大阪府立高校の「黒髪強要」は北欧じゃありえない…? スウェーデンの最新“校則”事情

ライフスタイル

Jonatan Stålhös/imagebank.sweden.se

大阪府立高校の女子生徒が、生まれつき茶色い髪の毛を黒く染めるよう学校側から何度も指導されたことで精神的な苦痛を受けたとして、大阪府に約220万円の賠償を求める訴訟を起こしました。

 

このニュースは、海外メディアにも報じられ、日本の学校の厳しい対応に驚きと非難の声があがりました。スウェーデンでも数年前、短パン姿で登校した女生徒が、校則に違反していると学校側に注意された一件がありました。この問題は、国の機関である「学校検査局」が「生徒の服装は個性の一つであり、学校が規制することには問題がある」との見解を示し、大きな議論を呼びました。とはいえ、学校のような集団生活の場には何かしらのルールが必要、という認識はどこの国も共通しているようです。

 

 

■制服がないスウェーデンの学校

 

歴史的に多くの難民を受け入れ、労働移民なども多いスウェーデン。髪の毛や肌の色は千差万別、学校にも母国語がスウェーデン語以外の生徒が多数在籍しています。町を歩いても、金髪碧眼の人を探す方が難しいくらいです。

 

こういった社会のため、大阪の高校のような「生徒全員が同じ髪の色でないといけない」という発想自体がありません。スウェーデンの学校は制服を廃止して久しく、生徒らの内面を重視しながら多様性を受け入れるスタンスなのです。

 

互いの個性を重視しつつ、多文化社会で生きぬく力を養うため、スウェーデンの学校にはどんな校則、ルールがあるのでしょうか。一言でまとめるなら、それは生徒と教師が落ち着いて学業に集中するための「共通理解」と言えるでしょう。見た目や身だしなみで生徒を管理するというより、学びの場を充実したものにするための校則です。

 

たとえば、日本の学校なら当たり前の「授業に遅れない」「学校の敷地内で煙草を吸わない」「いじめや差別をしない」「授業中は携帯電話を使わない」といったものもあります。日本では「当然」のことも、多文化社会のスウェーデンでは、それらを明記する必要があるのです。

 

 

■宗教上の理由でも同じ格好は「違和感」

 

学校など公共空間での服装をめぐる議論でたびたびテーマにあがるのが、イスラム圏の女性が着る「ブルカ」「ニカブ」と呼ばれる顔を覆う服装です。アイコンタクトがしづらく、顔の表情が見づらいことが問題視され、公的な場での着用規制を求める声が上がっています。個性や多様性を重視するスウェーデンの人々は、たとえ宗教上の理由であっても、同じ格好の方が違和感を覚えるようです。

 

小中学校の校則の定番といえば、北欧らしい「雪合戦の禁止」や、その昔は「室内での帽子着用禁止」なんてものもありました。校則には、その国や学校の歴史や考え方、文化が反映されています。多様な文化を受け入れる社会を目指しながらも、日本の文化を尊重できる人材を育てるために、日本の高校も校則を見直す時代が来たのではないかと感じます。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

サリネンれい子

観光・情報ライター。スウェーデンに住んでいるからこそわかる、スウェーデンの旬な情報をお伝えします。デザインやアートから教育、福祉まで幅広いジャンルの情報を伝えるべく、日々精進する毎日。

サリネンれい子のプロフィール&記事一覧
ページトップ