夫以外に好きな人ができてしまった妻は……

人間関係

亀山早苗

 

結婚していても、好きな人ができることはあり得る。そんなとき、妻は家庭で夫に対してどう思っているのだろうか。罪悪感はあるのか、夫への態度は変わるのか。

 

 

■関係を持つまいとは思ったけれど……

 

好きな人ができたとき、既婚女性たちは多くの場合、うろたえる。

 

「仕事関係の人を好きになったとき、結婚してから初めてのことだったから、自分の恋愛感情にうろたえました。気持ちを抑えようとしても抑えきれなかった。そういうのは相手に伝わるんでしょうね。彼からもごく自然に近づいてきました」

 

結婚して16年のアヤコさん(40歳)はそう話す。一緒にお茶を飲んだ。時間を合わせてランチをした。仕事帰りに食事をする。そうやって、どんどん距離が縮まっていった。

 

「2人とも結婚しているから、男女の関係になってはいけないと思っていた。彼も誘ってはこなかったんです。でも会いたいと両方が思っていたんでしょう。会うのはやめられなかった。一緒にいる時間が増えれば増えるほど、もう限界だと感じました。だから『一度だけ』と私から言いました」

 

彼は静かに頷いたという。

 

 

■それから2年の年月が経って……

 

一度きりのつもりが、互いの相性の良さに目覚めて関係は続いてしまっている。

 

「最初はこんなことをしていてはいけないと葛藤があったけど、不思議と夫への罪悪感はありませんでした。うち、仲が悪いわけではないけど、男女としてより家族としての意識のほうが強くなっているので。ただ、思春期の子どもたちには絶対に悟られないようにしようと覚悟を決めました」

 

彼との関係が、アヤコさんの生活を変えた。とにかく毎日、張りがある。自分はまだまだ現役の女なのだと自信も湧いてきた。

 

「子どもたちに『最近ママは文句を言わなくなった』と言われました。自分が日々楽しくて幸せだからでしょうか。子どもたちの些細な口答えにも、笑って対処できるんです。それに前は夫の言動にいちいちカリカリしていたこともあるんですが、今は夫にも怒らなくなった」

 

こういうことは、不倫している妻たちからよく聞かれる言葉だ。夫への罪悪感があるから、しおらしくしているわけではなく、自分が満たされているから夫や子どもに優しくなれるのだという。妻の不倫が、結果的に家庭を円満にしているとしたら皮肉な話ではある。

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

亀山早苗のプロフィール&記事一覧
ページトップ