小学生レーサーJujuは「“小さい頃”から乗ってるから」240km/hの世界も怖くない!?

車・交通

 

『第45回東京モーターショー2017』の一般公開日初日にあたる10月28日土曜日、ドイツの技術サプライヤー『シェフラー』のブースでスペシャルステージが開催された。


シェフラーは専用の電気自動車で行う公道レース、フォーミュラEの最初のシーズン(2014/15年)から参戦しており、2015/16年のシーズン2からはチーム・アプトの技術パートナーとして、パワートレーンの設計・開発・製作を行っている。今年7月に終わった2016/17年のシーズン3では、同チームに所属するルーカス・ディ・グラッシが念願のチャンピオンになった。


そのディ・グラッシがスペシャルステージの主役のひとり。チャンピオンドライバーの生の声を聞く貴重な機会である。もうひとりの主役は、小学生レーサーで、F4に参戦するJuju(野田樹潤)だ。“ナマJuju”を拝む機会だったそうはなく、なんとも贅沢なイベントだった。

 

ステージ前は“ナマJuju”見たさに黒山の人だかりが…

 

大人顔負けのスピードで走るJujuだが、素顔は11歳の女の子である。トークの助っ人として、元F1ドライバーにしてJujuのお父さんである野田英樹氏が登場した。


ステージ開始までの待ち時間を、プチプチをつぶしてまぎらわせたというJujuは、レースを始めたきっかけを聞かれて次のように答えた。


「お父さんがレースをやっていて、それを小さい頃から見ていて、自分もやってみたいと思った。乗ってみたらすごく楽しかった」

 

11歳の女の子らしい返答である、つまり、かわいらしい。「小さい頃から」って、今も十分小さいじゃないか、という突っ込みはなしだ。いや、そんな矛盾すらかわいらしい。


司会を務めるフリーアナウンサーの徳永有美さん、思わずJujuに聞いた。「怖くないんですか?」と。


「小さい頃から乗っているので、全然怖くないです」


やはり、突っ込みはなしで……。F4の最高速は240km/hに達する。同乗してではなく、自分で運転しての240km/hだ。それを「全然怖くない」と答えているのだから、常人ばなれしていることは確かだ。


シェフラーのブースには、ディ・グラッシをチャンピオンに導いたアプト・シェフラーFE02が展示してあった。司会はそれを指さし、Jujuに質問する。「乗ってみたいですか?」と。

 

会場にはディ・グラッシをチャンピオンに導いたアプト・シェフラーFE02も展示

 

「乗ってみたいです。ひとつの夢です。夢はフォーミュラEとF1で勝つことです」


お父さんが補足する。


「(フォーミュラEは)モーターで駆動しているので、加速は普通のガソリン車とは比較にならない。環境にやさしいので、これからの時代伸びていきます。Jujuはプロのレーサーとしてチャレンジしていますが、将来的には10代でフォーミュラEに乗り、世界チャンピオンになる目標を掲げ、必死に頑張っているところです。その頃には、日本でもフォーミュラEが開催されていることでしょう。Jujuがそこで活躍してくれれば、こんなにいいことはありません」


ここでディ・グラッシが登場した。


「フォーミュラEに乗るのは夢なので、そこで優勝した選手に会えるのはうれしいです」


とJujuは出迎える。この日、初めてJujuに会ったというディ・グラッシは、Jujuを前に驚きを隠さなかった。

 

チャンピオンのディ・グラッシもJujuのフォーミュラE参戦を期待していると語る

「Jujuに会って驚いたよ。モータースポーツは男社会だからね。そこで女の子が男の子と競争して勝ったり、サーキットの記録を破ったりするのは素晴らしいことだ。モータースポーツは体の大きさや性別は関係ないと思っている。Jujuは新しい世代を代表するパーフェクトな例だと思う。彼女がフォーミュラEに関心を持ってくれるのはとてもうれしい。フォーミュラEには日本人ドライバーが必要だと思っているが、数年後にはJujuがその日本人ドライバーになってくれるとうれしいね」


ディ・グラッシも、日本でのフォーミュラE開催を後押しするひとりだ。


「(12月から始まる)来シーズンの夢は、レースに勝ち続けてタイトルを維持することだ。決して容易ではないが、シェフラーはいい技術を提供してくれるので、うまくいくと思う。僕はこれまで鈴鹿や富士でレースをした。今度は東京のストリートでフォーミュラEのレースがしたい。それが僕の夢だ」


Jujuの将来の夢はフォーミュラEとF1に乗ることだが、直近の夢は、F4のひとつ上にあたるF3に乗ることだ。


「F4でもコースレコードを出したので、F3でもコースレコードを出したいです」


JujuがフォーミュラEに乗るころには、日本の市街地(有力候補はやはり東京?)で開催が実現しているだろうか。将来が楽しみである。

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モータリングライター&エディター

世良耕太

モータリングライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1世界選手権やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全...

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