年末緊急提言! 居酒屋ビルのエレベータをめぐる大問題

人間関係
年末緊急提言! 居酒屋ビルのエレベータをめぐる大問題

忘年会シーズン真っ只中です。この週末はどこの繁華街も、これから忘年会に繰り出す人たちや、すっかりできあがっている人たちでごった返すことでしょう。

 

繁華街でよく見かけるのが、どのフロアも居酒屋ばっかりの居酒屋ビル。たいていは、エレベータが開くと、すぐに店の入口という構造になっています。そんなふうにエレベータに乗って居酒屋に行く場面で、釈然としない思いをさせられることが少なくありません。とくに忘年会シーズンのように、お客さんが多いときに、その事態は起こりがちです。

 

それは、1階でエレベータに乗り込む段階では後から乗ってきたグループが、お店に着いてエレベータが開いたときには先に降りて、店員さんに先に「何名様ですか?」と聞かれてしまうこと。もともと先にエレベータに乗っていたほうは、降りるときには後になって、店員さんに対応してもらう順番も後回しになります。

 

それはおかしいのではないかと、声を大にして言いたい! なぜ、後からエレベータに乗ってきたほうが、先に店に入れるのか! なぜ「お先にどうぞ」と言えないのか!

 

そう、先に降りたほうが「お先にどうぞ」と、自分たちより先にエレベータに乗っていた人たちにひと声かけて、前に行ってもらえばいいだけの話なんです。しかし、残念ながらそういうマナーや気遣いは、ぜんぜん定着していません。

 

いや、誰もが先に行かれてモヤモヤした経験があるだけに、心の中で「い、いいのかな、先に行っても……」と戸惑っている人も、きっと多いことでしょう。しかし、先を譲るという行動が定着していないだけに、「お先にどうぞ」と声を出すのは勇気がいります。そんなこと考えたこともなかった、細かいことを言うなとおっしゃる方は、そのまま大らかに生きていっていただければと存じます。

 

 

自分はそういう場面になったら、大人の意地と勇気を発揮して先を譲るようにしていますが、譲ってもらった経験は記憶にありません。話はそれますが、こっちがエレベータの「開」のボタンを押してあげているのに、知らん顔で降りていく人のほうが多数派です。それはそれで、みんなで力を合わせて、どうにかしていかなければいけない問題です。

 

忘年会シーズンでどのお店も混んでいるこの時期だからこそ、正当な順番は大事にしなければなりません。先に降りた(本当は後から乗ってきた)人たちは店に入れたのに、自分たちは「すいません。いま満席になりました」と言われたりしたら、あまりにも理不尽すぎます。年を忘れるどころか、悔しさや絶望感が来年まで尾を引きそうです。

 

さあ、日本を変えるのは今です! 今こそ行動しましょう! エレベータに後から乗って先に降りた場合は、後ろにいる先に乗った人たちに「どうぞ」と前を譲る。そんな当たり前のことが当たり前に行なわれる社会、理不尽な目にあって悔しい思いをする人がいない社会にしようではありませんか。

 

しかも、今はまだ実行する人が少ないだけに、たとえばデートの場面でさらっと前を譲ることができたら、あなたの株が急上昇すること間違いなし。会社の飲み会の場合も、あのかわい子ちゃんが、あのイケメンが、ひと味もふた味も違う大人のふるまいができるあなたに、熱い視線を送ってくれることでしょう。

 

仮に、そんなふうに先を譲ったことに対して、デートの相手や同僚が「なんで先に行かないの!」「意味わかんない!」などと非難してきたら、その人との今後の付き合い方を考えたいところ。伊勢うどんを食べたときに「コシがないうどんは許せない!」と偏狭な価値観を押し付けたがる人がいるのと同様、人間性を判断する大きな手掛かりになります。

 

そんな意味も込めて、せっかくの年末ですから、どんどん街に繰り出しましょう。ただし、まだ先を譲るマナーが定着していない今の時点では、譲ってくれなかったからといってムッとするのはそれこそ偏狭な反応だし、「おい、こっちが先だ」と文句をつけたら高い確率でケンカになるかと思います。マナーを押し付けるというマナー違反に陥らないように、どうかお気を付けください。

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コラムニスト

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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