「一般道での後席シートベルト着用率」ワースト1位の福井県。ヒドすぎる県警の啓発ポスターを見て、思わず納得…

車・交通

警察庁とJAFは毎年、後席シートベルトやチャイルドシートの着用状況を調査した結果を公表している。2017年10月に全国881か所で調査した結果は2018年1月上旬に発表された。それによると後部座席でのシートベルト着用率は、一般道路で36.4%(前年比0.4ポイント増)、高速道路等で74.4%(前年比2.6ポイント増)と2002年の合同調査開始以来、共に過去最高だったとのこと。しかし、後部座席での着用率は特に一般道では依然として低い。着用率については都道府県別のデータも公開されており、これがなかなか興味深い結果となっている。調査では、一般道路と高速道路、それぞれ運転席と後部座席での着用率を調査しているが、都道府県別に違いが顕著なのは「一般道+後部座席」での着用率である。

 

より

 

■ワースト3の都道府県はどこ?

 

 

こちらのグラフを見てみて欲しい。薄いピンクのグラフが一般道における後部座席でのベルト着用率を示している。都道府県間で3、4倍もの違いがあることに驚く。

 

★後部座席のシートベルト着用率が低い都道府県

1位 福井県(14.8%)

2位 佐賀県(15.1%)

3位 沖縄県(20.6%)

 

となっている。全国平均が36.4%に対して、福井や佐賀は半分以下という恐ろしく低い数値である。これらの県も、運転席の着用率は95%を超えてはいるのだがそれでも他県に比べると低い。

 

 

■福井県と佐賀県。共に「全国ワースト1位」

 

一般道での後席シートベルト着用率が20%以下、ワースト1、2位の両県には大変恐ろしいデータがある。それは…

 

福井県→A.人口10万人あたりの交通事故死者数が全国1位(平成28・29年連続)

佐賀県→B.人口10万人あたりの人身事故発生件数が全国1位(平成29年まで5年連続!)

というもの。

 

ちなみに、Aの死者数は全国平均が2.9人のところ、福井県は2倍以上!の5.88人(同じく全国ワースト1位の平成28年は6.48人)。この数字は東京や神奈川、大阪など都市圏は低くなっているが、その理由は人口に対して公共交通機関を使う人が多く、車に乗る人が少ないということを意味している。

 

後席シートベルトの非着用率が死者数や人身事故発生件数に直結している恐ろしい実例である。事実上の罰則がなくても一般道路でも、後席シートベルトは着用すべきである。自分や大切な家族を守るためにはベルト着用を厳守すべきだ。

 

 

■シートベルト着用を啓発する福井県警のポスターがひどすぎる!

 

 

こちらのポスターは今回、色々とデータを調べていく中でたまたま発見した福井県警作成の啓発ポスターである。どこに問題があるかお判りだろうか?それは、ポスター右上にあるイラストである。福井県警、大丈夫か?実際、この二つのイラストはまさに「致命的」なミスがある。この状態で事故に遭えば、左の赤ちゃんも右の子どもも死亡する確率が著しく高くなるはずだ。

 

では、解説していこう。

 

まずは左側のベビーシートから。最もダメなところは、赤ちゃんの体を拘束するハーネス(ベルト)である。ハーネスが出ている位置…これがとんでもないのだ。赤ちゃんの体のはるか上の方から出ており、赤ちゃんの体はまったく拘束されていない。ベルトがゆるゆるですき間だらけ。また、ヘッドサポートもない。しかもハーネスは3点式で、赤ちゃんの股の部分を通すベルトが存在しない。こんな危険なベビーシートは少なくとも日本には存在しないし、もちろん日本の安全基準(ECE R44/04)もパスしない。これでは急ブレーキレベルの衝撃でも、赤ちゃんはベビーシートから転がり落ちてしまう。大きな衝突では車外に放り出されて後続車や対向車に轢かれるか、アスファルトに頭を叩きつけられるか、はたまたフロントガラスめがけて飛んで行き、頭を強打して亡くなるか?いずれにしても恐ろしい結果になることは間違いない。このイラストを描いた人は何を見て描いたのだろうか?正しく装着されたベビーシートを知らないのか?いやしかし、イラストレーターだけの責任ではもちろんない。警察の中でもきっと何重にもチェックがあったはずだ。誰も気づかなかったのか?ヒド過ぎる!

 

そして、右側のイラストである。これはまず、頭身がダメである。2頭身くらいしかない。たとえイラストであっても、シートベルト装着の図を描く際には極力実際の人間の頭身に合わせて描かなくてはならない。頭と肩、腰とベルトの位置関係が重要になるからだ。

 

そしてこのイラストはどう見ても子どもに見えるのだが、チャイルドシートもジュニアシートも使っていない。さらに、このイラストにあるベルトは3点式だと思うのだが、子どもがベルトを締めようとしているバックル部分はなんと!腰部分にある。つまりこれは2点式ベルトの状態だ。肩ベルトの先端はどこに収まるのだろうか?

 

いずれにしても、かなり「致命的」なミスが複数重なっている。警察の啓発ポスターがこんな状態ではダメだろうよ。正しい着用を啓発するはずの警察からして、意識が低すぎる。

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自動車生活ジャーナリスト

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌...

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