モンペにならずに済む!? ゆとり世代の新人教師にうまく要望を伝えるコツ

人間関係

 

最近、小学校や中学校で若手・新人教師が増えています。そのことがお母さん方には心配…と感じられることもあるようです。私が子どもの時は、若い先生だと、それだけでうれしかったものです。中学生ぐらいになって、いろいろなことが見えてきても、頼りなさよりも、いろいろ心の柔らかさの方が魅力的だったことを覚えています。ですから、子どもの立場では、先生がイキイキ、熱心に取り組んでさえくれれば、大丈夫かもしれません。とはいえ、親という立場になると、そう言ってもいられない、というのも理解できます。

 

東京や大阪など、都市部では特に先生不足が深刻化したため、採用者が増加しました。すると当然、合格者のレベルを心配する声が上がることになります。もちろん、都道府県でも、選考を工夫したり、社会人採用も取り入れたりと、誰でもいいから合格!でないことは確かです。それでも、何年か前には、「今、採用試験落ちたら、恥ずかしいよ」という声を聴いたことがあるほどですし、統計的にも新規採用者が増えてきたことは間違いありません。

 

そして、直接、新人先生と関わるお母さん方にとって気苦労なのが、「先生と話が通じない……世代間格差」だとも聞きます。ここ数年で新卒採用された人達は、いわゆる「ゆとり世代」。年齢的には20歳~30歳ぐらいにあたる彼らの特徴は、打たれ弱さ、ストレス耐性のなさ、知識量の少なさ、自主性のなさ、自己主張の強さなどがあげられています。しかし、それは本当のことなのでしょうか?

 

というのも、このようなことは、私も言われていたからです。私は今年40歳。世代論で言うと、「団塊ジュニア」とか「ロスジェネ世代」に当たります。子どもの数も多く、競争をかいくぐって大学を出ても、バブルがはじけて就職氷河期……私が大学を卒業した1999年は有効求人倍率が0.48と過去最低を記録した一方、2015年の有効求人倍率は1.2と、バブル期のピークに迫る勢いです。

 

そんな苦労をしたはずの私も、

「君たちは、自分の意思で、何かをしようという積極性がない」

「自分のことばかり優先せずに、集団も考えなさい」

などと言われていましたし、一世代上の「バブル世代」の人から、

「君たちには、夢がない。さとりを開くな。現実的すぎる」

と言われたのをよく覚えています。これは、「ゆとり世代」の特徴と同じですね。ですから、何とか世代だからどうの、というのは、いつもある「最近の若い者は…」と同じだと私は感じます。

 

でも、やっぱり、あの新人先生には困っている……のだとしたら、何に困っているかをハッキリ、具体的にすることをお勧めします。例えば、配布物を忘れたり、遅れたりが続くと、「この先生、大丈夫?」という声が上がることが多いようです。お恥ずかしいことに、私もよく失敗して、謝ったものです。ところが、実際に教師にそれを伝えてくださる方は、案外、多くはありません。

 

 

■保護者は遠慮なく要望を伝えて構わない

 

「モンスターペアレントになりたくないんで、黙ってます」という声もあります。お母さん方が相当に気を遣ってくださっているんですね。「あんまり言って、ノイローゼになられても困るし……」という方もいました。実際、いろいろな理由で退職する教師は少なくないのですが、適性がなかったのなら仕方がありません。少なくとも、安心していただきたいのは、教師が学校を辞める理由の多くは、モンスターペアレントに追い込まれるからではないのです。教師間で責任を追及されたり、浮いてしまったりすることが決定的にその人を追い込むのです。

 

ですから、保護者は遠慮なく、落ち着いて、先生に要望を伝えればいいと思います。言わずに溜めると、イライラも募ります。そして、伝える時のコツは、話を具体的にすることです。ヒトではなく、コトの話をすることです。

 

例えば、

「印刷物が届かないことがあるので、当日に配ってもらえませんか?」

「算数のこの単元がわかっていないようなんですが、どうしたらいいですか?」

というように、具体的なコトの話をすることです。

 

「先生、大丈夫ですか?プリントまで、気が回っていないんじゃないですか?」

「先生、もうちょっと算数をわかりやすく教えてくれないと、困ります!」

こうなると、感情的な対立になってしまう可能性も高くなるでしょう。我々教師は、大切なお子さんをお預かりしているのですから、これぐらいのことを言われる責任を負っています。とはいえ、やはり人間同士ですから、感情的になっても、いいことはありません。 子どもの成長途上には、簡単に解決できないこともたくさんあります。時間が解決してくれるようなこともあるでしょう。その過程では、お母さんもお父さんも、教師たちも、子ども達自身も、悩んだり、困ったりすることがあるのです。その困り事を成長の糧にできるために、話を具体的に、率直に話し合うことを心がけたいものです。

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私立小学校校長

青木洋介

1976年生まれ、都内私立小学校校長。 2013年「むさしの学園小学校の母親を変える教室」出版。 低学年から高学年までの担任を経験する中で、子どもが安心して活躍するためには、まず、母親がイキイキしていることが大...

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