医師が市販の便秘薬をおススメしない理由

ヘルス・ビューティー

今村甲彦

医師が市販の便秘薬をおススメしない理由

便秘といったら多くの方が薬局で便秘薬を購入していると思います。しかし、市販の便秘薬はあまりおススメできません。医師が市販の便秘薬をおススメしない理由をお話しします。

 

■医師が市販の便秘薬をおススメしない理由
それは市販の便秘薬は、ほとんど刺激性下剤だからです。刺激性下剤は、無理やり腸を動かして便をひねり出すので、効果は結構あります。ただし、便をするときにお腹が痛くなったり、さらには習慣になり、あげくのはては1錠で効いていたのが、2錠となり、2錠が3錠となり……。腸の感受性が低下するので、段々と効果が薄れてくるのです。

 

「植物由来だから安心」と言う人もいますが、それは安心はできません、刺激性下剤によく入っているセンナは植物由来です。そもそも植物からでもトリカブトなんて毒もありますし、抗がん剤も植物から抽出されたものがたくさんあります。

 

■自分に合う便秘薬を選ぶ
刺激性下剤ばかりを連用していると、薬の感受性が低下して徐々に効果がなくなってくるので、作用が異なる薬も併用した方がいいでしょう。たとえば、酸化マグネシウムと刺激性下剤を併用するのもいいでしょう。マグネシウムには便の中に水分を引き付ける作用があります。硬水を飲むと便が緩くなると聞いたことがありませんか? 硬水はマグネシウムなどのミネラルを多く含み、便に水分を引き付けるので便が軟らかくなるのです。

 

ただし、マグネシウムを含む薬は腎不全の人などでは高マグネシウム血症をきたし、気分不良をおこしたり不整脈がおこる可能性があります。医師の指示のもとで内服を行いましょう。

 

また過敏性腸症候群などでは、処方する薬の内容が変わってくることもあるので、便秘薬の内服に関しては、一度専門の医師に相談した方がいいでしょう。

 

 

■30年ぶりの新薬という手もある
30年ぶりの新薬を試すこともいいでしょう。アミティーザという1日2回の薬は効果が期待できます。この薬は小腸に働いて便の水分量を増加させ便秘の改善を促します。自然な排便で、耐性や習慣性が起きにくいのが利点です。欠点は薬の値段が高いこと、3割負担で1日、100円もします。1ヵ月だと3000円もかかることになります。

 

■自分に合うホームドクターを見つけましょう
便秘で悩んでいる方は意外と多いのですが、医師によっては「便秘は大した病気ではない」と思っていることがあります。じつは「便秘」や「風邪」などの病気に関しては、医師の世界ではあまり重視されていないのです。難しい病気やわかっていない病気、珍しい病気などが学会などでもてはやされる傾向にあるため、「便秘」と言ってもそこまで真剣に取り合ってくれない医師がいるのも事実です。自分に合うホームドクターを見つけて相談するようにした方がいいでしょう。

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今村甲彦

医師。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。「患者さんの声に常に耳を傾...

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