもむしろひと世代前を思わせるスクエアなフォルムになるらしい。

 

どちらも欧州のクルマたちが追い求めるエモーショナル&ダイナミック路線とは無縁。日本家屋を思わせる水平基調の佇まいにホッとする。相手はクルマなのに、自分らしさをわきまえた生き様に憧れてしまう。ここはジムニーの新型もぜひ、モーターショーにサプライズ展示してもらって、センチュリーとともに多くのクルマ好きを迎えてほしい。

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モビリティジャーナリスト

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担...

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