【臨床心理士が解説】「人と仲良くするのが怖い」人が抱える心理状態と解決策

人間関係

矢野宏之

【臨床心理士が解説】「人と仲良くするのが怖い」人が抱える心理状態と解決策

「人と仲良くなるのが怖いんです」という言葉は、カウンセリングの場面でよく聞きます。ある程度、話が進んだところで、ぽつりとおっしゃる方が多いです。そして、この言葉にはいつも重要な問題が隠れていると感じています。この言葉の裏には、主に3つの問題のタイプがあると考えています。

 

■1.裏切られるのが怖い

このタイプの方は、過去に裏切られたりした経験がトラウマになっている方が多いです。

 

最近では、ママ友やサークルの問題などで、仲良くしていたはずなのに裏切られたという場面に遭遇する方が多いように思います。友人を装う敵のことを「フレネミー」と表現しますが、仲良くしていて裏では攻撃的な態度を取る方の被害に遭われる方もいます。

 

仲良くなればなるほど、裏切られた時の心理的ショックは大きなものになるため、表面的なお付き合いに終始するのです。

 

このタイプの方は、カウンセリングの中で、過去に傷つけられ苦痛を受けた体験や、今の人間関係で起こっている出来事を扱っていきます。そうしていくことで、今の人間関係では怖いことが起こっていないことを理解してもらい、過去の出来事に影響されずに今の人間関係を観察する力を養っていくのです。

 

 

■2.見捨てられるのが怖い

このタイプは、ちょっとした相手の言動で傷ついてしまいます。

 

例えば、LINEやメールの返事が返ってこない、挨拶がなかったなどのちょっとしたことで傷ついてしまいます。「返事が返ってこないということは、自分がいらないということだ」というように、自分が「いらない・捨てられる」ということに非常に敏感です。中高生から20代にかけて多いタイプです。

 

背景に虐待や家族が機能不全に陥っていることなどが挙げられますが、特に何もなくてもこのような感覚を持っておられる方もいらっしゃいます。この感覚が続けば、「見捨てられるのが怖くて仲良くなれない」という感覚につながっていきます。ある一定以上仲良くなると、ぷっつりと人間関係を切ってしまうこともあります。「見捨てられる前に見捨てる」という発想です。

 

このタイプの方は、何らかのトラウマがあれば、その専門的な治療を行いますし、認知行動療法やマインドフルネスなどの特殊なカウンセリング方法が有効な場合があります。とくに目の前の出来事を感情的にとってしまう傾向があるので、その癖をなくしていきます。

 

 

■3.仲良くなるのが面倒くさい

このタイプの方は、あまり深刻さを感じませんが、人間関係を回避するという点においては、他の2つよりも重症です。自分のペースやこだわりがあり、そのペースを乱されることを極端に嫌います。人との交流があることで、自分のペースが乱されてしまい精神的不調に陥ってしまうこともあります。背景に発達障害があり、このような特徴が出ている場合もあります。

 

このタイプの方は、人と仲良くなるメリットを感じられなければ、人と仲良くすることはありません。そのためカウンセリングでは、人と仲良くなるメリットについて取り上げていきます。

 

カウンセリングの場面で出会う方は、ほんの一握りです。潜在的には多くの方が悩んでいるのではないかと思います。まずは、このような問題について悩んでいるのは自分だけではないのだ、という感覚が大切だと考えます。

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矢野宏之

臨床心理士 ■専門とする病気・問題 ・強迫症 ・強迫症関連疾患(ためこみ症、醜形恐怖症、抜毛症、皮膚むしり症) ・PTSD ・解離症(解離性同一症) ・自閉スペクトラム症 ・ADHD ・うつ病 ■専門とする治療法 ・認知行...

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