シュレッダーで誤裁断した書類を復元できたらマズいのか、真剣に考えてみた

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群馬銀行が11月9日、顧客のマイナンバーカードのコピーなどが入った封筒440通をデータ入力前に誤って裁断したと発表し、話題となりました。原因は、データ管理業務の委託先の従業員が作業済み書類の棚に、誤って書類を置いてしまったこと。とはいえ、裁断片は全て確保しており、裁断片復元を進めた結果、440通のうち432通は個人を特定できたようです。

 

 

■復元は“合理的”じゃない…?

 

このニュースについて、SNSでは「裁断片が復元されたら逆にマズい」との指摘も相次いでいます。機密情報の保持を目的としているにも関わらずその役割を果たせないのでは、というわけです。このケースは、銀行の信用問題に深くかかわっており、復元せざるを得ない、復元するしかない事情があります。復元するには人員と作業時間がかかります。実際、行動に移すかどうかは、それに見合う価値があるか否かで決まります。

 

たとえば、ストーカーが対象人物のゴミを探ったとします。持ち帰ったゴミの中にシュレッダーで裁断された書類があり、どうしても中身を知りたい。となると、どれだけ時間がかかろうが、手間がかかろうが、復元するかもしれません。そこには労力を惜しまない、かかる時間をものともしない、という執念にも似たモチベーションがあると思われます。

 

しかしながら、通常の仕事や業務では、時間の制約などがあります。復元作業をするくらいなら、たとえば顧客に頭を下げてでも書類の再提供をお願いするといったアナログな手段の方が失うものが少ないでしょう。

 

「いやいや、時間がかかってもいつか復元されたら信用を失う」

 

そんな重要この上ない書類であれば、シュレッダーにかける前にデータでバックアップをとったり、二重三重の手間をかけて保管したりするでしょう。シュレッダーにかけるものの重要性いかんによるわけです。そこまでした裁断片から情報を集めようとするなら、データの状態で収集する方が合理的。「労力と時間<情報の価値」となるでしょう。

 

これまでに起きた情報漏洩事件のほとんどが、担当部署の課員か、業務委託先の作業を請け負った人物に個人情報の詰まったデータをUSBメモリ等で持ち去られるパターンでした。山のようなシュレッダーの裁断片を時間と労力をかけて復元するだけの価値があるか否かを考えると、USBメモリを使ったほうが簡単でしょう。

 

 

■裁断片を復元不能にする方法

 

機械化が進み、作業の手順も簡略化して、労働時間は削減されています。何もかも便利になっていいことづくめですが、やはり最後は人。作業の最後の最後で何か1つ、人が間違えてしまえば、すべてが無になる危険性をはらんでいます。とりわけ、個人情報に関わる重要な業務は、複数の人によるダブルチェック、トリプルチェックをして、なおまた最終的に確認しあうことが必要でしょう。書類やデータの重要性次第で、対策を十分に検討してから作業に進みましょう。

 

シュレッダーにかける書類は、その重要性によっては油性ペンや文字隠しスタンプ等を使い、知られたくない箇所を判読不能にしてから裁断しましょう。さらに、裁断片は複数回に分けるなり、廃棄する日を別にするなり、裁断片をできるだけさらに分割して復元不能にしましょう。

 

個人では、たとえばクレジットカードを裁断したときなど、裁断片を数回に分けて捨てるだけで、復元不可能になります。単純なゴミではなく、個人情報や重要な情報源はシュレッダーにかけただけでなく、捨てる際も細心の注意が必要です。「情報の連鎖性」を破壊してから破棄するひと手間が、情報を守り、安全を確立するシンプルかつ最も重要なことだといえます。

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安全生活アドバイザー

佐伯 幸子

オールアバウト「防犯」ガイド。92年より「頭を使って身を守る方法/知的護身術」を提唱。子どもや女性の安全対策を中心に、暮らしの中のあらゆる場面での危険を指摘、排除する方法を分かりやすく解説。危機管理のス...

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