人の心を操る話術は“サギ師”から学べ! 詐欺・悪徳商法評論家が発見した「逆らえない一言」とは

人間関係

ダ・ヴィンチニュース

(イースト新書)』(多田文明/イースト・プレス)

年々厳しくなる摘発をかいくぐるように新たな騙しの手口を編み出すサギ師たち。言うまでもなく詐欺行為は犯罪なのでこのような言葉は本来不適切なのかもしれないが、サギ師の中には“プロ”の話術を持っている者もいる。他人の弱みや心の隙につけこみ、相手の口から「OK」の一言を引き出す技術。その才能を利用してまっとうな職業で活躍すれば良いものの…と呆れてしまうほどであるが、そう簡単に片付く問題ではなさそうなのもまた事実だ。

 

ルポライターの多田文明氏をご存じだろうか。詐欺・悪徳商法評論家として、街頭の勧誘からキャッチセールスの現場へ、アポイントメントセールスへ100箇所以上潜入している。また、詐欺の実態やネットのサイドビジネスなどにも精通し、多くの著書を持つ。そんな彼だからこそ語れる心理ノウハウの本、『サギ師が使う人の心を操る「ものの言い方」(イースト新書)』(多田文明/イースト・プレス)をご紹介したい。“巧みな「言い換え」を見抜き、心理戦に生かす禁断テクニック”と謳う本書の、気になる内容を少し覗いてみたい。

 

 

■相手が発した言葉を繰り返しキーワードに使う

 

消費者の購買意欲をあおりながら商品を売りつける催眠商法には、気持ちを高揚させる言葉のテクニックが使われているという。相手の口から出てきた言葉を巧みに繰り返し、ターゲットを“その気”にさせるのだ。実際の“NG例”と“OK例”を見てみよう。

 


NG例

「趣味はなんですか?」

「テニスなどのスポーツです」

「週にどれくらいなさるのですか?」

「週に一回くらいですね」

「なるほど。時事問題に興味はありますか?」

「ええ」

「映画は好きですか?」

「そうですね」
 

 

これでは相手の心は全く掴めておらず、このようなサギ師は“サギの成績”が悪いという。

 


OK例

「趣味はなんですか?」

「テニスなどのスポーツです」

「ほう、テニスですか。いい趣味を持っていますね。最近もどこかでテニスをしましたか?」

「ええ。昨日は有明でテニスをしてきました」

「そうですか。有明はいいところですよね。日ごろから健康的な生活をしていらっしゃるようなので、私も見習わなくては、ですね」
 

 

「テニス」や「有明」という言葉を繰り返しながら、そこに自分の気持ちを乗せた答えを返して、じわじわと相手の口を軽くしていく。一見地味なようだが、これは“デキるサギ師”が使う高等テクニックなのだという。

 

言うまでもなく、本書は読者に“デキるサギ師”になることを推奨しているわけではない。上の2つの「ものの言い方」を、営業やデートの場に当てはめて想像してみてほしい。どちらの話し方が短時間で相手の興味を惹きつけ信用を勝ち取っていくのかは一目瞭然だろう。ほかにも、SNS上でのやり取りなんかにもこの話術は幅広く応用できそうだ。この話術は心理学でいうところの「ミラーリング効果」に近い気もする。親しい間柄だと相手と同じ動作を行うことが多く、ミラーリング効果は好意や親近感を抱かせるために相手の発言や動きをマネること。ディズニーランドのキャストの中には、このミラーリング効果を用いて来場者に親近感を抱かせるという話を私は以前テレビの特集で見たことがあるが、これも同じ原理だったのかと納得した。

 

「巧みな話術」は、何も人を騙してお金をむしり取るためだけに身につけるものではないだろう。繰り返しになるが、本書は高等な詐欺行為を褒めたり助長したりするものではない。著者が詐欺や悪徳商法の現場に潜入することで学び得た「話術」を、自己の成長や他人との心地良い信頼関係の構築に応用していきたいとするものだ。

 

文=K(稲)

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