料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理を美味しく撮るウラ技【シズル編】

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これまで2回の記事で、料理をおいしそうに撮影するのに必要な「構図」、そして「光」の話と進めてきましたが、その中でも再三「人物と同じように、料理にも表情がある」という点を強調してきました。

 

人物撮影に置き換えて考えてみてください。いくら構図や光の具合がよくても、肝心の被写体の表情が冴えないと、せっかくの写真が台無しですよね。そこで最終回となる第3回目は、料理の表情=「シズル」についてお話したいと思います。

 

 

■料理の「臨場感」をいかに表現できるかがポイント

 

そもそもシズルとは「原義は、油で揚げたり、熱した鉄板に水を落としたときに、じゅうじゅう音を立てるさまの意」(デジタル大辞泉より)です。例えば、手で割ると湯気が出て、見るからに蒸したてほかほかの肉まんや、ジョッキに雫がついてキンキンに冷えた様子のビールなどは、「おいしそう!」と感じますよね。これがシズルです。この臨場感をいかに写真で表現するかがポイントになるのです。

 

ではいくつか実際に例をあげて説明してきます。まずはグラスになみなみと注がれているビールから。

 

 

うーん思わず喉をゴクリと鳴らしそうですね。ここでポイントになるのが泡なのですのが、表面にできる白い泡のことだけではありません。

 

 

実はビールの下面から上面に向けて上がり続ける、細かい炭酸の泡こそがシズルにとって重要なポイントとなります。広告などの商品撮影で、よく「シズル感」という言葉を使いますが、グラスについている水滴も、「冷えている」というシズル感をより出すために重要な要素といえるのです。

 

では、焼きたて、茹でたてなどの「出来たて」を表現するにはどういう方法があるでしょうか。

 

 

■料理から立つ湯気や肉汁、油などで「出来たて」を表現しよう

 

 

フライパンの上にあるのは一枚のステーキ。おいしそうですが、これでは温かいのか冷めているのかいまひとつ伝わってきませんね……。

 

では下の写真はどうでしょう。

 

 

油が「ジュウジュウ」と音を立てている様子がはっきりと伝わってきます。ステーキから立つ湯気からも、このステーキが焼きたての熱々であることが分かります。上の写真に比べて臨場感があると思いませんか?ナイフで切った時に溢れ出る肉汁まで想像できそうですよね。

 

さらに臨場感ある写真を撮りたい場合は、実際に焼いている(料理している)瞬間を狙うという方法もありますが、これはかなりの経験やテクニックが必要となります。

 

 

そんな時に重宝するのが、今回の撮影で使用している「LUMIX DMC-GX7MK2」の「4Kフォト」という機能です。例えば「4K連写」というモードを使えば、シャッターボタンを押している間、30コマ/秒の高速連写で撮影。撮影後に膨大な写真の中からベストな一枚を選べるので、シャッターチャンスを逃すことがありません。

 

 

 

■生ものはテカりを出して食材の瑞々しさを出す

 

では生ものである刺身などの場合のシズルはどうでしょうか。

 

 

刺身で大切なのはやはり「鮮度」です。上の写真では刺身の表面がテカっていて、素材の瑞々しさやプリプリとした食感まで想像できてしまいます。瑞々しさの表現が大切という意味では、サラダなどの生野菜を撮影する際にも同様のことがいえます。

 

また刺身などの生ものは時間が経つにつれ、表面の水分がなくなり、色褪せていきます。刺身に限ったことではありませんが、料理は出来たて、供されてたてをすぐに撮影しましょう。

 

まだまだシズルを表現するための手法はさまざまありますが、料理の臨場感を出したいのなら「出来たてを撮る」に限ります。そもそも料理はおいしく味わってナンボのもの。くれぐれも、撮影にかまけてしまい肝心の料理が冷めてしまった、なんて事態にならないようご用心あれ。

 

以上、3回に渡ってお送りした「ミラーレス一眼のための写真講座」いかがだったでしょうか。今回は料理をおいしく撮るための基礎を中心にご紹介しましたが、多くはスマホなどでの撮影でも使えるテクニックです。これを機会にさらに料理をおいしく楽しんでください!

 

(文◎編集部 撮影◎鵜澤昭彦 料理・スタイリング◎みなくちなほこ)

 

 

●今回使用したカメラ
パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2

 

>>第1回

>>第2回

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