浮気、転職…夫婦の力関係が変わるとき

人間関係

亀山早苗

 

■浮気がバレて力関係が逆転

 

夫婦間で一番多いのは、夫の浮気がバレて妻に頭があがらなくなるケース。もちろん、多くの男性は何があっても否定するのだが、言葉で否定しても状況としては真っ黒ということもある。

 

「僕は否定しましたが、彼女からのメールを見られていた。『また泊まっていってね』なんて言葉があったら、そりゃアウトですよね。酔って泊まっただけと言い張ると、妻は不敵な笑みを浮かべました。怖かった」

 

マサアキさん(45歳)は、1年前の出来事をそう語った。半年あまり続いた彼女には平身低頭で別れてもらったものの、妻には別れたとも言えない。

 

「それ以降、妻の人使いが荒くなった。週末は完全に妻のしもべです(笑)。買い物に行くから車を出せだの、娘のピアノの発表会だから送っていってビデオを撮ってだの。前は『~してくれる?』という言い方だったんですが、今は完全に命令形」

 

だが不思議なことに、マサアキさんは気が楽になっているのだという。

 

「妻は浮気に関してはネチネチとは言わない。ただ、明らかに態度を変えて強気に出てきたわけですが、意外とそれがイヤではないんですよね。言いなりになっている気楽さがあります」

 

それは妻がどこかあっけらかんとしていることに起因しているのだろう。

 

 

■転職してから妻が主導権を握って

 

大学を卒業して就職した有名企業を結婚後に退職することになったダイキさん(36歳)。

 

「大手企業だったけど、僕は人間関係で挫折しました。結婚して2年目だったかな。妻に相談したら『そんなもん、やめちゃえばいいよ』とひと言。もともといざとなったら大胆な女性だと感じてはいましたが、このときはかっこいいなと思いました。妻にも経済力があるから言えることでしょうけど。その後、今の会社に転職して3年たちます。1年前に子どもができ、僕は仕事をしながら家事や育児を負担、妻は産休もそこそこに仕事に復帰、生き生きと働いています。と同時に、この家の主導権は完全に妻が握ったなと実感しています。だって、明らかに家事は僕のほうがやってますもん」

 

愚痴半分という感じだが、それでもダイキさんは明るい。人間関係で苦しみ、それでもその会社でがんばらなければいけないとつらかったとき、「やめちゃえ」とひと言で転職を勧めてくれた妻に、心から感謝しているからだそうだ。

 

「妻という立場で、なかなか『やめちゃえ』とは言えないだろうと思うんです。いくら妻も働いているとはいえ、1人の給料だけではやっていけないし。でも、そのとき妻は『いざとなったら私が会社員しながらスナックでバイトでもするからさ』って。うれしかったですよ。もう、一生ついていこうと思いました(笑)」

 

本当に自分が困ったとき、苦しんだときに助けてくれるパートナーであれば、日常的な力関係などどうでもいいとダイキさんは穏やかな表情で言った。

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亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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