実は不倫だった「お母さんの気まぐれひとり旅」

人間関係

亀山早苗

 

■それでも「つながっていたい」男女

 

「不倫は決していいことではない」と誰もがわかっている。それでも恋に落ちてしまい、相手に配偶者がいれば不倫なのだ。そして、それが「遠距離」の場合もある。

 

「もとは同じ東京にいたんですけど、付き合うようになって1年後、彼は北海道に転勤。単身赴任だったので、ときどき私が訪ねています」

 

そう言うのはサキエさん(46歳)だ。結婚して20年、高校生の息子がいる。単身赴任中の彼を、この1年で4回訪ねた。

 

「会うとほっとします。お互いに燃え尽きてまた日常に戻る感じ。彼が言うには、奥さんは最初に1回来ただけだそうです。長い休みだと彼が東京に戻りますから」

 

彼を訪ねたとき、サキエさんはかいがいしく料理をする。彼は彼女の作るものが大好きなのだそう。その間、家族はどうしているのだろうか。

 

「息子は野球に夢中。ときどき合宿などがあり、そういう時期を利用します。夫は、たまには私のいないほうが息抜きできて良いんじゃないでしょうか」

 

行き先は特に告げない。「お母さんの気まぐれひとり旅」ということになっている。いつも北海道土産を持ち帰るわけにはいかないので、旅に出る前に九州土産などを取り寄せ、隠しておくこともあるそうだ。

 

 

■もともと遠距離のカップルも

 

もともと遠距離不倫をしていた、と話すのはイズミさん(39歳)。5歳年下の彼とはネットで知り合った。音楽好きの集まるサイトでコメントのやりとりをするうち、個人間でメッセージを送り合う仲になり、その後、仕事で東京に来た彼と会ってみた。それから3年にわたる付き合いだ。

 

「は独身なんですけど『あなたが離婚するまでじっと耐えて待つから』と言っています。私はその言葉を信じていなくて、いつか彼が結婚したら笑って別れようと思っています。でも、今は年に数回、彼に会うことだけが楽しみなんです」

夫の両親と同居するイズミさんは、12歳を頭に3人の子がいて、なおかつ仕事もしている。

 

「夫の両親には今も毎日文句を言われます。夫はまったく私の味方にはなってくれない。でも彼と付き合うようになってからそれも気にならなくなった。これからも子ども優先で過ごすつもりですが、それも彼と会える楽しみがあるから頑張れるんだと思います」

 

こういう話を聞くと、善悪を超えて応援したくなってしまう。夫がもし、イズミさんを少しでも思いやれば、彼女の精神的負担はずいぶん減るだろうに……とも思う。一番下の子が20歳になるまであと12年、彼女は頑張れるのだろうか。そして、彼は果たして待っていられるのだろうか。

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亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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