「AIBO」は“役に立たない”から可愛かった? 新しい「aibo」に求められるものとは

テクノロジー

出典:「」より

SONYの「AIBO」が、「aibo」として復活する。まだ、新しい「aibo」を実際に見たわけではないので、まだ何とも言えない部分があるのだけれど、多分、「aibo」は「AIBO」ではなくて、だから、ブランドイメージは引き継ぎつつ、名前を微妙に変えたのだと思う。それは、初代AIBOが発売された1999年と、18年経った今では、ペットロボットの認識が大きく変わっているから。

 

AIBO登場の頃、ペットロボットはコミュニケーションロボットとも呼ばれていたけれど、そのコミュニケーションは主にセンサーによる接触と、音声によるコマンド認識程度で、ロボット側から明確な意思表示はなく、基本的には仕草やLEDの点滅パターンなどでロボットの「表情」を伝える程度だった。その中でAIBOが突出していたのは、多くのサーボモーターによるリアルな四足歩行と、様々な体の動きだった。

 

 

■昔のAIBOは「犬型ロボット」ではなかった?

 

私たちは、それこそ「ルンバ」にさえ個性と性格を見出してしまうくらい、機械にだって簡単に感情移入できてしまう。かつて、当たり前のように自分のパソコンや自転車に名前を付けていたように、ただでさえ擬人化が得意なのだ。そんな私たちだから、AIBOの生き物のような機械のような動きから、感情を読み取るのなんか簡単だったのだ。家の中をジーコジーコと歩き回って、呼べばトコトコやって来て、頭を撫でれば寝転がってお腹を見せて甘えるのだ。それに加えて、勝手に写真を撮ったり、日記をつけたりする、ロボットらしさも垣間見せる。私の家でも、生き物は飼えないがペットを欲しがる息子の遊び相手として活躍してくれた。

 

最初から完成度が高かったAIBOだけれど、その後、バッテリーが少なくなったら自分から充電器に戻ったり、無線LANに対応したり、大人しい性格ややんちゃな性格などのソフトウェアが登場したり、顔に多くのLEDが付いて、表情が分かりやすくなったり、自分でブログが書けるようになったりと、様々な進化を遂げていったのだけれど、2006年に発売された最終モデルに至るまで、何かの役に立つような機能は搭載されず、ペット的な位置のロボットであり続けた。AIも搭載されていたが、それもペットとしての成長に使われ、より仲よくなったり、表情が豊かになったり、家族を見分けたりと、あくまでもAIBOの頭脳として機能していたのだ。

 

また、今回の「aibo」は犬型ロボットと称されているけれど、かつての「AIBO」は、犬型ロボットではなかった。もちろん、犬をモチーフにした機種もあったけれど、AIBOという名前は、ソニーの一連のペットロボットの総称で、だからライオンの子供がモチーフになったモデル、クマイヌがモチーフになったモデルなどがあり、更には宇宙探査ロボットをコンセプトにしたモデルまで登場している。既に動物でさえないのだ。

 

 

■これからのペットロボットに求められるものとは?

 

AIBOに出来る事は、その辺を歩き回ることと、適当に家族と遊ぶことくらいで、掃除一つしてくれないのだけれど、それで十分だったのだ。ちょっとずつ賢くなるのも面白いのだけど、賢くなったからといって、仕事を手伝ってくれるわけでもない。ロボットというより、本当にペットで、デジタル機器として考えた場合も、今のイメージで言えば、ロボットというより育成ゲームに近かったと思う。競走馬育成ゲームの中で自分が育てた馬が骨折しても泣けるように、一緒に暮らしていれば、情は移る。そして、それだけで良かったのだ。AIBO以降、様々なペットロボットが登場したけれど、人気になるものが少なかったのは、勝手に動いて、動きが可愛いという部分でAIBOに敵わなかったからだろう。感情移入の決め手は基本、勝手に何かやってくれていることなのだから。

 

しかし、ルンバ、ペッパーを経てGoogle Homeのようなスマートスピーカーに至る現在、かつてのペットロボットのような、のんびりしたロボットでは、今の人々の期待に応えられないかもしれない。SONYもそう感じているようで、デモムービーなどを見ると、歩くのが凄く速くなって、動作もキビキビしている。IoT連携などがどうなるのか、そんな機能は必要かという問題はあるけれど、とりあえず、動きは可愛い。賛否両論のルックスも、ロボットがレプリカント的になってきたという感じだし、動くとかなり印象が変わるので面白いと思う。後の問題は、クラウドとの連携。現在、ロボットをやるならクラウド連携は当然の機能とはいえ、「ウチのaibo」感が削がれるような気がするのだ。「ブレードランナー2049」のジョイのように、ローカルでも動くようにして欲しかったなあ。まあ、実物見ないと分からないけど。

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納富廉邦

フリーライター。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方などを得意とし、「おとなのOFF」「日経トレンディ」「MONOマガジン」「夕刊フジ」「ココカラ」などの雑誌をはじめ、書籍、ネットなど、さまざまな...

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