「映画はネットで見放題」の時代、改めて見直したいレンタルビデオ店の使い方

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NETFLIXやamazonプライムビデオ、Hulu、dTV、U-NEXT、GYAO! etc. 月額370~1990円程度で、旧作映画や海外ドラマが見放題の定額制動画配信サービスがしのぎを削るなか、遂にレンタル業界の最大手であるTSUTAYAが本格参入というニュースを耳にし、時代の変化を肌で感じる今日この頃。

 

スマホさえあれば、いつでもどこでも好きなときに映画が見られるなんて、つくづく便利な世の中になったものだなぁ……と思いながらも、会社帰りにフラッとレンタル店に立ち寄り、DVDやブルーレイのタイトルに目を凝らしながら、「あ、これ見たかったヤツ!」と棚に手を伸ばす瞬間のワクワクも捨てがたい!というわけで、配信ブーム真っ只中の今、街のレンタル店ならではの良さについて、改めて考えてみました。

 

 

■動画配信とレンタルを巡る現状

 

早速、DVDメーカーの担当者や、映画配給会社の元買付担当者、動画配信サービスの担当者、ビデオレンタル店のスタッフなど、現場の方々にリサーチを開始。配信とレンタルを巡る状況が少しずつ明らかになってきました。

 

動画配信サービスは絶好調という印象があったのですが、、思った以上に会員数が伸びず、すでに淘汰が始まっている、というのが実情のようです。

 

とはいえ、レンタル店の売り上げは、ピーク時に比べると半分以下まで落ち込んでいて、今年に入ってTSUTAYAだけでも50店舗近くが閉店。全国各地のお店を合計しても、3000店舗を下回ると言われています。

 

お目当ての作品がすべて貸出中だったときのガッカリ感や、うっかり返却し忘れて延滞金がとてつもない金額まで膨れ上がっていた時の絶望感など、ネット配信によって解消されたものは沢山ありますが、レンタルならではのメリットだって、まだまだ見過ごすことはできません。

 

 

■お店のイチオシが一目瞭然! コアな映画ファンにもライトユーザーにも配慮されたレイアウト

 

ネット配信との大きな違いは、なんといっても圧倒的な情報量にあります。ネット配信のラインナップもずいぶん充実してきてはいますが、アートワークが画一的で、作品の規模感や特徴が分かりにくいのが現状です。

 

一方、店頭にはポスターやPOP、モニターなど、一度で目に飛び込んでくる情報量が多く、お店のイチオシ作品も一目瞭然。在庫状況や棚の場所も店頭の機械で検索できるので、借りたいものが決まっているときは、目的の場所にスムーズにたどりつくことができます。

 

もちろん、実際にジャケットを手に取ってじっくり吟味ができるのも、レンタル店ならではの醍醐味。ジャケット裏の解説文や場面写真も、配信の作品紹介より充実しているので、ライトユーザーにとっては、店頭の方が好みに合った作品を見つけやすい、という利点があります。

 

 

■店頭ならではの、埋もれた名作に巡り合える可能性も

 

店舗によっては、敢えてジャケットを隠すことで一期一会感が味わえる「」や、新作・旧作、有名・無名、公開・未公開に関わらず、「面白い」と思った作品だけを集めた「発掘良品」コーナーなど、独自の工夫を凝らした棚作りで、作品との出合いの機会を演出してくれる試みも。知識豊富なスタッフに声をかければ、ネットの情報では出合えない、ひねりの効いた作品をオススメしてくれることだってあるはずです。

 

定額制の場合、いつでも見られるという安心感から先延ばしにしてしまい、気付いたときには配信期間が終了していたなんていうこともあります。レンタルなら、50円や100円といった低料金で見たいものだけ借りられるし、商品の品揃えも店舗によって異なるので、埋もれた名作と巡り合える可能性に溢れています。

 

また、定額制だと少しでも好みと合わないと思ったら、ついつい途中で視聴を中断して別の作品に切り替えてしまいがちなのは私だけではないはず。前半はちょっぴり退屈でも、後半にどんでん返しが待ち受けていて、結果的に忘れられない1本になった!なんてこともあるので、映画鑑賞には多少の忍耐力も必要なんです。そういった観点から見ると、手間をかけてレンタルした分、作品に対する向き合い方がより丁寧になる、ということも言えるのかもしれません。

 

TSUTAYAでは、月額1000円(税抜)~で、ネットでの動画見放題と併せて、レンタル店で旧作のDVDやブルーレイが返却期限・延滞金なしで借り放題(ただし、一度に借りられる枚数は店舗ごとに異なる)になる「TSUTAYAプレミアム」も開始されるなど、レンタルにも定額制や返却期限なしといった配信のサービスが適応されつつあり、今後の動向が注目されています。

 

 

■11月3日はビデオの日だって知ってた?

 

ちなみに、去る11月3日は2016年から「」に制定されていて、10月、11月に映画館で鑑賞したチケットの半券を、11月3日~11月30日にビデオレンタル店に持参すると、旧作のレンタル料金が1本無料になるという、嬉しいサービスも行われています。

 

業界的には、レンタルの売り上げが見込めなくなった影響で、作品の買い付け予算が下がっている……なんていうリアルな話も聞こえてくるなか、劇場公開を巡るJASRACの使用料に関する話題も気になるところ。

 

動画配信サービスの便利さを享受しながらも、これからも日本で面白い映画が継続して見られるように、レンタル店も盛り上げていきたいですね。

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映画ライター

渡邊玲子

映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。国内外で活躍するクリエイターや起業家のインタビューやコラムを、WEB、雑誌、パンフレットなどで執筆するほか、書家として...

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