「赤とチーズ」の歴史は繰り返される…なぜ、日本の少女たちは韓国にこれほど惹かれるのか?

ライフスタイル

 

マツコ・デラックス氏が、12月11日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)において「メイクとか服装を含めて、最近ブスが多い」との発言をして話題となっている。“最近のメイク”が何を指すかというと、少女たちに絶大な人気を誇る“オルチャンメイク”(韓国の美少女風メイク)がそれらしい。

 

オルチャンメイクとは、ナチュラルな太眉にぽってりと赤い唇が印象的な、いとけない雰囲気のメイクである。だが、この“赤い唇”は男ウケがすこぶる悪い。たぶん赤は、“圧”がちょっと強いのだろう。一見幼くても意志的な赤をまとった女に、男たちは引いてしまうのだ。けれど、当の少女たちはどこ吹く風、韓国のメイクやファッション、アイドル、チーズダッカルビなどのグルメをこれでもかと楽しんでいる。

 

彼女たちの祖母、あるいは母は韓流ドラマからコリアにハマった人たちだ。これを間近で見ていたゆえ、少女たちは自然と韓国文化に触れ、すんなりと溶けこめた。実際、親に伴われた韓国旅行で「韓国好きになった!」という少女も少なくない。

 

彼女たちいわく、「韓国の女の子って、採り入れられる可愛さをしっかり手にしてるし、遠慮なく楽しんでる感じがイイ!」のだそう。同じアジアの少女として親近感があるし、服もコスメもプチプラゆえ、お小遣いで買いやすいのも人気の理由と言えそうだ。

 

また、Hey! Say! JUMP、ジャニーズWESTら日本の人気アイドルのほか、KARA、大国男児などK-POPの作詞も手掛ける森若香織氏は、少女たちが夢中になる“Kポ”の魅力を「なんといっても音楽&ダンスの衝撃、ステージと普段のギャップ、たどたどしい日本語、それに隣の国の王子感orガールクラッシュ感がたまらないからでは」と語る。

 

「韓国アイドルの歌詞は“大人っぽい&辛辣”な表現が多く、しかも完璧に歌います。日本語で歌うときは、これに日本人向けの“スイート要素”が盛られ、やはり完璧に歌いこなします。こうした彼らの高度な歌唱力、パフォーマンス力、ビジュアル管理能力は、日本のアイドルにも大きな影響を与えていると思います」(同)

 

美しくストイックな韓国アイドルの姿勢は、少女たちの憧れをより強く喚起するのかもしれない。

 

――ところで、ちょっと歴史をひもといて前出の“赤い口紅”と“チーズダッカルビ”の流行をながめてみたら、おもしろい符号があったので紹介したい。

 

今から30年ほど前。1988年の日本では、やはり赤い口紅が流行っていた。今井美樹さんをイメージキャラクターに据えた「ライブリップ」(資生堂)の流行がそれで、太眉に赤い唇、白シャツにジーンズという組み合わせは、男ウケよりも女子ウケや自分らしさを意識した女性たちに好評を博した。

 

このノリは、モテよりも女友達からの「いいね!」を求めるイマドキ女子の風潮と合致する。

 

さらにこの2年後、1990年には“新手のチーズデザート”として「ティラミス」が空前のブームを巻き起こす。女子たちは、われ先にとティラミスを求めて走り、当時SNSがあれば間違いなく“最重要インスタ案件”だったことは間違いない。

 

この約30年前の出来事と今の何が重なるか?

 

実は1980年代末~90年というのは、昭和が平成に切り替わるタイミングだったのだ。くしくも今、2017年は、まもなく終わる平成を見送る時期にある。平成は翌2018年で終わり、私たちは新しい元号を迎える。

 

どうやら、日本の少女たちは“歴史の移り変わり”を前にして「赤とチーズ」に惹かれるさだめにあるようだ。自分らしさを主張する赤い唇で、まろやかでさわやかなチーズを楽しむ。現代の少女たちも今、そうしたフェイズにあるのだと思う。そんな“タイミング”にちょうどマッチしたのがオルチャンメイクであり、チーズダッカルビだったと読み解くが、これはうがった見方だろうか?

 

母や祖母が恋したコリアに娘もまた魅了され、その裏には時代のちょっとしたリフレインが隠されている――そんなふうに見て見ると、あの赤い唇がひときわ意味深に、また愛らしく見えるのである。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

ジャニヲタ・エバンジェリスト

みきーる

ジャニヲタ・エバンジェリスト、女子マインド学研究家。出版社勤務を経て、ライター&編集者として2000年に独立。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。ふだんはファッシ...

みきーるのプロフィール&記事一覧
ページトップ