日米で大きく違う、一流のメジャーリーガーにとっての「オフ」シーズンとは?

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ある時、ヤンキースでバリバリだった頃のデレク・ジーター(現フロリダ・マーリンズのオーナーの1人)にこう質問したことがありました。

 

「オフの期間は、どのように過ごしているんですか?」

 

 

■日米で違う、「オフシーズン」のとらえ方

 

野球人にとっての「オフ」とは、シーズンが終わった後の主に12月、1月を指すのですが、この問いにジーターは驚きの答えを返して来ました。

 


「オフ? 俺にはオフという言葉はないね。ユニホームを脱いだら(引退したら)オフというんだよ。だから、ユニホームを着ている間はずっとオンなんだ」

 


日本のプロ野球選手なら、オフといえば体を休める(オーバーホール)時期であり、野球から少し離れる(考えないようにする)ことにより、来季への切り替えをする意味合いもあります。ゴルフをしたり、家族サービスに務める選手も少なくありません。しかし、ジーターはこう続けました。

 

「12月、1月はシーズン中より30%は運動量をアップさせる」

 

メジャーリーグのレギュラークラス、スーパースターたちにとってこの考え方は一般的で、だからこそ2月のキャンプ(スプリングトレーニング)初日から、ピッチャーは150キロの速球を投げるし、バッターは全力でフリーバッティングを行うことができるのです。

 

もともとキャンプ(スプリングトレーニング)の概念が、1人でできることは完璧にこなした後に、「1人ではできないことをやるために参加する」ということなので、日本のプロ野球と違うのは当たり前かもしれません。

 

ジーターに話を戻すと、ヤンキースのキャンプ地であるフロリダ州タンパに豪華なセカンドハウスを購入、シーズンが終わると寒いニューヨークを離れてタンパに移り、トレーニングを続けてキャンプに突入するというパターンを繰り返していました。「オン」の間は、野球に生活の全てを捧げる覚悟がなければ、スーパースターにはなれないということでしょう。

 

 

■スーパースターの共通点


成功しているアスリートの共通点は「圧倒的」にそれに打ち込んでいるということです。金銭面はもちろんですが、全てをそれに捧げる覚悟を示しています。メジャーリーグを代表する右腕投手だったロジャー・クレメンスは、8人もの“サポーター”を球団とは別に自費で雇いました。フィジカルトレーナー、メンタルトレーナー(セラピスト)、マッサージ師、栄養士、調理師などで「チーム・クレメンス」を結成。野球に万全に打ち込む態勢を作りました。

 

その結果、メジャーで24年間プレーし、通算354勝(184敗)、4672奪三振をマーク、歴代最多となる7度のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を受賞しました。

 

自己投資を含めて自分に対するエネルギーのかけ方次第で成績が左右されるのが、プロの世界といえるでしょう。

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スポーツジャーナリスト

瀬戸口仁

1960年2月25日、東京生まれ。サンケイスポーツ新聞社でプロ野球を11年間担当。独立して1993年に渡米し、ニューヨークを拠点に13年間、メジャーリーグ、とくに日本人メジャーリーガーを取材。日本の新聞、雑誌、サイ...

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